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第52話「公孫軍の一端と困った藍さん」

 第52話で御座います!


 藍さんって一応武将だったんですよね…



side 緑


 現在、あたし達は白蓮と霞の騎兵、計2万(霞の騎兵8千は、月の軍をそのまま借り受けた。)と軽装歩兵1万、重装歩兵2万、弓兵5千、輜重兵5千の計6万を率いて(輜重兵護衛の兵は除く)幻城を攻めている袁紹軍に襲いかかっている。


 幻城を攻めようとすると、入り口の前の湿地帯のせいで、ほぼ間違いなく軍を二つに分けねばならない。

 攻城部隊と陣の防衛部隊に、だ。

 そして、防衛部隊の位置には罠を仕掛けることが出来ない場所である事は、幻城を建てる際に何度も確認しているから問題無く軽装歩兵の柵排除作戦が終了次第、騎馬による突撃をかけて蹂躙する手筈で、既に陣の横合いが開いたと報告を受けたので、2人は攻撃を開始している事だろう。

 正直な事を言うと、白蓮に攻撃部隊を率いて貰うのは、反対なんだけど「焔耶は私達の大切な家族なんだから、家長である私が率先しないでどうするんだ?」なんて言われたら何も言えないじゃないですか…

 一応、霞と突撃をかけて貰うことは認めさせたから、大丈夫だと思いますが…


 此方も攻城部隊の横っ腹を突くので、かなり危険を伴うのですが、予想以上に頑張る人達が居たので、助かってますね。


「敵部隊は湿地帯から攻撃が来たので、浮き足立ってます。このまま押し切りましゅ…あぅ、噛んじゃった。」


「あわわ、大丈夫?朱里ちゃん?あ、弓兵さん達に一斉射で重装歩兵さん達の補助をお願いしましゅ!?うう、噛んじゃったよ、朱里ちゃん…」


 …一応謹慎させないといけない、朱里さんと雛里さん(強引に預けられた、勿論信用してないのであたしは返していない。)が、予想通りの結果を出している。

 北郷殿が、土下座をして2人を使って欲しいと言われたら流石に無碍には出来なかったしね。

 雲長殿と翼徳殿には北郷殿の身辺警護と周辺の警戒をお願いした。

 相変わらずあたしは甘過ぎると内心苦々しく思っていたりする。


「ぐ、くぅ、何なのよ、この重装歩兵は…湿地帯を物ともしないとか…」


「あら?桂花、彼等は藍達が鍛え抜いた精兵よ?これくらいは、当然でしょうね。」


 …流石に華琳さんは、誤魔化せないかしら。

 ウチの主力は騎馬だが、騎馬を最大限生かせる戦法を取れるように、藍が重装歩兵を鍛えるべきだと言ったことが全ての始まりだった。

 まあ、中央の突破力を重視していたウチでは、異質な案だったが、藍に後で聞いた理由があたしの理解できる内容だったので、承認した方が良いと白蓮に伝えたのだ。

 ウチの戦術のキモは、藍が前世で研究したことのある、かの有名な名将、カルタゴの雷鳴の戦術とそのライバルの戦術を藍風にアレンジ…というか半分以上パクった戦術らしかった。

 藍があれだけ心酔してる名将達、まぁ2千年近く経った今でも検証される戦術プランらしいから、信頼性は抜群だし、何より真似だが、出来る下地がある事に、早い段階から藍が気付いていた事が一番大きいだろう。

