第3話「死の先を行く夫婦・後編」
第3話完成で御座います!!
修正しました。10/23
side 真之介
「ふざけないでよ!!」
小夜が叫ぶ。
彼女の叫び声なんて初めて聞いた…
が、私は今それどころでは無い、小夜、小夜さん、小夜様!!もう私の手のライフポイントは0って言うか、く、砕けそう…
「あたしと真之介が漸く取れた休暇だったのに!あたしと真之介が何で死んだか判らない?ふざけないでよ!!死ぬならアタシだけにしてよ!!」
ちょっ、ちょっと待て!!なにを口走ってる?!気にするなと…
「すまなかった」
「え?」
自称が謝っている。
しかも頭を下げて…
知らないが、アナタは神なのだろう?なら人間に謝るなんて…
謝られた時、小夜の手に入る力が抜けた。
こっちの意味でも助かった。
等と思ってたら自称が話を続けてきた。
「小夜の怒りは尤もじゃ、理不尽な死をしかも儂らも想定しておらなんだ事態に巻き込んだ事を許して欲しい」
「い、いえ、すいませんでした。取り乱してしまって…」
「いやいや、お主は話せばわかる人間だと、わかっておったからのぅ」
威厳のある顔と声で言われた。
自称とか思ってたけどやはり神様なんだなぁと感じていた…
side 真之介 out
side オーディン
ふむ、真之介も助かった事じゃし、本題に入るかのぅ。
「片桐真之介、片桐小夜」
「「はっはい」」
「そんなに堅くならんでもよい、お主らに謝罪と言う訳ではないのじゃが、もう一度生きてもらうぞ?」
「お、仰ってる意味が分かりません」
ふむ、小夜が思考停止に陥っておる。
怒り狂った後にクールダウンしてしまえば、そうもなろうて。
「うむ、所謂転生をお主らにはしてもらうと言っておるのじゃが?」
ふむ、小夜は相変わらず固まっておるが、真之介は…?
「オーディンさんには大変申し訳無いのですが、お断り出来ませんか?」
やはり、断ってきたか。
「何故か、聞いてもよいかのぅ?」
「転生と言うのがどんなモノか分かりませんし、小夜と離ればなれになってまで、生まれ変わりたいとは思いません」
「真之介」
今度は、小夜が涙目じゃな。ご馳走様ご馳走様。
「安心せい、はっきり言うと今回は此方の想定外が発生した結果、お主らが死んでしもうた。その穴埋め兼お主らを東洋方面に返すと言う意味合いがあるんじゃよ。当然本来の転生だと記憶を洗い流すが、今回は消さぬ故そのまま持って行くが良い」
「しかし、贔屓になりませんか?」
「ふはははは、神とて好き嫌いがあるわい、自分の妻を包み込む優しい夫に、自分が夫の代わりになると言う妻。良いものを見せてもらったからのぅ」
「はあ…」
「納得は、出来んかもしれんが、儂らや東洋の連中の為にも聞いて欲しい」
「…分かりましたから、頭を下げるのをやめてください」
「オーディンさん、私達は、離ればなれにはならないんですよね?」
「実際は、生まれる場所が同じでは無いが、転生する時と国は同じじゃ。そして、出会いの場所も提供するわい」
「ねぇ、真之介…」
「どうした、小夜?」
「あたし達もう一度、生きられるの?」
「そうらしいな」
「ぐすっ」
「小夜…」
「ふむ、話はまとまったか「一つ質問が」なにかのぅ?」
「先ほど生まれる時と国と仰ってましたが、まさか…」
「賢いのぅ、残念じゃがお主らをまた日本に転生させる事が出来ぬらしくてのぅ。お主らが行くのは後漢末期、古代中国の外史との事じゃ」
「小夜…」
「ずっ何、真之介?」
「古代中国の後漢っつ~のは多分三国志かな?とは思うんだが、外史って何なんだ?」
「朝廷の命を受けて編纂した歴史書が正史、朝廷の命を受けずに個人や民間が編纂した物が外史のはずよ?」
「うむ、本来はそうなんじゃが、お主らが行く外史はちと変わっとってのぅ。まぁ、迷わず行けよ、行けばわかるさ!じゃ」
((何故そこで猪木))
「あとお主らが外史に着いた後、暫く時を置いてあるものを呉れてやろう」
「「あるもの?」」
「着いてからのお楽しみにしておくが良い」
「「はあ…」」
「それでは、後ろの扉を潜っていくが良い」
「短い間でしたが、ありがとうございました」
「怒鳴ってしまってすいませんでした」
「気にするでない、お主らの人生に幸多からんことを、のぅ」
そして、一組の夫婦が新たな人生を始めた、か。
あ奴らが、あの世界でどうするか。
楽しみであり、怖くもあるのぅ。
うん?誰じゃな?
「オーディン殿!?」
「おお、大日如来殿」
「先ほど連絡頂いた二人は!?」
「うむ、第2の人生を始めたぞ?」
ぬ?大日如来殿が、頭を抱えておる。
「どうかしたかの?」
「じ、実は…」
「な、何じゃと!?」
此処に来てやっちまうとか無いじゃろ…
二人とも頑張れよ…
特に真之介、マジ頑張れ…
side オーディン out
side 真之介
さて、現在の状況説明何だか、
1、扉を開いて中?へ
2、中?は明るいが何もない
3、急に二人の足元に落とし穴が
4、かなりの速度で暗い穴を落ちる←今ここ
ふざけるな!!この速度はシャレにならんぞ!?
「し、真之介!?」
「小夜!?」
は、離されていく!?
これがオーディンさんの言っていた『同じ場所に生まれる訳ではない』って奴か?!
「真之介!!」
「小夜!!」
私も小夜も必死に手を伸ばすが、どんどん離されていく。
「小夜!!必ず捜し出すからな!!それまで死ぬんじゃないぞ!!!」
オーディンさんは、機会を作ると言ってくれたが、やはり、待つだけなんて出来ん。
ぐっ力が抜けていく…
「真之介こそ…無茶したら…許さ…ない…からね…」
瞼が重い…
「分かって…いる、また後で…な…」
意識が…保て…な…い…
side 真之介 out
真之介…マジ頑張れ…