第78話「対策、擬似流星剣」
第78話で御座います!
遅くなって大変申し訳ないです。
side 藍
私は今、自分の発言をとても後悔していた。
流石にんな訳ないが、治った早々にこれは無理だったかと泣きそうになっている。
前に緑と華琳に頼んだ件が現実となったのだ。
「ふはははは、流石は藍だな!見事な武だぞ!!」
「…当然だ。」
「多少速さが落ちておりますがな、ちと病み上がりから抜け切れておりませんな。」
「藍お姉様、平気ですか?」
「やっぱり藍姉様は凄いです!!」
ご覧の通り、焔耶・緋焔・良蓮に加えて、予め呼んだ星と春蘭を合わせて5人。
つまり1対5の戦闘訓練をしているのだった。
あの流星剣って技をどうにかする手が、私やあの説明を受けた緑や華琳にも判らなかった。
まあ、受けたのが私だけだし、2人に見たことも無い技の封じ方を閃けって言っても無理だよね~。
実際受けた私も凄まじい速さだった事しか覚えていなかった。
正直に言えば、オーディンさんに聞いたとは言え、得体の知れない技である事には間違いない。
技であるって事にすら、私には判らなかったのだから…
しかし、オーディンさんのヒントである「瞬く間に5回斬る必殺剣」と言う言葉を信じて、私の知る中で最高クラスの腕前を持っている5人に同時攻撃を仕掛けて貰う事で、付け焼き刃ながら対策としたんだけど、かなり難しいわ。
春蘭・緋焔・星の攻撃が同時に飛んでくる事自体が不味すぎる上に、腕も上がってきて更に武器の恩恵まで受けている焔耶・良蓮の2人も攻撃を重ねて来ている。
多分3人が焔耶達の攻撃を併せやすくしているから、辛うじて瞬間5連撃になっているんだけど、威圧感や攻撃力については、申し分ない所か、私が死ぬ気がする位怖いんだけど、残念な事に焔耶と良蓮に速度を合わせているため、攻撃が見えてしまうのだった。
「はぁはぁ、結構キツいかも…」
正直な気分は、確かに今病み上がりの私にはキツいが、見えてしまっているのも事実。
しかし、手伝って貰っているのに、遅いと文句を付けるなんて、出来る訳g…
「うむむ、焔耶!良蓮!もう少し早く出来んのか!!」
春蘭から何故か焔耶と良蓮に、ダメ出しが出た。
え?なして?
「…藍、遅いのだろう?」
「へ?んな事無い無i…「…長い付き合いだ、多少は判る。」う…」
まさか、顔に不満というか物足りなさが出てたのか…
「まあ、顔に一瞬出ていたと言うのもありますが、何より聞いた説明通りの同時攻撃ではありませんからな。我らとて、武人の端くれ、藍殿程の武人が破られた技である以上、生半可な攻撃では無いことなど、容易に想像出来ますぞ?」
そう言って、悔しげな表情をする星。
「いや、その…」
「ごめんなさい、藍お姉様…3人の速度に付いていけませんでした…」
「ごめんなさい…藍姉様…!!」
そう言って凹む焔耶と良蓮。
確かに本当なら、星・春蘭・緋焔・霞・恋の5人がベストかと思ったんだけど、霞まで抜くと家がスカスカになるのが拙いし、正直愛紗ちゃんと鈴々ちゃんは使いたくない、孟起ちゃん達は、一応華琳達と同じく同盟国の人間で、あまりこういう場に出て貰ってもし何かあったら責任取れないから、やってもらう訳にもいかず…
消去法とは言いたくないけど、実際そうなってしまったと思わせてしまったかな…
「それで、藍。結局、成果は出そうなのかしら?」
「え~と…」
何時の間にかやってきた、華琳がそう聞いてきたが、此処まで重臣達を使って、期待した成果が出せませんでしたとか、無能って言われても仕方ないよね~…
「あら?あなたを無能だなんて、誰にも言わせないわよ?実際問題、これ以上戦力を此方に集中出来ないのだから仕方がないわ。」
「まあ、そうなんだけどさ…」
相変わらず華琳さんあんたはエスパーか…
しかし流石に、自分で考えて皆に手伝って貰ったのに、得る物がほとんど何もないとか、凹むよね。
「藍、周りを考慮したり遠慮するのは判るけど、失敗したらあなたが死ぬのよ?そこは理解しているわよね?」
「うん、それは判ってるよ。けど…」
「けどは無しよ、やっぱり桂花達や緑に、仕事を任せてきて正解だったわね。」
返す言葉が見つからないよ…
「馬孟起殿、頼めるかしら?」
「ああ、あたしで良ければな。」
「ちょっ!?」
私の苦悩は何処へ!?
「そんな物は捨てなさい。焔耶に良蓮外れて見てなさい。」
「あの~華琳さん?2人が抜けちゃうと、孟起ちゃ…殿が入っても4人何だけど…」
そう言うと、華琳は何処からともなく自分の得物である大鎌『絶』を取り出して、孟起ちゃんと一緒に緋焔達の下に向かった。
「これで5人でしょう?」
「さ、流石にこれは…華りn…」
私が言葉を紡ごうとした時、華琳が一喝した。
「あなた、本気で勝つ気があるの!!あなたを彼処までズタズタにした相手に勝とうと思ったら、四の五の言っていられない筈よ!!」
情けなさすぎる、華琳に此処まで言わせるとか…
そうだよね、完膚無きまでに負けた以上、四の五の言っていられないよね。
「ごめん、悪いけどお願いするよ。」
そう言って私は集中し始めた。
が、華琳にまたツッコまれる。
「藍、あの子達を忘れてるわよ?焔耶、良蓮。あなた達はまだまだ成長途中なのだから、しっかり私達の戦い方を見て学びなさい。」
「「はい!!」」
あ~、私ってば、全然ダメダメだわ…
「藍、気が逸りすぎよ。」
「っ!?ほんと駄目だね~。」
いかんいかん、すっかり我を忘れてるよ。
言われて気づいたので、目を瞑りゆっくりと深呼吸をして目を開く。
「良い顔になったわね。」
華琳も一瞬笑顔になった後、真剣な表情になり武器を構えると、他の4人も目つきが変わる。
『いざ!!』
こうして、再び訓練が開始されたが、擬似流星剣は凄すぎたと言えた、てか、集めた人間が不味すぎて只でさえ傷だらけなのに、暫く生傷が絶えなかったよ。
まだ、仕上げすら終わってないのに、これは一体どういう地獄なの?
軽く引きそうになったが、気合いを入れ直して5人に向かう私だった。
side 藍 out
如何でしたでしょうか。
藍さんの修業編、豪華キャストを揃えた擬似流星剣で、どうにか出来るのでしょうか?