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第48話「なんか悪い事したなぁ。」

 第48話で御座います!


 緑さんが激怒するかと思ったら…


 前回の続きー!


 反董卓連合に参加しなかった人を集めたら、華琳がその中に居て協力してくれるって言ってくれた時に、玄徳ちゃんが「袁紹さんも混ぜてあげたら?」って言って場の空気が凍ったよ。

 んじゃ、其処からスタート!!


 玄徳ちゃんの陣営は、全員居て翼徳ちゃん以外は吃驚してるみたい。

 北郷君が頭を右手で支えてるもんね。

 他の翼徳ちゃん以外の子は開いた口が塞がらないらしい。

 話が終わりそうになってた筈なんだけど、何故にこうなった?

 そう悩んでいると、緑さんから冷気に近いお声が発せられる。


「玄徳殿。一つお伺いしますが、宜しいですか?」


「はい、良いですよ♪」


 げ、玄徳ちゃん…ニコニコ顔ですけど、今あなた緑の逆鱗に触れてるんだよ?

 お願いだから、これ以上空気を壊さないで…


「…今回、何故この様な事態になったのか判っていますか?」


 おお、努めて冷静だ。

 さっきの冷気が若干収まって…じゃないな、無理矢理抑え込んでるようだ。


「ええと、董卓さん達が洛陽で悪政を行って、民を苦しめたり皇帝達を蔑ろにしているから追い出そうって、袁紹さんが言ってたから…あれ、じゃあ何で董卓さん達が此処に居るんだろう。」


「あなたね、私達を馬鹿にしているの!!」


「華琳!!」


 流石にあれで怒らない人間は居ないと思うけど、この国の人達は自分の身内や友人を馬鹿にされると沸点が低くなる。

 判るけど、今は抑えるべき時だよ。


「華琳、怒ってくれるのは嬉しいけど、今はその時じゃないよ。」


「っ!?藍…ごめんなさい、頭に血が上るなんてまだまだね…」


「安心してよ、私もちょ~っと怒ってるからね。」


「え、ええと、公明さん?」


「玄徳ちゃん。」


「はい?」


「玄徳ちゃんは、洛陽の状況って調べたりしたのかな?」


「して、無いです。」


「じゃあ、何で洛陽が荒れていて民が苦しんでるって思ったの?」


「それは、袁紹さんが言ってたから…」


「う~ん、じゃあねぇ、玄徳ちゃんと本初ちゃんってお友達か何かなのかな?」


「ううん、違うよ。」


「じゃあ、何で本初ちゃんの言葉を信じたの?」


「それは、袁紹さんが四世三公の名門の人だからだよ。」


「なら、私の言葉は信じられないって事になるよね?私の父上は下男から下級官吏になった人だし、母上はお金を貰って戦う傭兵だった人だから、本初ちゃんの所と比べたら石ころと変わらないよね?」


「そんな事無いよ!!公明さんはわたしの知らない事、沢山知ってて凄く良い人だもん!!」


「ありがとう、玄徳ちゃん。ただね、考えて欲しいんだ。」


「考える?」


「そう、玄徳ちゃんは本初ちゃんの言葉を、この場合は手紙だけど見たときに、洛陽が大変な事になってるって思ったんだよね?」


「うん。」


「その時に誰かに聞いたりしなかったのかな?」


 見てはいないけど、明らかに視線が3つ程、私から反らされた。

 現状が苦しいから、洛陽攻めを利用しようとしたのかな?

 それとも私の言葉を聞いて短慮だったと悟ったのかな?

