第6話「帰路にて」
第6話でございます。
10/30 修正しました。
side 白夜
一時はどうなるかと思ったが、援軍が来るとは思わなかった。
しかも、全員子供とは…
いや、私に何かを言う資格など…
確かに、危ない行為を窘めるのは、大人の勤めだが、娘に頼ってしまった私に何が言えるものか…
そう思い、俯きそうになると、夫がふらつきながらも緑に近づいて行った。
side 白夜 out
side 藍
賊を全滅させ、使えそうな物を剥ぎながら、横目でさっきの旅人達を見る。
剣のお姉さんは、眉間に皺を作ってるな、苛ついてる?
おっちゃんは、顔色悪いな…
村の爺様と婆様に、一応伝えておくか。
最後の女の子は、目の焦点が合ってない。
初めて人を撃ったのかもしれないなぁ、私もつい最近同じ状態だったしな。
ありゃ~もう少しでリバースするなぁ。
確か近くに川があったな、案内しておくか。
そこまで考えてた時に、おっちゃんがふらつきながらも、女の子に近づき優しく抱きしめていた。
side 藍 out
side 緑
終わった?そう思った瞬間に身体中の力が抜け、小弓を落としてしまった。
その後気持ちが悪くなってきた。
ナニ?コレ、キモチワルイ…
コレ、ワタクシガ…ワタクシガ…
身体が震えだし、吐きそうになった時に、誰かに優しく抱きしめられた。
父様だった。
私は…言葉が出ずに嘔吐し、父様の服を汚していく。
父様は何も言わずに、私を抱きしめ、頭を撫で続けてくれました。
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何刻程経ったか、定かではありませんが、気分が良くなった頃には日が陰りつつありました。
気付きませんでしたが、父様に抱っこされていた様で慌てて謝ろうとした時に、誰かが声を掛けてきました。
「よっおっちゃん。大丈夫か?」
声を掛けてきたのは、私と同い年位で藍色の髪を短くした女の子でした。
「はっはっはっ、おっちゃんは、酷いなぁ。これでも若いつもりなんだよ?」
「娘抱きしめて、美味しい所持って行った人に、嫌みの一言でもと思ってね~♪」
「痛い所を突くなぁ、でも君達が来なかったら、僕達は今頃酷い目に合っていただろう。村の親御さん達にも礼を言うけど、改めて言わせて貰うよ。ありがとう、君や君の友達のおかげで、命拾いしたよ。緑、お前からも礼を言いなさい」
父様は、藍色の女の子に礼を言って私に礼を促したが、私は素直に聞けなかった。
悔しかった、何も出来なかった、悲しかった、そして何より…怖かった。
そんな事を思い、声も出せずに俯いている私に、女の子が頭を振って断りを入れてきた。
「ん~、ま、礼は良いよ♪疲れたんだろ?ほい、さっき川で水汲んできたから飲みなよ。後、こいつで顔も拭きな」
そう言うと彼女は水筒と手ぬぐいを押し付けて、距離をとられた。
この距離じゃ返せない。
「何から何まですまないね。緑?」
流石に、これ以上意地を張る訳にはいかないか。
我が家の恥になってしまう。
「あり…がとぅ…」
私は、今何とか出せる声を絞り出して礼を言った。
父様の肩越しに夕日が見えていた。
side 緑 out
投稿後編集出来ないんですね…
あとがき修正でグッタリしました。
何時のあとがきになるか判りませんが、藍や緑のイメージを書かせていただきます。