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第30話「劉備一行」

第30話で御座います!




はてさて、幽州も城関連以外は落ち着き、穏やかな日差しが降り注いでいる廊下をのんびりと5人で歩いている藍一行ですよ。


いつの間にやら、同郷だったらしい星と緋焔が意気投合して白蓮も交えて酒を飲むまでに仲良くなっておりまして、朝起きて朝食を取る頃には、この5人で食事して朝議に参加する流れになっているんです。

ああ、平和だなぁと思っているときに波乱はやってくるらしい、畜生…。


何故かというと、良蓮が何時もの笑顔で此方に向かって走ってきたからだ。

彼女、朝は用が無いと私達の所に来ないのだ。

理由としては、姉の白蓮を起こした後、鍛錬の為に調練場で軽く身体を動かして朝食を取ると言うパターンを作っているからだ。


もう少しで朝議の時間なんだけど、真面目な彼女はもう謁見の間で白蓮の右隣に立っているはずなのだ。

その彼女が猛スピードで此方に来る。

何かあったと普通は思うよね?




案の定何かあった。

白蓮の前には、桃色の髪の女の子に、黒髪の綺麗な女の子、虎のワッペン?みたいな髪飾りを付けた少女に、白く輝く衣装を身につけた青年が立っていた。


「ごめん、遅れた?」


「いや、朝議より早いんだが、朝早くに客が来てな。ところで緑はどうしたんだ?」


「何か内門で文官の人達が忙しそうだったから手伝いに行ったよ~。」


「そ、そうか。緑には悪い事したな。」


「とりあえず、並ぶ?」


「ああ、緑は後で紹介しよう。」


と言うわけで、本日は朝から波乱を感じさせる幕開けだった。

とりあえず、白蓮のやんわりとした説教が始まったが、桃色の子はあんまり悪い事をしたと言う雰囲気ではなかった。

今白蓮が言ってた内容がマジなら、まともな人間なら誠心誠意謝ると思うのだが…

友達なら嘘ついて、仕事くれは無いと思うよ?

掻い摘み過ぎたけど、流石にねぇ。

焔耶も緋焔も星も呆れてるし…

まあ、白蓮が許すって言っちゃったら、何も言えないしほっとこうか。

説教が終わった所で、緑が謁見の間に入って来た。


「白蓮様、朝議の時間に遅れてしまい、申し訳ありませんでした。」


「いや、私事で迷惑をかけたな。とりあえず並んでくれ。」


と、緑が私の右隣に並ぶ。

そこで、白蓮が自己紹介を始める。


「私の名前は、姓は公孫、名は賛、字は伯珪だ。此処幽州の州牧を任されている。」


「ふぇ~白蓮ちゃん、州牧になったんだ~。」


「私1人の力じゃない、皆の力があったから今の私があるんだよ。」


「でも凄いよ、白蓮ちゃん♪」


「ありがとう、桃香。しかし今は自己紹介の最中だから、先に自己紹介をしてくれ。」


「あ、ごめんなさい。わたしは姓は劉、名は備、字は玄徳って言います。」


「私の名は、姓は関、名は羽、字は雲長と申します。」


「鈴々は、姓は張、名は飛、字は翼徳なのだ!」


「俺の名前は、姓は北郷、名は一刀、字と真名はありません。」


緑が全員の名前を聞いている間、目を瞑っていたけど、有名人何だろうか?

