2日目①
「知らない天井だ」
目を覚ました時に最初に言いたいセリフNo.1
昨日、娼館を出禁になって帰ってきた俺はシルクから鍵を受け取りそのまま眠りについた。
娼館は本当に綺麗どころが集まっていた。
テンションが上がった直近のこともあり、俺はシルクに似た可愛い女の子を指名して欲望の捌け口にしてしまった。
その結果、出禁。
女の子を失神させてしまい、支配人からはとても怒られてしまった。
娼館は数多くあるため困らないが彼女には申し訳ないことをしてしまった。
反省して次は自重する努力をしよう。
「ジーク起きてるかい?」
「ああ」
「そろそろ集まろうと思うんだ、僕は寝坊の達人のメリッサを起こしてくるから少し遅れていくよ」
「わかった、先に行っているよ」
俺は着替えて酒場に向かった。
椅子にちょこんと座ったシルクと目が合う。
少しだけきまずい。
「…おはよう」
「おはよう、昨日はありがとう」
「…別にいい」
鍵を預かってもらっていたことに感謝を伝える。
昨日のことには触れないように…
「ジークは格好いい」
「あ、ありがとう?」
「ジークは頭がいい」
「えっと…どうした?」
シルクはむすっとした顔で俺を見ている。
「…女の子に言わせるのは良くない」
「シルクの言いたいことはわかってる、でも昨日命をかけた戦闘をした直後だ、その緊張感やドキドキを恋と勘違いしているってことも考えられるだろ?」
「それはない、断言できる、私はジークに恋をしている、嘘じゃない」
シルクの嘘を見破る力は自分にも適用できると言うことか、はたまた恋は盲目状態か、わからない。
「だとしても、パーティ内で恋愛をすると不和が生まれる可能性があるだろ?だからその気持ちは閉まっておいた方がいい」
「じゃあこっちにも考えがある」
シルクはそう言うとホットミルクを注文して飲み始めた。
宣戦布告をされた気分だ。
はやく2人降りてこないかなぁ…
俺もホットミルクを飲んで温まっていると2人が降りてきた。
「お待たせ」
「うー眠いー」
「…メリッサ、遅い」
「だって昨日疲れたんだもん!仕方ないじゃん!」
ぶーぶー言いながらメリッサは机に顎を乗せる。
成人しているのにシルクもメリッサも子供っぽい所が目立つのは何故だろう。
「ジーク、今日の探索のプランを話してくれないか?」
「その前に少し長くなるけど1000年前の話をする必要がある、それを元にプランを立てるからね。」