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第51話「最初の不運を幸運に」

 第51話で御座います!


 すんごいご都合主義ですが、お許し下さい。


 前回の続きー…


 焔耶が動かなくなって周りがセピア色になった…

 とりあえず、続きをどうぞ~…


 うん…辺りが止まってる様な気がするね、人も…あれ?焔耶も良蓮も何処に行ったんだろう?

 あはは、皆、私に愛想尽かしちゃったかなぁ、約束も守れなかったし…

 ワタシナンテ、モウドウデモイイカナ…


『本当にどうでも良いのかのぅ?』


 辺りを見渡すが、何処にも声の主が居なかったので、言いたかった事を言うことにした。


「っ!?その声ってもしかして!!」


『うむ、久しいのぅ。』


「人を勝手に女にした変態だ!!」


『おっふ、今のは効いたわい。』


「今更どうしたの?今それ所じゃないんだけど。」


『確かに時間が無いからのぅ、単刀直入に言うが、お主の人生に少々変更点が出来た、この場合は小夜も含めてじゃがな。』


「はぁ?何言ってんの?」


『気が立ってるのは理解しておるから少し冷静になれ。』


 言われている事は判っているが、止められる訳がない。

 自分の誓いが守れなかったのだから…


「冷静になれだって?なれるわけ無いだろうが!!私が守るって誓った子を守れなかったんだぞ…」


『その娘子、魏文長にも関係のある話じゃ。』


「へ?」


 私は訳が判らなかったので、多分端から見たら相当間抜けな顔をしていたと思う。


『お主と小夜は、この世界で人生をやり直しておるんじゃが、1つ儂に読めなかった事態が発生したのじゃよ。』


「私が女になった事?」


『…2つじゃな。』


「その読めなかった事態って何?」


『うむ、お主とミストルティン、小夜とイチイバルの相性の良さじゃ。』


「相性の良さ?」


『うむ、元々お主等がその世界で寿命を全う出来るようにする為の補助にでもなればと、思って渡したんじゃが、武器とお主等の相性が良すぎて魂が変質してしまったのじゃ。』


 …魂ってなんか起こるのかな?