まあ、それは良い。

それ以上に問題な人物が出てきた。

北郷一刀君。

緑によれば、私達4人は本来違う国にいる人物だ。

だから彼がもし三国志を知っていたり詳しかったら、私達が異物にしか見えないだろう。

かなりまずい…

まあ、何とかなるか~てか、どうにかする。

強引にでもね。

其処まで考えていると、白蓮に自己紹介を促された。


「彼女達がウチの主力にあたる連中なんだが、藍から頼めるか?」


「はいは~い、私の名前は姓は徐、名は晃、あざ「えぇっ!?」っとと、どしたの?」


「い、いや、あなたは本当に徐晃さんなんですか?」


「ご主人様…」


「おい、お前。いくら客人と言えd…「焔耶。」緑姉さん…」


「失礼ですが、え~と北郷殿でしたか?」


「あ、はい。」


「名乗っている最中に割って入るのは流石に無礼ですよ?一応、仮にも筆頭将軍である人間ですので、次はありませんよ?」


「まあまあ、何か驚く理由があったんだよ。てか、緑。一応は酷くないかね?」


「威厳が無さ過ぎるから、名乗りの最中に割って入られるんじゃないかしら?」


「何で私怒られてるの?」


「…自業自得だ。」


「え~。」


ボケが終わりそうに無かったので、白蓮が咳払いで無理矢理止めた。


「んんっ、北郷も何か聞きたいなら後にしてくれ。」


「は、はい、すみません…」


「え~と、んじゃ字は公明だよ、よろしくね~♪」


「私は、姓は満、名は寵、字は伯寧です。」


「ワタシは、姓は魏、名は延、字は文長だ。」


「…姓は張、名は燕、字は伯明だ。」


「拙者の名は、姓は趙、名は雲、字は子龍と申す。」


星以外の私達の名前を聞いている間、北郷君は目を見開いていた。

緑曰く、演義では星は白蓮の下に将として居る為違和感は無いだろうが、やはり彼は私達が此処に居る事に疑問を抱いたようだ。

だが残念、今は朝議の最中何だよね~。

彼が口を開こうとした瞬間、私が手でそれを遮り、白蓮に言う。


「自己紹介終わったから、朝議する?」


「ああ、これ以上遅らせる訳にはいかないからな。」


こうして朝議が開始された。

この間、北郷君は何か言いたそうだったが、流石に報告や献策が行われている状況で口を挟む事はしなかった。

そして、最後の案件…と言うか玄徳殿達の処遇についての話し合いが始まる。


「さてと、桃香達をどうするかだな。」


「白蓮ちゃんは、力を貸してくれないの?」


「学友だからな、手を貸すのもやぶさかじゃないんだが、緑今の時点じゃ、なぁ?」


「そうですね、現在の我が幽州の状況ですと、其方の方々を必要としておりませんので。」


「なっ!?しかし、私達は少なくとも武で貢献出来るかと思いますが!」


「…雲長殿、でしたか?確かに私もいささか武芸を扱う者ですから、あなたや翼徳殿がお強いのは判ります。」


「でしたら!」


「しかしながら、我が幽州は、ご存知かは判りませんが、白蓮様や良蓮様率いる白馬義従、焔耶や緋焔、星などの勇将・猛将がおります。

つまり、武官は足りていると言う事です。」


「確かにそうなんですけどn「藍?」何か判りませんが判りました!」


今回はこういう役柄なんですね~判りたくない。


「なので、現在欲しいのは文官なのですが…」


「文官は緑の献策を通して増やしてる最中だから、確かに都合は良いか…」


「はい、白蓮様。まあ、白蓮様のご学友をすぐに追い出したとあっては、あまり良いこともありませんので、文官としてなら雇い入れても良いかと。」


「緑、大丈夫なのか?」


「何がですか?白蓮様。」


「いや、どう贔屓目に見ても怒ってる様に見えるんだが。」


私もそう思うよ、白蓮。


「怒ってませんよ?」


「いやしかs…「怒ってませんよ?」判ったからその目は止めてくれ。」


緑様が黒くなりかけたので、折れる白蓮。

何かおかしいけど、皆死にたくないんだよ。

主に精神的n…

ひぃ!?何!?睨まれてるだって!


「桃香、とりあえず仕事をしてみるんだな。残念だが今はそれくらいしかしてやれない。」


「うん、ありがとう白蓮ちゃん。今はそれから始めてみるよ。」


「そうしてくれ、私塾でも桃香は才能があるって言われてたんだから大丈夫だろうしな。」


「う、うん。頑張るね!」


「なら、悪いんだけど、藍に緑。2人の権限で仕事を与えてやって欲しい。あと暫く世話の方も頼む。」


「はいは~い。」


「畏まりました。」


「では、以上で朝議を終了とする。解散!」




私と緑は、劉備一行に城の案内をしている。

其処でやはりと言うか、北郷君が話し掛けてきた。


「あの、徐晃さんに満寵さん。」


「北郷殿。」


「はっはい。」


謁見の間での雰囲気を出されて怯える北郷君。

あれ怖いからねぇ~。


「北郷殿の国がどの様な礼儀を持っているのかは存じ上げませんが、名は諱と言いまして親や主君などの目上の方以外が言うのは大変無礼に当たります。」


「す、すいません!知りませんでした…」


「知らないことや判らない事は悪い事ではありません。知らないことや判らない事をそのままにする方が悪い事になりますからお気をつけ下さい。あなたの周りには、人が居るでしょう?なら、機会を見つけて礼儀なりを知っておく事をお勧めします。」


「忠告、ありがとうございます。」


「いえ、それで北郷殿は何か聞きたい様でしたが、何かありましたか?」


「あ、はい。え~と徐k…じゃない…「公明だよ~。」すいません、公明さん達は何で伯珪さんの所に居るんですか?」


「どう言う事ですか?ご主人様。」


「うん、俺の知っている歴史では、公明さんや、えと、伯寧さんはもう少し後で魏の曹孟徳に仕官するはずなんだ。だから此処に居るのはおかしいんじゃないかって思ってさ。」


「へ~、北郷君の知ってる歴史ってそうなんだ~。」


「はい、だから何で此処に居るのかなって…」


「もしかしたら誰かが成り代わっているかもしれないとでも仰いますか?北郷殿。」


うっ、緑が怒ってる。

確かに私と緑は、前世を持ってるけど、今は間違いなく徐公明と満伯寧なんだから。


「そう言う意味では…」


「じゃあどうして藍やあたしが「緑落ち着いて」…」


「北郷君。」


「は、はい。」


そう言って北郷君の右手を私の左胸に押し当てる。


「えっなっ!?」


「「「な、何してるんですか!?」」」


「少し黙って。」


そう言って辺りを黙らせる。


「北郷君。」


「は、はい。」


「私の心臓動いてるよね?」


「はい。」


「私達は、今こうして生きてるんだよ。私や緑や焔耶に緋焔、皆生きて自分で考えて此処に居るんだよ。」


「はい…」


「緑が何で怒ったか判るかな?」


「俺の知っている事に当てはめようとして、今生きてる人の意志を考えてなかったって事ですね?」


「さあ?まあ、考えてみるのも良いんじゃないかな?」


「あの伯寧さん。」


「何か?」


「その軽率でした、ごめんなさい。」


そう言って北郷君が、謝ってくれている。

ご、誤魔化せたかしら?

などと思っていると。


「いえ、此方こそ大人気なかったと思います。申し訳ありません。」


緑も謝り、和やかな雰囲気になりそうだったのだけど、私は重大な事を忘れていた。


「ところで北郷殿。」


「はい、何ですか?」


「何時まで藍の胸を鷲掴みにしているんです?」


「あ。」


「あうっ。」


北郷君が指摘された時に一揉みされてしまった。

まあ、その後、私は緑様から、北郷君は玄徳殿と雲長殿から説教喰らいましたとさ。





漸く、物語が動き始めたかに見えております。


少しずつ進めると共に、良い意味で予想を裏切って行ければと思っております。

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