第45話「目的は判った、後は手段だね」
第45話で御座います!
皆さんが期待しているかは、判りませんが、話は加速していきます。
そのstepとしてご覧ください。
さて、緑様が大あb…「何?」なんもねーっすよ~。
白蓮の一言で会議室に移動した面々だが、流石にこの雰囲気に真剣にならない者はいな…い訳ではなかった。
「藍、さっきのお菓子頂戴?」
「ま、まだ言うの?恋ちゃん…」
私自身が好きだった、私のオリジナル『桃風味米粉パン』が恋ちゃんに美味しいと言われたのだ。
うん?この時代にパン?とか思ったあなた、意外にパンの歴史古いんだよ?紀元前約3800年位に原型である発酵した粥から発展して、古代ローマ時代にはパン屋があるくらい昔からある食物だし、日持ちさせるのもギリギリできるからね~(尚、藍は食に関してのみ、グレーゾーンな歴史改変を行っており、その度に緑から説教を喰らっている。また、作った乾パンは兵の間で好評だった。)食材で唯一拙いのはドライイースト、所謂天然酵母だけど、作り方はあるんですよ。桃とかサクランボなどの果実でも取れるんだよ~、前世で北の海の道からお取り寄せしてた位だからね~自作は試したんだけど、出来た奴使えなかったんだ。
日本に帰れなかったからさ…
おっと暗い、暗いよ!!
こんな雰囲気、藍さんの雰囲気じゃないからね!!
まあ、流石に罪悪感に耐えられなくなったので、お腹を空かせた恋ちゃんと、同じくお腹を空かせた菊香ちゃんと清凛君に一つ(恋ちゃん)と半分こ(菊香ちゃんと清凛君)にしてあげたのだった。
「これ、やっぱり美味しい。」
「これ甘いよー♪」
「おお、桃の香りに何故か桃ではない甘さ…この食べ物は何なの?」
「え~とね、桃を絞った汁に手を加えてね、その出汁を米を粉にした物に入れたの。暫く冷たい場所に置いておくと膨らんで来るから、後はそれを作って貰った、特製の窯で焼いたのがそれだよ~。」
「…よく判らないけど美味しい。」
「うん!よく判らないけど美味しいよ!」
「凄いな、藍は料理人じゃないんだよね?」
「一応筆頭将軍だよ~。」
流石に発酵とか氷室みたいな細かい技術を言うとおかしいと思ってはぐらかしたけど許しておくれ~3人とも~。
「藍、一応とか言われると白蓮が転けるよ?」
「緑、安心しろ。既に転けてる。」
「だって~柄じゃないもんね~。」
「こんな奴らについて行って大丈夫かしら…」
「詠ちゃん、白蓮さん達は悪い人達じゃないしきっと大丈夫だよ。」
「判ってるんだけどね、カンの鋭い恋が懐いてるし問題なさそうだけど不安は不安なのよ…」
おや、緑と詠が話を始めたみたいだね。
歯軋りしてた焔耶を近くに呼んで話を聞くことにした。
「詠、不安はごもっともだけど、道中誰も襲って来なかったでしょう?」
「ええ、緑の手紙の通りに菊香様と清凛様の旗を常に立てて兵も5万で護衛したんだしね。」
「それでも襲われるならそれまでだったんですがね。」
「やっぱり、陛下達を囮に使ったのね!!」
「馬鹿な事を言わないで、それなら初めから幽州に菊香達を呼びませんよ?今のあなた達が幽州にとってどれだけ危険な劇薬かは理解しているでしょう?」
「う、ええ、判ってるわ。」
「白蓮が抱え込んで良いと言ってくれたから実行しましたし、その為に菊香達に何も起こらない様にわざわざ焔耶と星に冀州に行かせたり、藍に月の軍勢を影から守らせたりしませんよ?」
「やっぱり周りの護衛に異常がなさすぎたのは…」
「ああ見えて、公孫家の筆頭将軍ですからね。守りにつかせたら抜かせませんよ。」
緑と詠が、此方を見ている。
どちらかと言うと羨望より白さが目立つから、判らんわ~的な見方(緑は若干妬みを含む)をしていた。
「そんなに見つめられたら照れちゃうよ~。」
「「はいはい。」」
「流された!?こんな緑と詠ちゃんに誰がした!?」
「…。」
「緑、一応此処まで来れたけど、当然次の手はあるんでしょうね?」
