31:死の間際に見た安息の地
何が起きた?
今にも泣きそうな顔をしたアリシアを見て、いてもたってもいられなくなって、走り出して、叫んだら、リリスが飛んでって、柱が壊れた。
思い返してもサッパリだった。
もう1度思う。
何が起きた?
「御主人様!」
その声に顔を上げると、視界一杯に白が広がっていた。
やや重めの衝撃に、ふかふかの感触が顔に圧し掛かる。
「んぎっ」
首が軋み、変な声が出た。
と思ったら、その白くて柔らかい物体に顔を後ろから押し付けられる。
ちょ、苦しい苦しい苦しい!
息が出来ない!
抵抗を試みるも、顔に押し付けられたものは全然取れない。
やばい、このままじゃ窒息死する!
さらに必死になって手足を動かして、逃げようとする。
とりあえず何とかして引き剥がさないと、と思い顔に押し付けられた柔らかくていい匂いがする物体を掴む。
「あんっ」
するとどうだろう、いくら握ろうとしても指が沈み込んでいって、上手く掴めない。
どう掴んでも手のひらから零れ落ちていってしまう。
「んんっ、あ、ひゃうっ」
妙に艶かしい声が頭上から降ってくるが、命の危機に晒されているいま、そんなことに構ってられない。
掴めないなら、押しのけるしかない!
そう結論づけて、全力で目の前のものを押す。
すると、僅かに隙間が出来て呼吸が出来るようになった。
よし、いまだ!
息を大きく吸って、吐き出すと同時にもう1度押し出す。
「――っぶは!」
ついに何かを引き剥がすことに成功し、明るい視界と制限のない呼吸を取り戻した。
「ぜぇはぁ、うえ」
あぁ、空気が美味しい!
当たり前に呼吸できることがこんなに嬉しいなんて!
失いかけて始めて分かる大切さ。
みんなももっと空気に感謝して生きるべきだと思う。
酸素を取り入れることによって、やや混乱気味だった脳が正常に稼動し始める。
同時に視界も鮮明になり、現在の状況を確認する余裕も生まれてきた。
そして、次の瞬間余裕は吹っ飛んだ。
「こんな所で、強引です。でも、御主人様が望まれるなら、何時何処でも……」
なんか、美少女を組み敷いていた。
まぁアリシアなんだけど。
両手は見事にアリシアの上半身前方にそびえ立つ両峰を鷲掴みにしている。
動かすたびに、身体を小刻みに震わせる様が尋常じゃなく興奮する。
「って、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええ!?」
さっき駆け出したとき以上の速度で後ろへ飛びすさる。
え、え、え?
もしかして、さっきのって。
飛びついてきたもの→アリシア
白いの→エプロン
後頭部を押さえていたもの→アリシアの手
呼吸を妨げるほどに押し付けられてたもの→おっぱい
って、ことだったのか?
じゃ、じゃあどけようと掴んで押してこねくりまわしてたのって……
「ぷしゅー」
その事実が脳の許容量を超えて思考がオーバーヒートした。
「ご、御主人様!?」
倒れ行く最後の視界に映ったのは、上下にゆれる白い布に包まれた2つの果実だった。
「お、おぱ……やわら……た」
ガクリ
1/13誤字修正
高等部→後頭部




