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第55話「幕間・良き馬と知者」

 第55話で御座います!


 どう贔屓目に見ても幕間にしかなりませんでした…



side 藍


 寝てろと言われたけど、そうも行かないので、陣中見舞いにやってきた藍さんですよ~。

 実際、身体はかなり重いんですけど、兵を労うのは上官の重要な責務ですからね。

 因みに、身体の重さは疲れた訳でも、ましてや太った訳でもない。

 太るのは、あり得ないからね~。

 激務が続きすぎる上に、焔耶と白蓮と星のお相手に勤しんでますからね。

 私、前世より過労死出来る自信があるよ。

 かなり脱線したけど許してほしい。

 アイサインで相手をする事が確定している緑が右に、左には合戦終了後に相手をすると言っていた良蓮が居るため、私の命の灯火は後わずかで消える事だろう。

 ただ、この場ではいちゃいちゃを禁止している。

 当然の処置だけど、兵の大半は男性だからね。

 緑も良蓮も美人さんだから、此処でいちゃいちゃすると、兵のモチベーションにとって宜しくないし、規律も守れないからね。

 私?う~ん、美人になるのかな?

 自分の美麗評価ってし難くない?

 あんまり殿方が、言い寄って来ないしねぇ。

 まあ、来ても困るんだけどね。

 私は、『私』と一つになったけど全部が徐公明になった訳じゃないんだなぁ。

 割合で言うと8:2の割合で女性なんだよね~。

 つまり、2割は男性としての感覚があるんですよ。

 なので、男性を見ても何とも思いません。

 逆に女性を見ると滾ってしまいます。

 人として何か間違ってる気がしますが、これが今の私なんでどうしようも無いよねぇ。


「藍姉様、兵も元気そうで良かったですね!!」


 良蓮は、ただでさえ高いテンションが、楽しみが目の前にあるためさらにテンションが上がっている。

 良蓮、途中で疲れるよ?


「そうね、良蓮。けれど少しはしゃぎすぎよ?藍、後で話があるわ。」


 緑さんが、半眼で睨んできます。

 緑って見られながら致しちゃうと、燃え上がるタイプなんだけど、直接見られると燃え上がりすぎてダウンしてしまうんだよねぇ。

 緑も自分自身が判っているから、早く追い返せと伝えてくる。

 そうなんだけどね、良蓮に明日にって言おうとしたら何時もの笑顔で目元にいっぱいの涙が溜まった瞬間に、それ以上言うのをやめました。

 全く、私は涙に弱いなぁと思いながら陣を見回っている。


 他の部隊は戦勝に沸き上がっており、流石に気が緩んでいる…

 人間としてこれは仕方ない事だ。

 生死の狭間で戦うと言う肉体的・精神的圧力から解放されればこうなってしまう。

 私は、軽くため息をついて緑と良蓮を連れて、私の部隊の一つである重装歩兵隊の休憩地点にやってきた。


「っ!?公明将軍、見回りお疲れさまです!!」


 部隊長君が、いち早く私に気付いて声をかけてきた。


「うん、そっちこそお疲れさま。皆大丈夫かな?」


 私は何時もの軽い感じで、隊長に話しかけている。

 最初は大変だったんだよねぇ。

 彼は重装歩兵なんて、ウチじゃ使わないって真っ先に噛みついてきた人達の1人だもん。

 騎馬を中央と両翼に置いて騎馬の後ろに軽装歩兵と弓兵、その後ろに白蓮の部隊(昔は白馬では無かった。)を配置するのが、基本で不変だったから懇切丁寧に、言葉と嫌いだけど肉体言語で語り合って、漸く今のこの状態にまで持って来れた。


「ええ、周りは沸き上がっておりますが、我々は変わっておりません。」


 淡々と語るのは自信と油断の無さの現れだね。


「頼もしいねぇ、悪いんだけど、もう少し気張って頂戴ね~。」


「お任せ下さい。」


 彼らならきっと最後までこなしてくれるだろう。

 まあ、なので~。


「頼むよ。後、夜食を作ったから皆で交代しながら食べてね~。」


「ありがとうございます。おい、お前たち!公明将軍の差し入れが入ったぞ!休憩中の奴らから、食っていけ!!」


『はっ!!』


 こうして、全ての部隊の見回りを済ませて、幻城の割り当てられた私の部屋に帰って来た時には、夜の帳も降りて、辺りは真っ暗、明かりは手元の灯明のみ。

(蝋燭は作ろうと思ったら作れるんだけど、蜜ロウがキツすぎた。養蜂とか緑が知識としては持ってたけどうろ覚えで、かつ金がかかりすぎるので却下した。私達の誓いもあるしね。)


「2人共、待たせてごめんね?」


「…だいじょうぶです!らんねえさま!」


「ちょっと疲れちゃったわね。」


 2人共反応は様々だったが、良蓮完全に寝かけてるね。

 緑も流石にバテているようだ。


「2人とも止めとく?」


『いや(です)。』


 さいですか、仕方ないけど一応聞いておこうかな。


「緑。」


「…良蓮が良いなら、もう3人で良いわ。」


 半ば諦めと多少の怒りを込めた瞳で睨まれました。


「良蓮。」


「らんねえさま、りょくねえさま、じぶんは、こういうことがはじめてなので、おしえてください。」


 半分近く寝てるけど、大丈夫かねぇ?


「判ったけど、疲れたら言うんだよ?無理はしちゃ駄目だからね?」


「はい、ねえさまたち。おねがいします。」


「まずは、良蓮から沈めましょう。」


 緑の言葉から、良蓮をそこそこ時間をかけて落とした後、ゆっくりと緑と交わりあった。


「白蓮には、どういうつもり?」


 情事後、そう緑に言われたが、どうもこうもないかと…


「正直に言うよ?」


 と、私と緑の間ですやすやと眠る良蓮の頭を撫でながら、久しぶりに緑と夜話に興じている。


「…あたしも一緒に行くわ。」


 と緑も、愛おしそうに良蓮の背中から抱きついている。


「いや、流石にこれは…。」


「一緒に良蓮を抱いたんだから、あたしも同罪よ。」


 そんな優しい目で見ないでよ。

 OKしちゃうでしょうが…

 仕方ない、こっそり抜け出して朝一にでも行くかなぁ。


「藍が拒否しても一緒に行くし、行けなかったら後でもあたし1人で行くわ。」


 私の考えなんぞ、お見通しですかい?


 と言うわけで、私と緑は、白蓮にその事を告げて雷を待ったが、当の本人が…


「良蓮が自分で選んだんだろう?私はその事に何か言うつもりは無いよ。私も人の事は言えないしな。」


 と苦笑しながら言っていた。

 責任取る人数が増えたけど、元々守る子だし、頑張ろうか。


side 藍 out

 次話は漸く薊城に帰ってからの話になる…はずです。



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