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第35話「みんな心配してました。」

 第35話で御座います!


side 藍




 幽州に来てから結構時間が経った。

 だから馬の扱いはかなり巧くなったと自負する藍さんですよ~。

 お、上手いこと言った?

 まあ、冗談はさておき、今目の前にウチの騎馬兵の一団が見えているので、隙間からコッソリ近づいて先頭に向かっております。


「やほー、君が兵長かな?」


「誰d…公明将軍!?」


「お邪魔かな?」


「い、いえ!!光栄です!!」


「とりあえず、前にいる一団に突撃かけよう。曹軍の旗とウチの旗が混じってる所は注意してよ?」


「御意!!」


 マジでごく一部にしか知らせてないな…

 まあ確かに、筆頭将軍倒れました。

 何て軍内部で漏れたら見事な騒ぎになるね~。

 ふと、自分が倒れた時に見た、緑達の顔を思い出す。

 緋焔以外泣いてたもんなぁ、緋焔もびっくりはしてたし。

 まあ、後でリンチは確定だねぇ~。

 漸く身体の不調が無くなって、今度は自分の命無くしそうですってさ。

 あっはっはっは~…

 笑えねぇっす。


 敵の一団が間近になったので剣を抜き放つ。

 鐙が無いから踏ん張れないが、ミストルティンの刃に当たったモノは、何でも真っ二つになってしまうので、馬から落ちない様に足でしがみついていれば適当に斬れてしまうのですよ。

 楽で良いんだけどなぁ…

 っ!?いかんいかん。

 相変わらず割り切れてないなぁ、こんなんじゃ、いずれ死んじゃうね…

 そんな悩みとは裏腹に、敵は次々と真っ二つになっていく。


 おかしい、この敵兵は攻め手じゃないね。

 まさか、敵方の潰滅した部隊の人達かね?

 うん?あれって追撃してるのかな?

 あの旗は…




side 藍 out






side 華琳




 朝廷から公孫軍と合同で黄巾賊の討伐を命じられ、公孫軍の面々と打ち合わせをしていたのだけれど、打ち合わせの席で藍の姿を見ることは叶わなかった。

 まあ、彼女とは今はまだ会えないと思っているから丁度良かったのだけれどね。

 彼女達の力だけではないのは判っているけれど、公孫賛がいち早く州牧になったのは、間違いなく藍達も関わっている。

 何故なら、昔に見かけた公孫賛は、自分に自信を持てない人間だったからだ。

 周りが優秀で自分は無能だと思ってしまっていたから、自信を無くしてしまっていたのだ。

 しかし、天幕で会った人物は公孫賛であって公孫賛ではなかった。

 正しく、自分を見つめて自信を積み上げ直した、州牧然とした公孫賛となっていた。

 あんなものを見せられたら、余計に会いたくなってしまうわね。

 けれど、私は漸く刺史から太守になった人間。

 私自身がまだ彼女に会えないと思っているわ。

 もっと力付けて私の道を、私の『覇道』を彼女に見せられないといけないもの。

 だから今は会えなくても構わない。

 寂しくないと言えば嘘になる。

 本当は会って語らいたい、彼女と一緒に笑い合っていた時、心の底から笑えた気がしたから。

 けれど、今は我慢しよう。

 我慢すれば会った時の喜びはもっと凄いものになるのだから。


 会合が終わり、天幕から出て私達の天幕に戻るため、公孫軍の天幕を通り過ぎようとしたとき、衝撃が走った。


「緑姉さん…藍お姉様、大丈夫ですよね?起きてくれますよね?」


 何?どう言う事?藍は少し体調が優れないだけじゃなかったの?

 あの声は間違いなく焔耶だった。

 その焔耶の声は震えていた。

 そして誰もその言葉に応えない。

 ら、藍が倒れた…

 冗談…な、訳がない。

 あれだけ藍を慕っている焔耶が、今にも泣きそうだったのだから…


 天幕に戻ってすぐに、誰も近づけないように厳命して、(とこ)に突っ伏す。

 この曹孟徳ともあろうものが、たった1人の人間が倒れただけでこの(ざま)とは、昔では考えられないわね。

 気が付くと辺りは暗くなっており、頬が濡れている。

 泣き暮れていた?はぁ、本当に私は馬鹿ね。

 藍は確かに倒れたのかもしれないわ。

 でも、彼女は嘘を吐かない。

 彼女とは共にあった時は少ないけど、彼女の言葉は信頼が置けると感じたからだ。

 まさか私が言葉を聞いただけで、此処まで信頼するとは思わなかったけどね。


 とりあえず、気持ちが落ち着いたので春蘭達を呼んで我が軍の行動を検討する。

 藍が倒れた事は驚いたが問題無いだろう大丈夫、きっと。


 ただ、心配はしてしまったし天幕で泣くと言う醜態を晒させた、藍は後で絶対にお仕置きしようと心に決めた。

 彼女達もするだろうから私も混ぜてもらう。

 いや、彼女用のお仕置きを提案しよう。

 うん、それが良い、そうしよう。

 うふふ、藍。

 覚悟だけはしておいてね。


 後で聞いたのだけれど、話を聞きながら考え事していた私が途中で黒い闘気の様なものを放っていた為に、春蘭や秋蘭、桂花が怯えてしまった様なので3人とも閨に呼んでおいた。

 大切な事だからもう一度言うわよ?

