表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Hollow cathedral  作者: 林檎亭
第1章 目覚め
105/159

104:マッチでぇす

「第一問」


 机の真ん中から並べられたマッチ棒がせり上がって来た。


「コノまっち棒ヲ三本動カシテ五ツアル正方形ノ数ヲ四ツニ減ラシテ下サイ」


 主題されたのは知能クイズと呼ばれる、知識ではなく発想力が問われるものだった。

 そして、マッチ棒を限られた回数動かして図形を変えるのは、その中でも比較的多く見られるもので、その問題自体もやはり何処かで目にしたことがあるようなものだった。

 すぐに答えが思いつくほどではないけど、じっくり考えれば解けそうだ。

 とは言っても、現在124秒のハンデがあるので、解答する権利すらない。

 だから、答えを考えつつも様子を見るしかなかった。


「はい!」


 ドゴンッ!

 問題文読み上げから2秒くらいでアリシアがボタンを押した。

 押したっていうか叩いた。

 ボタンを押したときに鳴るピンポンよりも、ボタン自体を叩いた音のほうが大きいって、どれだけ勢いよく叩いたらそうなるんだ。


「このマッチ棒を縦に裂いて、半分を真ん中に置きます!」


「縦に裂いて!?」


 まさかの答えだ。

 ちょっと発想柔軟過ぎないだろうか。

 それに、マッチ棒って縦に裂けるような代物だっけ? 無理だよね?

 当たり前というか、もちろん不正解のブブーが発せられる。


「不正解デス。裂イタリ折ッタリハ禁止デス」


「そういうことは出題時に言って下さい」


 問題文の不備に不満を表すアリシア。

 いや、普通はそこ注意しないといけないと思わないから。


「其レト今ノデぼたんガ壊レタノデ交換シマス。少々オ待チ下サイ」


 さっきので壊れたのか。

 アリシアの膂力りょりょくに驚きを禁じえないけど、ある意味あの音からしたら壊れてもおかしくないよね、という納得もあった。


「交換完了シマシタノデ再開シマス。デハ、問題ガ分カッタ方ハぼたんヲ押シテ下サイ。タダシ、壊サナイヨウニ押シテ下サイ」


 ボタンを強く押して壊さないようにって注意を聞いたのは初めてだよ。


「ボタンが脆すぎます……」


 いいえ、貴女の力が強すぎるんです。


「三秒ガ経過シマシタ。狐々乃月ニ解答権ガ発生シマス」


 アリシアがぼやいている間に1秒が経って、狐々乃月が答えられるようになった。


「もらったで!」


 待ってましたと言わんばかりに狐々乃月がボタンを押す。

 ちゃんと叩かずに押した。

 さすがに狐々乃月まで馬鹿力というわけじゃないようだ。


「デハ解答ヲドウゾ」


「まずこのマッチに火をつけてやな」


 答えを全て聞く前に不正解のブブーが鳴った。


「なんでや!?」


「なんでやじゃないよ!」


 ブルータス!おまえもか


「……まっち棒ヲ損傷サセルノハ無シデス。チャントまっち棒ヲ動カシテ下サイ」


 もの凄く呆れた声で改めてイデアが注意した。


「燃やしたアカン言うてへんかったやん……」


 狐々乃月もぶつぶつと不満をたらしている。

 2人とも発想が自由というか物騒すぎる。


「ほんなら、どうしたらええねん……」


「これをこうして……いや、でもこれは……」


 力技を封印されたせいで2人は本格的に唸り始めた。

 そして30秒くらいが過ぎた時、アリシアがボタンを押した。優しく押した。


「これは引っ掛けですね!答えは『できない』です!」


「出来マス」


 ややドヤ顔で答えたアリシアだったけど、間髪入れないイデアの返事に(´・ω・`)(しょぼん)みたいな顔になってた。

 これでアリシアの解答権は残り1つになった。

 そして2人とも答えられないまま時間が過ぎ、124秒が経過した。


「124秒経過シマシタノデ、全員ニ解答権ガ与エラレマス」


 いいのかなぁ、と思いながらボタンを押す。


「この棒をこうしてこうして、これをこうする……でどうかな」


「正解デス。正解者ニ10ポイント入リマス」


 ハンデとはなんだったのか。

3/27 誤字修正 始めて→初めて

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