 幽州の騎馬は最初の重要なパーツだ、ここは、烏丸と鮮卑との長い交渉の末、協力関係を結べた。

 これにより、騎馬と騎馬の扱いに長けた優秀な兵を得る事が出来た。

 次にこれまた、異民族達の協力が必要だったが、鉱山を探して貰ったり鉱山を持っていたら、物資を物々交換したのだ。

 彼等は遊牧民が多いから食糧とある物を交換して貰ったのだ。

 その物とは『鉄』だ。

 精製技術を研こうにも、物が無かったら研けないので、此方から誠意を尽くして交渉を重ねていった結果が、今目の前にある重装歩兵の鉄装備だ。

 今回は、この兵達を横三列に並べて行進を行い、敵を押しつぶしながら突き進む。

 まあ、今回は奇襲の形になったので出来なかったが、近いうちに袁紹軍はあたし達が行える最大の戦術を見ることになるだろう。

 その時はどちらかの名前が地球上から消えるだろうけど。


side 緑 out




side 顔良


 最悪だ。

 最初に思った事は、その一言だった。

 時間を稼がれて、公孫軍の来着を許してしまった。

 当然の事ながら、公孫軍は全軍を持ってきた訳では無いので、多少少ないけどそんな事は全く問題にならない。

 何故なら、一方通行のこの城を攻めている時点で戦力を拠点と城に分断されていて、しかも細長くなっているからだ。

 本当ならもっと固めたかったのだけど、湿地帯の底が深い部分もあるため、こうならざるを得なかったんです。

 相手は当然深さを理解しているので、此方を歩兵がひたすら攻撃していますが…じ、重装歩兵!?湿地帯何ですよ!?なんで、あんな重装備で湿地帯を突き進めるんですか!?

 いけない、多分こっちに重装歩兵が居ると言う事は、当然陣地には騎馬が到着しているはず…

 無理ですね、只でさえ被害が大きいこの状態でこれ以上の戦闘は…

 と言うよりもこの進攻作戦が失敗した時点で…

 駄目駄目、考えちゃ駄目、今は逃げることだけを考えよう…

 こうして私達は、撤退を告げて逃げることに専念しようと思ったんですけど…


side 顔良 out




side 藍


 城の外では、地鳴りの様な音が聞こえる。

 多分、緑達が到着したのだろう。


「ふぅ、漸く終わったかな?」


「その様ですね、藍お姉様。」


「藍姉様、スッゴくカッコ良かったです!!」


「あ、ありがと~。」


 戦闘は終わりそうなのに、未だに2人の火花が散っていたりする。

 良蓮の騎兵は、良蓮の指示で一当てした後、緑の下に行かせてしまったらしく、1人で残ったと言っていた良蓮を激しく叱責したら…


「うっぐっ、ごめんなさぃ、藍姉様…許して下さぃ…」


 とマジ泣きされてしまい、春蘭ちゃんと秋蘭ちゃんと桔梗様にからかわれてしまった。

 此処で取った方法で、また一悶着あった。

 まあ、所謂ジゴロ戦法だね…

 泣いてる良蓮の唇を強引に奪って気持ちよくさせてみたら、効果はあったのだけど…

 まあ、皆まで言わなくても判ると思うけど、じぇらしーに燃える人が横に居るわけで、とりあえず戦闘は完全に終わった訳じゃないので、2人にこの戦闘が終わったらと、人参をぶら下げてみたら集中してくれたので、とりあえずは胸をなで下ろしている。


「ふむ、鈍砕骨も上手く使っておったが、その大斧も使い勝手は良さそうじゃな、焔耶よ。」


「あ、はい、桔梗様。しかし申し訳ありませんでした。せっかく頂いた鈍砕骨を失ってしまって…」


「鈍砕骨を自分の身を守る為に使ったんじゃろうが、命が助かっておるんじゃから、得物も寧ろ本望じゃろうよ。」


 流石に、長時間戦い続けた為に大金棒である鈍砕骨も傷んでしまったらしい。

 戦闘が終わったら、せめて回収してあげないとね。

 ならと言う事で、焔耶に『スワンチカ』を渡したんだけど…

 流石に疑われましたよ。

 持ってきてる様子が無かったと同行して貰った全員から言われて、しどろもどろになっていた私を助けてくれたのは、他でもない焔耶と良蓮が2人して庇ってくれたんだよ。


「藍お姉様が、ワタシの為に持ってきてくれた物なので、これ以上は言わないで欲しいです。」


「藍姉様の持ち物ですから、焔耶に害を成す筈がありません!!」


 と言ってくれたのと元々単純にイジリたかった面々(恋ちゃんは純粋に心配してくれただけ)なので、それ以上何も言わず、皆で兵を纏めながら、敵兵を城の外に追い出していた。

 そして、今目の前には、この城を攻めた2将軍の1人、文醜将軍が私達の前に立ちふさがっていた。


side 藍 out

 どうも如何でしたか。


 藍さんが公孫家を総なめにして、似た2人に振り回されてたりしました。



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