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第82話 ――――――――オ!

 いくら浮力が弱まり痺れがあろうと(めぐり)を操作する思考は残っている。

 黒い剣を光の剣で撃ち落とし――黒い剣が黒い水に変化した。

 違う形にもなれるのか!

 黒い水はオレを包み込み捕縛する。

 まずい吞み込んだらどんな影響があるか分からないから口は開けない。

 汗や鼻や耳の穴もなんとか防御の幕を張って侵入を拒絶する。

 だが呼吸できないままだといずれ死ぬ。それは冗談ではない。

 ならば。

 ジョーカー・綺羅(きら)、起動。

 海豚(イルカ)座の力を借り受けて黒い水を泳ぎ脱出した。


「獅子座!」


 脱出直後に獅子座の炎で黒い水の蒸発を試みる。成功。黒い水は消え――たが蒸気が集合、再び人の形をとった。ただし数は一体だ。


「?」


 おかしい。人の形の時、口はなかった。が今度はある。

 がぱっと開かれる口が。

 そして浮いていたいくつかのキューブが集まり小さくなって開かれた口の前で組み合わさる。


「―――――――――――――――――――――――――――――――――――――オ!」

「!」


世界の患い(ワールドエネミー)】が吠えた。これに合わせて集合したキューブが誘爆。吠えた音の流れに沿って爆発の威力だけがオレに向かって来る。


「楯座!」


 楯座で光の盾を作り、内側に腰の盾を配置。二重の盾でやりすご――! 光の盾が割れた。爆発の威力でではない。その中を通って接近してきた【世界の患い(ワールドエネミー)】の殴打によって。

 続いて【世界の患い(ワールドエネミー)】は内側の盾も破壊しようとする。が、オレは盾をあえて開き、殴打を空振りさせてから【世界の患い(ワールドエネミー)】の背後で再び腰の盾を展開。そいつで黒い首を斬り落とそうとする。同時に巡を自分の手に集めて光の刀剣を形成。前から黒い首を狙って刺突した。

 前と後ろから圧力を受けた黒い首は斬り落とされて。

 地へと落ちていく首と胴体。バウンドする首と胴体。の、顔に一つの目が開いた。


「あいつ!」


 わざと首を切り離したか!

 開かれた目から光の線が放たれた。細い糸のような光線だ。オレはそいつを腰の盾で防ぎ――盾から起動中を示す光が消えた。浮力すら失って落ちていく盾。

 無効化された?

 その時背後に気配。前にも気配。上にも気配。

 眼球の形をとった無数の【世界の患い(ワールドエネミー)】に囲まれる。

 囲まれて、それでも目から放たれる光線を楯座でガード。しかし光の盾も全てが消えて。


「この!」


 浮遊を操作してでき得る限りの光線をやり過ごすが左腕を貫かれてしまう。

 痛みはなし。血も出ない。ただ。【世界の患い(ワールドエネミー)】の怒気が流れ込んできた。

 強烈な感情の渦。そいつに圧されて左腕が抵抗の意志を失った。

 無効化じゃない。心で心を無力化するのか!

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