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第60話「追跡者と復讐者と傍観者と」

 第60話で御座います!


 かなりダークなsideになっておりますので読まれる方はお気をつけ下さい。



side ?


 失礼致します、ワタクシの名はウルズと申します。

 我が父オーディンの下に来た2つの魂が、数奇な運命を辿っております。

 ぶっちゃけワタクシ達の責任なのですよね…

 ワタクシ達は3姉妹でして、長姉であるワタクシは運命や宿命、死を司っております。

 次女であるヴェルザンディは、現在と生成を司り、三女であるスクルドは、未来や義務を司っております。


 つまりは人の人生や生死を司るワタクシ達には、失敗など許されないのですよ。

 ですが、何者かの手によって徐公明と言う転生先を作った時に、妨害を受けてしまい、男性の魂が女性の身体に入ってしまいました。

 これにいち早く気付いたのが、肉体の形成を行っていたヴェルザンディです。

 彼女が言うには、徐公明の身体を女性から男性に形成し直す作業をしていた時に、何処か別の所から何かの力で、無理矢理地上に身体が落とされた、と言うのです。

 あり得ない話ですが、ヴェルザンディが嘘をつくはずがありませんので、この話を信じると犯人が居ると言えば居るんですが、こんな事をして何になるんでしょうか?

 思い付きにしては低俗ですし、やはり一度情報収集に出たスクルドが帰って来るのを待ってから、もう一度考えましょうか…

 そう言えば、あの夫婦は、何故か此処に来たとオーディン様が言っていた…

 まさかね、しかし、一応調べておきましょうか。

 と、言うわけでワタクシは一度フレイヤ様の下に相談に伺うのでした。


side ? out




side ?


 あらま、オーディンの奴2人だけじゃなく、2人に誑かされた哀れな連中まで引き込みやがりましたか…

 鬱陶しいねぇ、悉く僕の邪魔をしてくれちゃってさ。

 いや~良い劇を邪魔されたら皆さん怒るでしょう?

 今の僕が、それなんですよ。

 折角熱血馬鹿な男と、似非無表情女のバラバラ死体が出来た時は、最高のフィナーレだと思ったのに、オーディンの奴が2人をアースガルズに引っ張り込むとは思わなかった。

 まあ、フィナーレを台無しにされたんで、あの男の器を女のままにしてやったから、勝手に自殺して自分の女を苦しませると思ったのに、かなりタフな奴だった上に、結局魂の融合にまで成功して、影響を受けた奴が悉く神格化だって?

 面白くない、面白くないね、全然面白くないよ。

 さて、どうすれば面白くない脚本を面白く出来るか…

 あ、そうか、こうしてしまえば良い。

 え~っと、確かあれは宝物庫にあるからちょろまかして、あいつのあれをちょちょいとイジってやれば…

 ふふふ、面白そうだね。

 よし、時間が無いからささっと行こうか。

 何でもかんでも思い通りに進むと思うなよ…


 フフフフフ…


side ? out




side 顔良


 私はギョウの城に戻ってから、ろくに動けなかった。

 はっきり言って兵を失ったとか、袁家の名誉とかそんな物どうでも良かった。

 ただ、許せなかった。

 あの時城を攻めろと言った麗羽様を、あの城の守将である魏文長を、そして何より文ちゃんを見捨てたこの私を…


 悔しい、憎い、恨めしい、許せない。


 そんな感情が私を支配する…

 文ちゃんを殺した全てを…

 私は、許すことが出来ない…

 其処まで考えが行き着いた時に、私の頭の中に声が響き渡った。


《力がご入り用かな?》


 私は何も言わずに、ただ頷いた。


「許すことが出来ない人が居ます。その人とその人を守る人達を殺したいです…」


 急に笑った様な声が頭に響き渡り、笑い声が止まった後、また声が聞こえた。


《良いね、良いよ、スゴク良い。君の歪みは最高の所まで来ているよ。》


 だからどうしたんだろう。

 早く話を進めて欲しい。


《ごめんごめん。そんなに怖い顔しなさんな。そんなに君にはこれをあげるからさ。》


 そう声が聞こえた後、1本の剣が降りてきた。


「これは?」


《君って元々剣を使ってたでしょ?それは神剣バルムンクって言ってね、それがあれば魏文長や彼女を守る徐公明なんて楽勝さ。ついでにこの指輪もあげるよ。つけてご覧よ?》


「これをですね…」


 私は、頭で考えることを既に放棄していたため、ただ単純に指輪を嵌めた瞬間、私の中に何かが入ってきた。


「が、ぐぅ、あ、い、や、文、ちゃん、たす、け、て…」


 身体に何か入って来ると同時に、私が何かに変わっていく…

 ああ、人を憎むなんて慣れない事をしちゃ駄目だったんだ、元々私達が悪いんだから…

 ごめんなさい文ちゃん、私って本当に駄目だったよ。

 こんな事になるなんて、文長さん、公明さん、伯寧さんごめんなさい、多分もう言えないから、心の中で、言って、おき、ま、すね…


 文、ちゃ、ん、わた、し、を、ゆる、し、て…


side 顔良 out




side ?


 あっけなかったなぁ。

 まあ、所詮は人間か、僕らにとって取るに足らない存在なんだもんね。

 さあ、徐公明…

 舞台は整えてあげるからさ、出来る事なら魏文長や満伯寧、他の君に特別な感情を持っていると勘違いしてる連中の顔を歪ませてよ。

 君の死によってね。

 今から楽しみだよ、彼女達の涙の歌劇がね。

 題名は「愚者達の悲恋」ってとこかな?

 何だかワクワクしてきたなぁ。

 ワインとチーズ用意して見~よおっと。


 僕の思い通りにならなかったから、そんな目にあったんだ。

 恨むなら、あの時君達夫婦を拾い上げた、オーディンを恨むんだね。


 あはははは、早く開演しないかな~。


side ? out

 如何でしたでしょうか。


 ?の人は多分読者の方は誰か判るかと思います。


 腐れ外道を書いてみましたが、いい雰囲気出てましたか?


 もうちょい酷くするべきでしたかね?



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