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第2話「死の先を行く夫婦・中編」

 第2話で御座います!

 プロローグが長すぎるorz


 修正しました。10/23

side オーディン


 ふむ…この夫婦は、混乱はしておるが良い胆力をもっておるな。

 普通は、あの様に努めて冷静でいられるわけがない。

 じゃが、片方しか居なかった場合…

 Ifの話は止めておこう、今この二人が此処に居ることこそが、重要なのじゃから…


side オーディン out



side 真之介


 さて、どんな話をされるのだろう。

判らないが、少なくとも今より悪い話じゃないと助かるな。

 小夜もそうだが、私も顔色は悪いだろう、さっき小夜の手を握るまで私も気分が優れなかったからな。


「さて、何処まで話したか…うむ、お主らが死に、何故か此処アースガルズに来てしまった。と言うところまで話したのぅ。はっきり言うとお主らが、何故此処アースガルズに来たのかは、分からぬ。じゃが少なくとも意味が無いなどと、儂は思っておらぬ。そして今のお主らは大変マズい状態にあるのじゃ」


 マズい状態?まぁ、死んだのだからマズいと思うんだが…


「マズい状態と言うのは、お主らの魂の管轄違いじゃ」


 魂に管轄ってあったのか…しかし何故それがマズい?


「神界と言うても様々な場所がある、儂は北欧神話の神でのぅ、その名の通り北欧方面の神じゃ。儂らは、北欧方面の人間の魂を管理しておるのじゃが、何故か東洋方面のお主らが此処に迷い混んでしもうた」


「お主らが気を失っている間に、東洋方面の奴らと渡りをつけお主らの事を調べさせてもろうた。お主ら夫婦はなかなか休みが取れず、漸く取れた休暇で海外に出向いた、新婚旅行としてのぅ…」


 途端に、手を握る力が強まった。

 海外に行こうと言ったのが、小夜だったからだ。

 それは、気にするよなぁ。

 なかなか言わない我が儘を通して、死にましたでは…

 気にするなと言っても気にするだろうが…


「小夜」


「うん?」


「自分を責めないでくれ」


「うん、ありがと…」


 すぐに納得など出来ないだろうが、一言言っておかないと、一人で背負こもうとするからなぁ。


「お主ら仲が良いのぅ」


「そうでもないと思うが…」


 自称オーディンに妻との仲を言われ照れてしまう。

 ポーカーフェイスをしていても、妻との事を人に言われると、相変わらず照れてしまう。

 他の人にはあまり見せたくないモノなのだが…癖になっているのだろうか、小夜には「真之介のそう言う可愛い所が好き」と言われるが、私は恥ずかしいんたぞ?


「話を続けるぞぃ?北欧方面に東洋の魂があると、かなり面倒な事になるのじゃ」


「輪廻転生と言う言葉を知っとるかね?」


「死んだ生物が次の命に生まれ変わると言うものとしか…」


「うむ、大体それであっとるよ。その輪廻転生と言うのは、一旦各方面の神界が管轄内の魂を集めて、ある場所に送る事になるんじゃが…。ある場所が何処かは省かせて貰うが、お主ら東洋人は死んだ際に、東洋方面の神界に行くはずなのじゃが、お主らは死ぬべき時に死んでおらんらしくてのぅ。死ぬ時期が、ズレてしまった上に何故か北欧方面の此処『アースガルズ』に来てしもうた。此処に来た原因は不明で、更にお主らが死んだ事も東洋方面の者曰く、予定に無いのに何で死ぬの?と言うておる」


「「は?」」


 そう言うたちの悪い冗談は嫌いと言うか止めt…

 いたっ痛い!?痛い!?痛い!!

 何だ急に…

 あれ?小夜?額に血管が浮き出て…痛い!!痛い!!痛い!!手!?手が!私の手が潰れてるよ!?

怒る理由は解るが、私の手を握り潰…


side 真之介 out




side 小夜


 黙って話を聞いて理解しようとしてた時に…

『お主ら夫婦はなかなか休みが取れず、漸く取れた休暇で海外に出向いた、新婚旅行としてのぅ…』と言われて、身体が強張った。

 真之介もあたしも両方仕事を持ってるし、今の仕事が好きだったから式も挙げずに書類だけ役所に届けて仕事に勤しんだ。

 漸く仕事が一段落したときに、「二人で海外旅行に行きたい」って言ったら、真之介に長期休暇を取る日を聞かれて、次の日にフィンランド行きのチケットをとってくれた。


「大丈夫だったの?仕事忙しくない?」


「『ワーカーホリックな一尉殿は、サッサと休暇取ってくれないと俺達が取れないからサッサと取りやがれ』と部下に言われ、果ては上官や国公労連からも突き上げられたし、丁度良かったんだよ」


 と、小さく笑って言ってくれた。

 照れながら、小さく笑う真之介の隣…コレだけで満足しそうになるけど、海外旅行で目一杯楽しもう!!

 そう思ってたのに、あたしが悪かったのかな…

 そんな事を考えていたら、真之介が話しかけてきた。


「小夜」


「うん?」


「自分を責めないでくれ」


「うん、ありがと…」


 優しすぎるよと思って泣きそうになっていると…


『お主らは死ぬべき時に死んでおらんらしくてのぅ。死ぬ時期が、ズレてしまった上に何故か北欧方面の此処『アースガルズ』に来てしもうた。此処に来た原因は不明で、更にお主らが死んだ事も東洋方面の者曰く、予定に無いのに何で死ぬの?と言うておる』


 その言葉を聞いた時、あたしのナニカガコワレタ…


side 小夜 out




side オーディン


 む、何か空気がおかしくなってきたのぅ。

 うん?真之介の様子と表情もおかしくなってきたのぅ。

 涙目ではないか?!どうしたと…

 そして、横で座って此方を見ていた小夜から滲み出ている、怒りをぶつけられるのだった…


side オーディン out

 次でプロローグを終わらせます。

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