 どちらにせよ、歪すぎるよ。


「聞いたよ、あi…「待った。」へ?」


「名前は言わなくて良いよ。」


「う、うん。」


「とりあえず、玄徳ちゃん。」


「うん。何かな、公明さん。」


「今度からは、もっとよく考えてね。判らないことがあったら、聞きに来ていいから。」


「良いの?」


「良いよ、だからよく考えて行動してね?」


「うん♪」


 さて、言いたい事は山ほどあるけど、玄徳ちゃんは話せばまだ判る子だ。

 一応一緒に書類仕事をした仲だし、一緒に料理も作ったからね。

 多少なりとも考え方とかは理解してるから、この子は後で矯正しよう。

 問題は…


「お前等の方が問題だ!!関雲長、諸葛孔明、ホウ士元!!」


「「「っ!?」」」


「雲長ちゃん。」


「は、はい…」


「私と玄徳ちゃんが話してるとき、何で目を逸らしたのかな?」


「っ!?そ、それは…」


「目を逸らした点は、言い訳できないよね?これでも公孫軍筆頭将軍で、一応一番強いって言われてるからさ、視線の動きなんて余裕で感じ取れるしね。」


「確かに目を逸らしました…」


「自分の考えが短慮だったって判った?」


「はい、相手から与えられた物が真実では無いかもしれないと…」


「うん、人づての情報って怖いんだよ?今回それを信じて連合に参戦してたら、どうなってたと思う?」


「私達は朝敵になっていたかと…」


「多分だけど、私達に付こうって言ってくれたの北郷君だよね?」


「はい、公明さんには考える事の大事さを、伯寧さんには自分の見聞きした事実を汲み取る大事さを教えて貰いましたから。」


「北郷君。」


「何ですか?」


「私の真名は藍って言うのこれからはそう呼んで?」


「ええと、良いんですか?」


「受け取ってくれるよね?」


「ありがとうございます、藍さん。」


「雲長ちゃん。」


「はい。」


「良い勉強になったんだから、北郷君に迷惑かけちゃ駄目だよ?」


「はい…。」


 あらまあ、雲長ちゃん泣かせちゃったよ。

 まあ、成長してくれることを祈るって多分大丈夫だろうね。

 因みに雲長ちゃん、真実と事実は中身が違うから気をつけてね~。

 って面倒くさいし空気が違うから言わんけどね。


「孔明殿、士元殿」


「「は、はひっ!!」」


「君達、玄徳ちゃんの知恵者だよね?」


「「はい…」」


「なら玄徳ちゃんの性格も判ってた筈だよね?」


「「…」」


「月ちゃん生け贄にしてでも偉くなりたかったの?」


「「っ!?」」


 2人は身体を震わせながら、俯いている。

 多分だが、私の言っている言葉は当たっている筈だからね。


「今の玄徳ちゃん達じゃ、君達の夢か何かを実現出来ないって思ったんだよね?」


「「…」」


 図星かな?

 反応はそうだからねぇ。


「まあ、あの状況じゃ仕方ないかもしれないよね?平原の相じゃ力を蓄えるどころじゃないし、何をするにも力っているからね。今回みたいに、人を踏み台にして力を付けるってやり方は、誉められたやり方じゃないけど、悪い考えじゃないよ。」


 この言葉に幽州組と華琳以外は驚いているし、2人も驚いている。


「ただね、そう言う事をするって事は、逆にやられても文句が言えないって判ってるよね?」


「「あう…。」」


 さて、言いたい事は全部…言ってないけどそんな暇もあんまり無いんだよねぇ。


「緑。」


「何かしら?」


「北郷君には悪いんだけどさ…」


「玄徳殿は暫く藍に付けるわよ?」


「…あれぇ?」


「あれぇ?じゃないわ、しっかり矯正しなさい。」


「いやいやいや、北郷君居るじゃん!?」


「彼は少し彼女達に甘い部分があるから1人だけ、雲長殿を見て貰うわ。」


「えと、良いんですか?かなり問題があったのに…」


「人間、完璧な存在などあり得ません。今修正出来るなら、やれる人間がやるべきですからね。」


「伯寧さん、ありがとうございます。」


「…あたしも緑で構いませんよ、北郷殿。」


「あ、はい。緑さん。」


「彼女達にもそれぞれ考えがありますし、尊重はしますが今回の考えは危険な部分がありますので、陛下達や詠達と相談した後、追って沙汰を言い渡します。」


 何故こうなった…ってしつこいからこの際、まあ置いておこう。

 玄徳ちゃん達を解体する羽目になったけど、内部に敵を纏めてなんて飼いたくないし、仕方ないか…

 北郷君とあんまり事態を判ってない翼徳ちゃんだけとは…

 まあ、居ないよりは断然良いと思おう。


 この後、妙に嬉しそうな桔梗様が、私を捕まえて漢升さんに誉めちぎったり、漢升さんとは後でお酒を飲む約束をしたら桔梗様が「儂も行くぞ。」とか言われたり、(スッゴく背筋に冷たい悪寒が走ったけど、何だったんだろう?)緑さんが無言で孔明ちゃんと士元ちゃんを見つめてて、2人が青ざめてたりした。

 これどんな混沌?

 しかし一瞬緩んだ空気?を変える事態が発生した。


 袁紹軍が国境を突破した、と。


 何故か玄徳ちゃん達が解体されました。


 藍さんは公孫軍筆頭将軍に大尉が付いた上に、玄徳ちゃんのお世話係りになりましたとさ。

『マジか、あり得ん…by.藍』

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