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第26話「袁家と白蓮の妹・良蓮」

第26話で御座います!

side 藍




白蓮との蜜月から更に幾日が経った。

正直な話、白蓮に襲われるのは予想外だった。


白蓮が疲れ切ってたから少し酒を呑んだ後、休ませてあげようとしたのだけど、酔った白蓮が私と緑の行為を目撃した事を言ってきて、そのままなし崩しに襲われてしまった。

本当に溜まっていたらしく凄く激しくて私は何度も気をやってしまった。

まあ、気持ち良かったしこれはこれでいっか~♪


などと思いながら、今は此処に居ない彼女の事も考える。


緑が冀州の袁紹さんの下に行ったのである。

愛想尽かされた訳じゃないよ?

西側の城建設の件で予想通り面倒事が発生したのである。

城を建設する件は当然ながら都に通達してあり了解も何とか得たのだが、これまた当然の事ながら横槍が入った。

件の面倒事の発生元たる、冀州太守の袁紹さんがケチを付けてきたのだ。

まあ、自分の預かってる領地の近所に城ぶっ建てますとか言われたら、文句も出るだろうが、手の打ちようが無い事を緑に思い知らされる羽目になるだろう。

朝廷が承認した案件に口突っ込める袁家は流石だと思うけどね。

まあ、そういう理由から緑が、西側の城の建設に関する交渉材料の確認が終了したので、話を付けてくると言って冀州に向かったのだ。


まあ、出発前に白蓮と何か話てて2人が嬉しそうだったのを見たとき仲直り出来たんだな~と思った瞬間、寒気がしたんだけど私何かヤバいのかな?




side 藍 out






side 緑




今あたしは、城建設に関する件の交渉をする為に、冀州に緋焔と良蓮を伴って向かっている。

正直に言えば真面目に話をする気なら、白蓮を連れて行くべきなのだが、なめ腐った態度と文面の書状送ってきたくs…クソ虫に思い知らせる為にわざと白蓮の妹である良蓮を連れてきたのだ。


…少々熱くなって申し訳ありません。


最初は良蓮を連れて行く事すら嫌だったのだが白蓮が公式の場にも連れて行ってやって欲しいと頼んで来たのだ。

あんなつまらん書状を送り返して来た所に純粋な彼女を連れて行くなんて、面白すぎr…、げほっごほん。彼女の教育上どうかと思ったけど、白蓮の頼みでもあるし何よりも名家と言うだけで自分の先祖を貶める発言と行動を取った袁家の皆様には痛い目に遭って貰いましょう。




「袁本初様にはお初にお目にかかります!!自分は、幽州州牧、公孫伯珪が妹、姓は公孫、名は越、字は朱関と申します!!」


袁紹の両脇に控えている袁家の2枚看板である顔良・文醜両名、果ては周りの文官達まで唖然としている。


この反応だけで、如何に良蓮を舐めきっていたか判ると言うものだ。

言いくるめに来るのが容易く読めていた為、彼女の本質を見せてやろうと思った訳だ。

此処は小出しにする場面ではない。

寧ろ彼女が、白蓮と同じくらい有能である事を思い知らせてやろう。


「お~ほっほっほっ、良く来ましたわね。それで何をしにきたのかしら?」


マジで言っているのでしょうか…

ああ、顔良が顔を呆れさせています。

苦労してるのは判りますが、顔に出すなと言ってあげたい。

相手だから言いませんけどね。


「はっ!!幽州の治安維持を目的とした城の建設について、袁家から異議申し立てがあった件について、理由を伺いに参りました!!」


まだざわつきますか、まあ構いませんと言うか気にしないようにしましょう。


「何故私の領地の国境近くに城を建てられないといけませんの?」


「はっ!!現在我が公孫家が幽州の管理を任されておりますが、賊の討伐及び治安維持の部隊派遣が成功し賊の被害が無くなったのですが、ここ最近西側の一部で賊が再び発生した為であります!!」


「斗詩さん。」


「はっはい!」


…いきなり丸投げ?

しかもまだ始まったばかり何だけど。


「んんっ朱関様。私は袁紹様付きの将軍をさせて頂いている顔良と申します。

早速ですが、此方の国境側近くに城を建設せずとも、其方の騎馬隊の機動力が有れば問題無く治安維持が出来ると思うのですが?」


「お答えさせていただきます!!確かに我が騎馬隊の機動力をもってすれば、西側の賊にも対処出来ます!!ですが、そもそも兵を派遣せずとも城があればそれ自体が抑止力となります!!」


