第8話「出会い、別れ、そして誓い・前編」
第8話 サブタイ通り前編です。
10/30 修正しました。
side 緑
村に来て早2週間が過ぎました。
この2週間は、一言で言うと『光陰矢の如し』です。
ここで私が村に居た時の1日を、振り返ってみたいと思います。
朝、同じ部屋で眠っている徐晃が先に起き、隣で眠っている私も釣られて起きる。
村の近くの川で顔を洗い、眠っている身体を起こすためにじっくり剣法や拳法の型?(徐晃曰く準備体操)をし、身体が温まる頃には、私達家族を助けてくれた村の女の子達が集まり、朝食まで走り回る。
下半身の鍛錬だそうですが、やったことの無い人間には拷問に思える速度でした。
少し辛かったですが、次の日には慣れたので、まあ、問題ないのかしら?
朝食では、おば様や徐晃の料理を食べ(徐晃の料理は、なかなか美味しい)おば様や母様の武勇伝を、食休みしながら聞き入る。
食休み後、徐晃からの頼みで勉強を外で教える。
徐晃は、古い詩集や農耕書を読んで字を覚えたらしいけど、知識自体が偏っている。
それはそうだろう、詩集が2冊に、農耕書が1冊…これで文字以外の知識を得るのは、かなり厳しい。
おじ様も徐晃に勉強を教えているみたいだけど、仕事の合間になるのでやはり難しいらしく、もっと色々な事を知りたいと、徐晃が私に教えを請うて来たのだ。
私も人に頼られるのは嬉しいし、何より徐晃には、この村で男の子達や女の子達への紹介や(そういうつもりは無いのだけれど、どうも私自身が壁を作っていたらしい)親身になって色々な事を聞いてくれた。
命の恩人であり、村での恩人であり、一方的だけど親友だと思ってる、彼女の願いを無碍に出来る訳がない!
っとと、少し熱くなりましたが、そう言う理由で勉強を教える事になりました。
教えている時に村の友達や大人の人達、果てはご長寿様達や長老様まで見にきて下さいました。
お爺様達やお婆様達に「お主は、その年で物事をよう理解しておる」と、言われた時には、恥ずかしくなってしまい顔を真っ赤にしてしまいました。
お昼の休憩を挟み食休みしながら勉強をして、日が少し傾いた頃には、村の男の子達や女の子達と山で狩りをしたり、川で魚を釣ったり、ドロドロになるまで遊んだ頃には、もうクタクタです。
夕日が沈む前に、水くみを終えておば様と母様、徐晃と私で料理を作ります。
4人で立つには狭い台所ですが、笑いが絶えませんでした。
余談ですが、初めの頃、おば様の笑顔を見た時にビックリしてしまい、おば様が凹み母様が大笑いし、徐晃が苦笑いしながらおば様を慰めてたのも良い思い出です。
そして就寝…
とは行かず、初めて心を許せる親友が居るのに、そのまま寝るなんて出来ないとばかりに話をしながら、何時の間にか眠り…
そしてまた朝が来る。
余りにも楽しくて、此処を離れたくないとまで思うようになりました。
…明日には、私の故郷である山陽郡へ帰ります。
とても辛くて悲しい、でも、仕方が…無いですよね…
そう言えば、村を離れる前にどうしても、徐晃に聞かなくては、いけない事がありました。
徐晃…来て、くれますよね?
side 緑 out
この話は緑の心情を少しは出せたかと思います。
中編は、藍…
彼女、暴れるんですよね…