0日目と1日目の違和感・異変の解説
<初めに>
さて。あなたは気づいてしまっただろうか。
「悪役令嬢は、何日生きられる?」というタイトルを見た時点で、すでに本作は"普通の悪役令嬢もの"から大きく外れていることに。
だって考えてみてほしい。
「生きられる日数」をカウントされている時点で、これはもはや華やかな社交界を楽しむでも、公爵様に溺愛されるような物語でもない。
むしろ一番信頼していた執事によっていつ殺されるか分からないという恐怖を感じながらお茶を飲むような話なのだ。
そんな不気味な空気の中で始まる「0日目」。
この時点では、まだ何も起きていないように思える。
しかし、本当にそうだろうか。
よくよく読み返してみると、既に登場人物たちの言動や状況には「異変」や「違和感」が見え隠れしている。
そしてその「異変」や「違和感」はもしかしたら伏線になるのかも、しれない。
表面上は典型的な悪役令嬢の日常のはずなのに、気をつけて観察すると、妙な矛盾や不可解な現象が積み重なっているのだ。
ここから解説していくのは、「0日目」と「1日目」に潜む違和感や異変の正体である。
ただし注意してほしい。
一度それに気づいてしまうと、もう貴方は二度と無邪気に物語を楽しむ読者には戻れないかもしれない。
さあ、準備はできただろうか?
これから「0日目」と「1日目」に潜む“おかしな影”を、順番に暴いていこう。
それはあなたが思っている以上に身近で、そして.......背筋をじわりと冷たくさせるものかもしれない。
それと、ここからは0日目と1日目のネタバレを含むため.......最初(初めに)から最新話(1日目終了)までを読むのを推奨するよ。読み終わっていたら下へスクロールしてくれ。
この先(本当に)ネタバレ注意!!
0日目 ― 全ての始まり
◇ ◇ ◇
彼女は両手で紅茶が入ったカップを持ち、私の前に静かに紅茶を置いた。
紅茶は湯気が漂っている。
「恐れ入ります。」
リーユリは優雅にお辞儀をする。
私はカップの取っ手に指をかけてはそっと唇に近づけ、一口含んだ。
ッッあっつ!!!
思わず口から湯気が漏れた。
舌がひりっとする。
取っ手に指をかけた時から薄々は気づいていたけどこんなに熱いとは.....
(本文引用)
◇ ◇ ◇
さあ、ここで最初の「異変」や「違和感」に注目してみよう。
リーユリが持ってきた紅茶を両手でカップを包み込み、優雅に置いた場面だ。
ぱっと見は何の変哲もないティータイムの光景に思える。
まず最初に指摘したいのは、紅茶の温度である。
主人公が口をつけた瞬間に「ッッあっつ!!!」と心の中で思う程の温度だった。
つまりそれは、「淹れたてで、まともに触れないほどの熱さ」であるはずだ。
........にもかかわらず。
リーユリはその紅茶を両手で持ってきたのである。
持ち手(取っ手)を避け、あえて熱が直に伝わる部分を、掌で包むように。
ここで生じるのが大きな違和感だ。
普通の人間ならば、淹れたての紅茶をカップの側面ごと両手で持ち上げれば、「アチチッ!」と指を離してしまうはず。
けれど、リーユリは涼しい顔で優雅に運んできた。
まるで熱さなんて存在しないかのように。
ちなみに、湯気が出る温度は一般的に100℃以上とされ、火傷する温度は一般的に65℃くらいで火傷するらしい。
1日目#1 ― 即死級の毒よりかはマシな気が。
◇ ◇ ◇
私はカップを持ち上げると、その水面に写る自分の顔を見た。
そしてそのままカップを床に投げつける。
ガシャン、と割れる音が部屋に響き渡った。
残っているのは破片。
(本文引用)
◇ ◇ ◇
........一見すると、ただの衝動的な行動。
むしろ「アザミ―ルが情緒不安定なのか」と思うシーンかもしれない。
だが、よく考えてほしい。
ここには明らかにおかしな点が潜んでいる。
最大の違和感は、割れたカップから紅茶が一滴も描写されていないことだ。一口も飲んでいないはずなのに。
現実であれば、カップを床に叩きつければ、紅茶が床に広がり、絨毯や床板を汚すはず。
破片よりも先に「びしゃっ」と熱い液体が飛び散るのが自然だ。
けれど、本文では「破片だけが残った」とある。
紅茶はどこにいったのか?