「当然です。その為に手伝って貰いますよ?詠に月。」
「判ったけど月も?」
「馬鹿筆頭も防衛に回すから、文官が絶対的に少なくなります。白蓮と私に詠だけで打てる策や政には限界があります。」
「月は政に精通してるから政関連をやって貰うのね?」
「はい、当然政には軍事も絡んできますし、軍師だけでは気付かない事もあります、政治家の目も借りたいのですよ。」
「判りました、緑さん。宜しくお願いしますね。」
話が進んでいく中、無視された私は隣にいる焔耶の胸に顔を埋めていた。
焔耶は真っ赤になりながらも抱きしめてくれたので、一応の満足感を得ていたりする。
「あれ、本当に大丈夫?」
「つけあがるから無視して。」
「私に優しいのは焔耶だけだよ~。」
「この状況でボケた藍お姉様に問題があると思うのですが…」
「赤い顔して言っても説得力無いよ焔耶~。」
「藍、そろそろいい加減に拗ねるの止めなさい。」
「は~い、今の所戦力は問題無いけど、連合の矛先を逸らす手って一つくらいしか無くない?」
「流石に判る?」
「此処まで来て判らんとか有り得ない。」
「なら、何だと思うか言ってみて。」
「私も筆頭将軍としての藍のキレを見たことが無いから、興味あるわ。」
詠ちゃんがそう言って焔耶も期待の目で見下ろし、周りの皆が此方を見る。
「菊香ちゃんや清凛君までマジマジ見ちゃっても~「んんっ」冗談ですから、そんな蔑んだ目で私を見ないで緑さん~。」
「喜ばせるだけかしら…」
「期待したのが間違いだったわ。」
「まあ、この檄文に名前載ってる奴大半朝敵にして、降伏して来る奴は裏洗って、白かったら取り込む、黒かったら叩き潰すんでしょ?」
「ええ、それで?」
「皇帝陛下と皇子が健在なのを知らせれば、少なくとも忠臣と、劉家はこっちに来るはずだよね~。」
此処まで言って言葉を切ると、緑は目を瞑って一度だけ頷き、良蓮と恋ちゃんは首傾げ、菊香ちゃんや清凛君を含めた残り全員が唖然とする。
「酷い表情だねぇ。」
「藍のこういう所は、相変わらず慣れないな。」
「白蓮、許して上げてください。真面目さが長続きしないだけなので。」
「あんた、もう少しだけ真面目にしたらもっと信用されるわよ?」
「だが断る!!」
「はいはい、基本方針はそんな所何ですが、如何ですか?菊香に清凛。」
「清凛、よく判らない。」
「姉さん大丈夫だよ。姉さんの玉璽を持ってきていて正解だったな。けれど、藍は流石に筆頭将軍なんだね。」
「真面目にすれば、もっと良いんですがね。」
「それじゃ私が不真面目みたいじゃないか!?」
『一部分不真面目だろ?』
一部を除いて全員から言われた。
(良蓮と恋ちゃんと月ちゃんと清凛君以外、菊香ちゃんはノリで言ってる模様。)
「だってさ!?息詰まるじゃないか!?そんな時に私がボケたら空気和むでしょ?」
「焔耶、どうだった?」
「はい、緑姉さん。ワタシが言うのも何ですが、藍お姉様は、空気を読むべきかと思います。」
「酷い…。」
言いながら、四つん這いになってショックを表すが、聞こえてきたものは、清凛君の笑い声だった。
「あはははは、白蓮の所は何時もこんな感じなの?」
「ま、まあ、大体はな。」
「菊香姉さん。」
「なーに、清凛?」
「皆に力を貸して貰って良いよね?」
「勿論だよー♪」
「皆、これから宜しくお願いします。」
『お任せください!!』
やっぱり基本方針は、そんなもんだよね。
問題点が幾つか有るけど、菊香ちゃんと清凛君が此処に無事来れた時点で、first stepが終了したから、大分有利に動ける筈。
緑に言われて、ある人に書状渡した時からこの話は始まってたんだからなぁ。
こっちは約束を果たしたんだから、マジで頼みますよ~。
まあ、簡単にそう言う感じだよ~としておけば、読者の方々も楽しめるかと思います。
パンに関しては間違ってる可能性がありますので、ご了承下さい。
米粉パンは、作者が五年以上前から食べている物の一つです。
GOPANが欲しい。