表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/91

第73話「探し物は見つけにくい物ですか?」

 第73話で御座います!



side 藍


 1月ほど経って漸く包帯が取れたんだけど、身体中の傷は痕が残ってしまった。

 まあ、珠のお肌とは言わないけど、一応私も女だからね、身体中って言うのは気にはなる。

 唯一の救いは、顔に傷らしい傷が無いことかな。

 右頬にうっすらと横筋みたいな傷が見えるけど、十分だよね。


 さてと、まだすぐに身体を動かせるって訳じゃないけれど、落ちた筋力を回復させつつ探し物をするとしようかな。

 今回は、探索任務に華琳が命じて、怪しい物を探してくれた子達と面通しをする事になった。


 私の両サイドに、焔耶と良蓮が居て、ふらついたりしたら補助をしてくれるから助かるんだけど、やっぱり2人共かなり不安そうにしてるね。


「ゴメンね、2人共。身体がかなり弱っちゃってるよ。」


 そう言いながら小さく舌を出して茶目っ気を演出してみたんだけど、あんまし変わりませんでした。


「ごめんなさい、藍お姉様。何時もなら冗談ばっかりとか言いながら切り返せますが…」


「藍姉様の包帯を変える度に、痛そうにしてた姿を、忘れられそうにないです!!」


 そう言って2人が、私の顔を覗き込んできた。

 そりゃそうだ、2人にとってはずっと負担に…

 いや、私の大切な人達皆が傷ついてしまった以上、本当に二度とこんな目に逢っちゃいけないね。

 2人への慰みになるか判らないけれど…

 周りの気配を探って人が居ないことを確認して…


「藍お姉さm…!?」


 少し長めの口付けを焔耶と交わして、軽~く焔耶を茹で上げる。


「藍姉様ズr…」


 言うと思った良蓮にも大体同じ時間の口付けを交わす。

 2人共、こういう時だけ大人しいし、茹で上がるのも早いんだよねぇ。


「2人共、何時もありがとう。助かってるよ♪」


「お姉様ぁ…。」


「やっぱり姉様は凄いです…!!」


 2人共、やっぱり可愛いな。

 華琳が、あの子達を侍らせる理由ってこういう事なんだろうか?


 あれ?何か話が脱線してるね。

 えっと、そうだった。

 今回、私の探し物を探して幾つか怪しい箇所や情報を発見してくれた子達が、待っている部屋に今着いたんですよ。


「おはよー、皆。お元気~?私が徐晃、字は公明だよ、宜しくね~。」


「宜しくー!!」


『…。』



 部屋の中には、5人の女の子達が居たんだけれど、その内4人から反応が帰ってこなかった。

 おふっ、いきなり外した!?

 初っ端から外すとか凹みそうだよ。

 1人しか乗ってくれなかったし、世知辛い世の中だよ…。

 乗ってくれた元気っ子には、後でご馳走してあげよう。


「すまない、ワタシの名は魏文長と言う、徐公明大尉の秘書官を勤めている。皆、宜しく頼む。後、藍お姉様は度々こう言った悪ふざけをしてしまうが、基本的には無視してくれて構わないから、そのつもりでいて欲しい。」


 世知辛い世の中にとうとう妹まで冷たくなったよ…。


「あのー、文長はん?」


 5人の内のきわどい服装の女の子が、焔耶に話かけた。


「何かな?えーと…」


「あ、こらまた失礼しました。うちの名前は李典、字は曼成いいます、よろしゅうに。」


 関西弁を話す、彼女は李典と名乗った。


「ああ、此方こそ宜しく曼成。で、どうしたんだ?」


「いや、公明はんが部屋の隅っこで壁に向かっていじけたはるけど、あれほっといてええの?」


「…構わん。あんまり構うと時間が無くなるからな。」


「ぞんざいな扱いやなぁ…」


「公明さん、いっそ哀れなのー。あ、文長さん。私の名前は于禁、字は文則って言うのー、宜しくなのー。」


 何か変わった口調の女の子は于禁と言うらしい。


「それで、さっきの公明さんの発言で固まっちゃったのがー、凪ちゃーん、流石にそろそろ戻らないと失礼なのー。」


「う、すまない沙和。申し訳ありませんでした、文長様。私の名前は楽進、字は文謙と申します。以後お見知り置き下さい。」


 吃驚して固まってたらしい、生真面目な発言の子が、文謙ちゃんか。


「此方こそ宜しく頼む、文謙。」


「あ、えと、文長様。私の名前は、典韋と申します。宜しくお願いします。」


「ボクは許チョって言います。文長様、宜しくお願いします!」


 えっと真面目ちゃんと関西弁ちゃんとお洒落さんと元気な子が2人の計5人かぁ。


「…確か、典韋と許チョは華琳の親衛隊員じゃなかったか?」


「そ、その通りなんですが…その…」


 典韋ちゃんが、どもってる理由は多分…


「安心してくれ、真名は此処に居る私と藍お姉様、今から自己紹介する良蓮の3人共預かっている。」


 何故でしょうか、私の存在意義が無くなってきた気がします。


「そうだったんですね。」


 典韋ちゃん、ほっとしたみたいだね。


「自分の名前は、公孫越、字を朱関と言います!!宜しくお願いします!!」


 年が余り変わらない子達や、年下の子がいる中、7人は和気あいあいとして親睦を深める事に成功したようです。


「藍お姉様、何時までもいじけてないで、こっちに来てください。今から真名の交換もしますから。」


「む~い。」


「はぁ、子供ですか。藍お姉様…」


 すっかり呆れ顔の焔耶ですよ。

 まあ、この後皆で真名を交換した後私が寝ている間に、5人が集めてくれた情報を纏めつつ、典韋ちゃん改め流琉ちゃんが、華琳から私の料理の事を聞いていたらしく、おずおずと食べてみたいと言ってきたので久しぶりに厨房を借りて皆に振る舞ってみた。


 ぶっちゃけありあわせだったんだけど、思いの外好評だったし流琉ちゃんにも手伝って貰ったんだけど、多分腕じゃ負けてるっぽい。

 私の料理は基本的に頭と舌で作っちゃうから、本格的に料理をしてる流琉ちゃんや華琳には勝てんのよね~。


「藍さんのお料理って変わってますね。」


「腕よりも知識と味の記憶力で勝負してる人間だからね~、流琉ちゃんや華琳には勝てないよ~。」


 この言葉に流琉ちゃんは、顔を真っ赤にしながら反論してきた。


「そんな事ありませんよ!?藍さんの料理も美味しかったですから!!」


「うん!姉ちゃんの料理って、食べたことの無い物もあったからスッゴく面白かったし、美味しかったよ!」


 この他に仲良し3人組や、焔耶と良蓮も美味しかったと言ってくれた。

 やっぱりどっかの料理長じゃないけど、料理は○情だね。


 なんて状態になっている今、私は7人と他愛の無い話をしながら考えていた。

 集めてくれた情報を頭の中で整理して、どうするかを…


 とりあえず、小さな滝の近くに何か光っていたって奴と、森の中に黒い化け物が居たって話の2つを当たってみようかな。


side 藍 out

 如何でしたでしょうか。


 黒い流星編はかなり長くなりそうです。

 この物語って予想では、80話位で完結すると思ってた私が居ます。


 尚、この第73話で、2ヶ月連続投稿を達成したと思われます。

 読者の皆さん、ありがとうございます~、頑張って書き続けますが、連続投稿切れたらごめんなさいね~。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