 藍、覚悟しておきなさい。




side 華琳 out






side 藍




 寒気がした気が…

 してないよ。

 うん、してない。

 絶対してない、この戦いの後の方にキツいのが、待ってるとかあり得ないって。

 はははは…

 ますます、私の終わりを予感する時間だったね。

 気を取り直して、前の黄巾賊を撃破しようか。

 っ!?ちょっと待て、アナタタイショウデスヨネ?

 ナンデツイゲキセンナンテシテルンデスカ?

 いや、ないよ。

 そう思いながら馬を止めて、ショートドリルの指揮官殿に話しかけた。


「か、華琳さん?」


「っ!?藍!?あ、あなた、平気なの?」


「あ、うん、寝たお陰で絶好調だよ?てか、私の不調は、身内しか知らないはずだけど?」


「あら?私はあなたの友では無いの?」


「その言い方ズルいよ、華琳~。」


「ふふっ、久しぶりに話が出来るのだから意地悪くらい許しなさいな。」


 などと2人で止まって話をしていたので、華琳の後ろから賊が斬り掛かってきた。


「華琳!」


「ええ、問題無いわ。」


 気付いてたらしく、賊は華琳の大鎌の餌食になった。


「藍?」


「はいは~い。」


 馬を止めた為、馬から降りて兵長君に緑の元に向かうよう指示を出した。

(ついでに馬も任せてしまった。

兵長君もゴメン~。)

 その後すぐに後ろの賊を切り捨てる。


「こんな所で馬から降りて、いいのかしら?」


「友軍の大将を置いて、自軍の援軍も無いと思うよ?」


「まあ、私の方は向かえる者が居なかったから、使える駒を使っただけよ。」


 華琳と背中合わせに話す。


「自分を駒扱いは『めっ』て感じだねぇ。」


「なら、何時も無理をして緑達を泣かせてるあなたも『めっ』じゃないかしら?」


「耳の痛いお話です。」


「ふふっ、人に背中を預けるのは初めてね。」


「うん、私も基本は突っ走っちゃうから、私も初めてかなぁ。」


「藍、緑達が悲しむから無理だけはしては駄目よ?」


「華琳も、自分が出来るからって突っ走っちゃ駄目だよ?」


「ふぅ、お互い様かしらね?」


「あはは~緑達に後で怒られますしね~。」


「ふふっ、今日は気分が良いから賊の彼らの為にも、存分に相手になってあげましょう。」


「華琳が見てるから、頑張ろっかな。」


 私と華琳の闘気が混じり合う。

 背中が凄く暖かい。

 全く後ろに不安がなくなった。


「藍、後ろは任せるわ。」


「任されたよ、私もお願いね。」


「ええ、安心なさい。」


「「かかってくるが良いさ(わ)!!」」



 ええっと私は現在、公孫軍の私の天幕に居たりします。

 私の周りには緑達5人に何故か華琳さんが居たりします。

(良蓮は、理由を付けて外された模様)


「えっとですね。」


「藍、少し黙ろうか。」


 緑さんが、洛陽の時に見せた黒さを披露してるが、怯えてるのは私だけみたいだ。


「緑、私に提案があるのだけれど。」


「何ですか、華琳さん?」


 華琳が緑に耳打ちをした後、緑が頷いて他の皆にも耳打ちする。

 その話が終わった途端全員から黒い笑みが出た時、私は自分の悪い予感は当たるんだなぁと思いました。


 いや、緑さんに華琳さん。

 確かに倒れてすいませんでした、けどね、私も倒れたかった訳じゃ…


 白蓮も星もそんな黒さは似合わないよ~。

 いえいえ、お二人は相変わらずお美しいで…話は…聞いて貰えませんね、はい。


 焔耶、お前もか…。

 焔耶~泣き笑いに黒さを足さないでよ…文句言えないよ~…。

 へ~緋焔って緑と致してたn…

 はい、すいません。

 え~、皆さん…話は…はい、ごめんなさい。

 あ~、あと心配かけてゴメン、ありがとね、皆♪




side 藍 out

 戦闘描写なるものは、私の小説には無いのですね。


 無理でした…



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