「確かにそうでしょうけど、国境付近の建設ですから、内政干渉されてしまうのではないかと思ってしまいます。」


「その様なご懸念がある事は当然だと思います!!そういう時のために、此方の方で纏めた資料がありますのでご覧ください!!」


そう良蓮が言い、あたしに合図を送る。

あたしは黙って頷き纏めた資料を取りに来た文官に渡す。

その資料を顔良が読み進めるが、進める度に顔色が悪くなっていく。

わざわざ国境付近で、あたしの子飼いの細作に徹底的に洗わせたんだから間違い無い。

幽州西側に位置する村を襲っている賊が、どこから来ているか統計を取って資料にぶち込んだのだ。

資料纏めるのに3ヶ月掛かったんだから、もっと驚いて貰いたい。

冀州から来てる賊が大半なのだから。

まあ、向こうの都合があるから間違い無く、それを言ってくる。

それでこの話は詰みになります。


「こ、この資料に間違いは無いのですか?」


「はっ!!我が公孫家が総力を結集して集めた情報をつぶさに見極めて纏めた資料で御座います!!」


「この資料通りなら南側の太守殿の地域から出ている賊なのですが…」


「では、其方の問題ですので、対処をお願い致します!!」


「はっはい、判りました。」


「それでは、城の建設を進めさせて頂きますので、これにて失礼させて頂きます!!」


「そ、それは困ります!?」


「何故でしょうか!!」


「賊が冀州から出ているのは判りましたが、国境付近に建てられるのは困ります!」


「他の太守殿の土地の賊ですが、そんなに早く討伐出来るのでしょうか!!」


「そ、それは…」


「此方は既に朝廷とあなた方が仰っていた太守殿に承認を頂いております!!そして同じ冀州の太守である袁本初様の異議申し立てをされておりますが、冀州方面の問題を直ちに解消出来ない以上、城の建設をしない場合に発生する全ての被害をどなたが補償するのでしょうか!!そして、被害を受けるのは我が幽州の領民である以上最善の手を打つのは州牧として当然だと思います!!」


「確かに…」


顔良の一言が響いた時には、謁見の間は静まりかえっていた。


「これ以上ご質問が無さそうですので、失礼させて頂きます!!」


そう言い放ち、颯爽と謁見の間を出る良蓮の両脇を守る様にあたしと緋焔が立って歩いて行ったのだった。




謁見の間を出て暫くした後、緋焔が口を開いた。


「…すまんが本当に良蓮か?」


「はい!!良蓮です!!」


「…確かに馬鹿正直に答えているな。」


「緋焔、まさか貴女まで良蓮を馬鹿にしていたの?」


「…そう思いたくはなかったが、今までの態度と言動がな。」


「何時も馬鹿だと言われていますから気にしていません!!自分もそう思いますから!!」


そう言う良蓮の頭を軽く叩く。

首を傾げながらあたしに聞いてくる。


「?どうしました!!緑さん!!」


「白蓮も貴女も本当に自虐的ね。」


「?」


「はっきり言わせて貰いますが、良蓮、貴女は決して馬鹿ではないわ。」


「そうなんですか!!」


「…何故そう言い切れる?」


まあ、確かに普段の言動は少しお粗末な所もあるけれど、彼女の才能に誰も気付かないのは可哀相でしょうに。


「良蓮、質問良いかしら?」


「はい!!」


「半年前の天気と何を食べたか覚えてる?」


「はい!!天気は朝方は晴れていましたが昼から崩れ初めて、夜には土砂降りになりました!!食事は、朝にお粥と干し芋、昼には麦飯と麻婆豆腐、夜は自分が釣った魚を姉上と一緒に頂きました!!」


緋焔が目を点にしている。

あたしも最初は驚いたものだ。

気付いたきっかけは、焔耶と良蓮が哨戒任務から帰還した際、良蓮が事細かに任務中に起こった事例を全て話した時だ。

焔耶も見ていなかった、他愛の無い事柄から賊に関する情報を一言一句間違わずに報告して居るのを白蓮が聞いていたのに本気で驚いてしまったのだ。

白蓮に聞くと何時もこんな感じだと言っていたから、気づかなかったようだが、凄い能力なのだから気付いてやって欲しかったものね。

あたしがした質問を答えさせて、白蓮に確認させて認識させたが、まさか身内にこんな子が居るなんて思わなかったわ。これがこの子の個性であり、それを馬鹿にしていた者達を見返すこと、それを出来たことが凄く嬉しい。


「緑さん!!何故泣いているんですか!!」


「…緑。」


「ああ、違うの。良蓮は思った通り凄い子だなって思ってね。」


「緑さん!!」


「何かしら?」


「自分は皆の役に立てましたか!!」


「勿論よ。」


そのまま彼女の頭を撫でる。

藍が焔耶の成長を嬉しがる気持ちってこんな感じなのかもね。

そんな事をふと思っていたが、後ろから誰かが走ってくる気配がしたので振り返るのだった。




side 緑 out


ご都合主義や~と思いながら書きました。


なんだかんだで頑張っております。

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