最初から存在しなかったのか?
それとも、彼女が床に叩きつける瞬間、液体ごと"消えて"しまったのか?
この時点で紅茶はただの飲み物ではなく、存在するはずなのに存在しない存在だと分かる。
次に注目すべきは、「カップの紅茶の水面に自分の顔を見た」という描写だ。
普通に考えれば、カップの紅茶の表面は小さく、鏡のようにくっきりと顔全体を映すことは難しい。
せいぜいぼんやりと、目や鼻の一部がゆらめく程度だろう。
なのに「自分の顔を見た」と明確に表現されている。
まるでカップの中の紅茶がただの液体ではなく、鏡のように彼女を映す何かであったかのように思える。
それを"確認した途端に投げ捨てた"という行動は、彼女が自分の存在そのものに違和感を覚えた、あるいは"見てはいけないものを見てしまった"ことを暗示しているようにも分かるだろう。
1日目#2 ー アル中幼女というパワーワード。
◇ ◇ ◇
玉座の足元には、羊皮紙の束、魔導書、巻物、そして空のポーション瓶がごろごろ転がっている。
(本文引用)
◇ ◇ ◇
ラルコールは深く息をつき、玉座の足元に転がっている瓶を一本手に取り、一口飲んでから、
「破滅かもしれない。」
静かに言った。
(本文引用)
◇ ◇ ◇
ラルコールは深く息をつき、玉座の足元に転がっている瓶を一本手に取り......一口飲んだ。
だが、その描写を見返してほしい。
玉座の足元に転がっているのは「羊皮紙の束」「魔導書」「巻物」。
そして空のポーション瓶なのだ。
つまり彼女が手に取った瓶は、最初から中身のない空っぽ。
にもかかわらず、ラルコールは「一口飲んだ」。
瓶を傾けて「んぐっ」と飲む仕草をしたが、中には空気しかない。
しかし彼女ははまるで中身があったかのように振る舞っているのだ。
そしてホラー寄りに読むなら、瓶は「空」ではなく「人間(であるアザミ―ル)には見えない液体」で満ちている可能性があるが......?
そう、0日目にあった紅茶の熱さのように___
1日目#3 ー 【悲報】解雇=無理
◇ ◇ ◇
「しかし、お嬢様が"一度私を殺した。その日から、我が身の選択を強いられることになったのはご存知ですよね。主従の枠を超えた出来事は両者の地位すらも変える.....。お嬢様はきっと解雇したくても私達を解雇できませんし、殺せません。」
◇ ◇ ◇
ここでのセリフは一見すると、ただの従者の忠告や皮肉のように見える。
しかし前半に注目すると、語り手は 「一度私を殺した」 と明確に"単数"で自分を指している。
ところが、後半になると突然 「私達」 という"複数"の存在に変わっている。
普通なら「私を解雇できません」と言えばいいはずなのに、なぜか人数が増えているのだ。
さらに引っかかるのは「解雇」という表現だ。
本来なら「契約を切る」「縁を切る」といった表現になるはずだが、彼らは頑なに「解雇」と言う。
しかし「私達」と複数形に変わった瞬間、この一文の解釈が恐ろしく広がる。
だから「私」だけでなく「私達」なのだ。
つまり、この一言で彼らが"群体"や"集合体"であることが暗示されている。
<後書き>
この作品を読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます。
明日もこの時間帯に投稿します。
本文の中にはよくよく考えると「あれ……?おかしいぞ」と思える描写や、意味が分かると背筋がぞわっとするような異変・違和感を意図的に散りばめています。
尚、注意点として、この本文で指摘した「違和感(異変)」はあくまで文章表現や描写上の仕掛けとしての話です。
もし誤字や脱字など文章的なミスに気付いた場合は、必ず誤字脱字報告の欄に記入してください。
(ただし、対応できない場合があります。)
感想の欄には、このような解説や細かい指摘は載せないようにしてください。
(ネタバレ防止の為)
更に、ここの「異変(違和感)」の部分の文章はこんな感じにした方がいいと思う、ここもある意味異変出来てるんだけど.....等の事があれば、必ず誤字脱字報告の欄に書き込んでください。
(ただし、対応できない場合があります。)
こちらも感想欄には載せないでください。
これからも執筆頑張りますので、続きを楽しみにしていてください!!!