 駄目だ、こういう精神の世界とかは緑の方が判るだろうなぁ。

 根性論なら苦手だけど理解は出来るんだけどねぇ。


「あんまり専門的な事を言われても、困るんだけど?」


『うむ、小夜がいればもう少し話が早いのだが、今は緊急事態ではあるからな、後で小夜と時間を作って貰えるか?文長も一緒にな。』


「へ?焔耶も?」


『うむ、お主の返答次第じゃがな。』


「質問は何?」


『うむ、1・男の姿に戻る、2・魏文長を死なせないかどっt「焔耶。」良いんじゃな?』


「今更男になったって面倒なだけだし、私は今やこの姿の徐公明なんだよ?」


『相判った。』


「あ、オーディンさん。」


『何かのう?』


「この選択って面倒事に焔耶も巻き込むって事だよね?」


『そういう事じゃが、後で話す内容で本人に選ばせてはどうかな?』


「焔耶だと、私達に付いて来ちゃうよ…」


『かもしれぬが、それも文長の選択じゃろう。』


「かもしれないけどね~…」


『文長には、これを渡しておく。』


 突然、空中が光を放ち何かが現れる。

 よく見ると、なんかデッカくて物々しいけど、結構カッコいい大斧が降りてきた。


「何?この斧。」


『お主と小夜が持っておる武器と同じ種類の武器での、聖斧スワンチカじゃ』


「これ持たせるの?」


『うむ、スワンチカにも特殊な力が備わっておってな、ありとあらゆる防御力を上げる斧なんじゃよ。』


「へ~。」


『興味なさそうじゃな?』


「焔耶が助かる意味が判らないんだもん。」


『確かにそうじゃな、今から時間を少しだけ戻させて貰う。』


「少しだけ?」


『うむ、矢が刺さって言葉を言おうとしている辺りじゃな。』


「でも焔耶はっ!?あれ、防御力ってどれ位上がるの?」


『人によるが、ただの矢程度なら刺さる事は無いじゃろうな。』


「じゃあ、焔耶は助かるんだよね?」


『確率変動と組み合わせるからのぅ、本来は確率変動と時間操作なんぞ許されんが、まあ、大丈夫じゃろう。』


 神様から大丈夫と言う言葉が出た瞬間、ふっと力が抜けた感じがした。


「オーディンさん、さっきはすみませんでした。どうにも冷静になれなくて…」


『それが人間と言うものじゃ、くれぐれも終わった後に小夜と文長を、そうじゃな…お主の部屋に呼んで集まったら、儂の名を呼んで欲しい。』


「判りました、オーディンさん。後、ありがとうございます、私達の焔耶を助けてくれて。」


『お主を女にしてしまった詫びも含んでおるから礼には及ばん。ただ…』


「ただ?」


『次は無いからの?努々忘れるでないぞ?』


「はい、判りました。」


 そう言うと、辺りが一瞬歪んだと思ったら景色の色が戻り、さっきと同じ状態で私は傷ついた焔耶を抱きしめていた。


「…あ、焔耶?焔耶、目を覚まして!!」


「あ、れ?藍お姉様?ワタシはさっき、胸に矢を受けた筈なのに…お姉様!?後ろ!!」


 振り向いた私の目の前に、さっきの兵が剣を振り上げて叫んでいた。


「大将首、貰ったぁ!!」


 両腕で焔耶を抱き抱えている私はとっさに焔耶に身体を重ねて自分の身体を盾にしようとした。

 あれ?色々ありすぎてなんか忘れてないかな?

 案の定、この後、良蓮の槍が敵兵に当たり、敵兵が横に崩れ落ちるのをすっかり忘れていたのだった。


「はぁはぁ、藍さん?藍さん、助けに来てくれたんですね!!それに焔耶も無事で良かった!!」


「うん、良蓮も無事で良かったよ。」


 そう言って焔耶を両腕で抱きしめていた私は右腕だけ外して(焔耶がちょっと残念そうだったが)良蓮を右手で呼んだ。


「良蓮も良く頑張ったね。」


 そう言って、良蓮を抱き寄せて額を合わせあい当然目が合うので見つめ合う。


「あ、あれ?藍さん、なんか自分変です。」


「どうしたの?」


「前は何ともなかったのに、今、ら、藍さんに見つめられると凄く恥ずかしいと言うか、抵抗出来ないと言うか、狼に見つめられてる小鹿になった心境と言うか…良く判りませんけど、後でよろしくお願いします!!」


「り、良蓮!?お前、ちょっと待て!!藍お姉様が困るじゃないか!?」


 突然焔耶に声をかけられた良蓮は、彼女にしては、大変珍しく不機嫌な声を出していた。


「でも、焔耶だって何時もこういう事をして嬉しそうにしてるよ!!自分はしちゃ駄目なのか!!」


「こ、こういう事をするには藍お姉様に全てを捧げられる覚悟が要るんだ!!」


 いやいや、何を言い合ってるのかね、ちみたちは…

 なんかドンドンとヒートアップして来てるんですが…


 まあ、結局、焔耶と良蓮の言い争いは最終局面を迎え、焔耶が私と深い口付けを交わしてどや顔をしていると、良蓮が真っ赤な顔をしながら、おずおずと私の顔を両手で固定して触れる様に口付けをしてきたのち、焔耶を真似て深くしてきた。


「じ、自分は姉上みたいに頭は良くありませんが、よ、よろしくお願いします!!」


「ぐぬぬっ、うぅ、り、良蓮だ、し、ぐぅしかし…」


 真っ赤な顔でもじもじしながら此方を熱っぽい目で見つめる良蓮と、敵意や友愛が綯い交ぜになった目で良蓮を見る焔耶…

 良蓮を誉めてあげようとして額を合わせたのが失敗だったか…

 良蓮の反応が、焔耶の反応に似ている事に軽く脱力感を感じたが、まあ、何とか…

 なるんですかね?


「ま、まあ、焔耶は何処か痛い所は無い?」


 私が先に話し掛けた焔耶の顔とそれを見ている良蓮の顔が印象的と言うか、殺し合いが起こりそうだったので良蓮を抱きしめ直して、少し力を強めることにした。


「あ、はい、d…「大丈夫か!!」え?」


「あ、桔梗様、こっちですよ~。」


「叫び声が聞こえたが大丈夫か?」


「うん、秋蘭ちゃん大丈夫…だよね?焔耶。」


「はい、ちょっと痛いですけどって…」


 ふと、焔耶に刺さっていた矢が地面に落ちているのを見つける。

 そして、焔耶が身体を動かしたときに、金属が跳ねる音が響き渡った。


「あ、これ…」


 何処の映画だよこれは…

 昔、初めて焔耶に贈った、小さくて指に入らなかった指輪を通したネックレスの指輪部分が、真っ二つになって落ちていたのだった…



 如何だったでしょうか。


 ご都合主義の塊でしたが、彼女死ぬと最後が変わってしまいますので、平にご容赦を願います。


 王道って良いですよね~。

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