第54話 たすけて
がっつり系
たこ焼き
焼きそば
お好み焼き
イカ焼き
焼きとうもろこし
お菓子系
かき氷
ラムネ
フルーツ飴
綿あめ
チョコバナナ
遊び系
射的
輪投げ
金魚すくい
ヨーヨー釣り
ダーツ
などなど。
燦覇の興味を中心にオレとウェディンも食べたいもの飲みたいもの遊びたいものを満喫。
太鼓に合わせた盆踊りにも三人で参加し、時刻は十九時五十五分。
「ウェディン、燦覇。
校舎の屋上に行こう。花火が良く見えるよ」
「入れるの?」
「ああ。今日だけ生徒以外にも解放されているんだ。
皆もそろそろ移動する頃だと思う」
「そうなの。じゃあ急がないと」
「どこ行くの?」
「この建物の一番上だよ、燦覇」
一番上と聞いて目を輝かせる頭にお面をつけた燦覇。男の子が好みそうな変身ヒーローもののお面だ。燦覇が一目惚れした変身ヒーロー、ちょっと意外。
「夜の学校ってなんとなく心躍るわね」
校舎に入った。
中はお祭りの雰囲気を邪魔しないよう最低限の照明しか点いておらず、ちょっと怖く、ちょっと楽しい。
「人体模型がね、そこの理科室にあるんだよ」
「や、やめてよ涙覇」
階段を昇る。
「夜中の三時になると一段増えるんだよ。それを踏むとあの世に招かれて――」
屋上へのドアに着いた。
もう全開にされていて、やはり何人かはすでに屋上にいた。
けどスペースは意外なほどに空いていた。多くの人がギリギリまでお祭りを楽しんでいるのと校庭からでも良いやと思っているからだろう。
オレたちはドアの上にあるもう一つ高めの場所に昇って座り込む。
時間だ。
「わお」
花火の音を聞いて燦覇は思わず耳を塞ぐ。
この音、これは花火の球が爆発する音――を再現したものだ。
昨今の花火の多くは安全を考えられて殆どがバーチャルになっている。
そのおかげで事故は減ったしこれまでではありえない形・色の花火が可能になった。
が、火薬の匂いを好む人や昔を懐かしむ人たちもいて、火薬式も生き残っている。今回の花火大会では全てバーチャルだが。
だがそれでも。
「綺麗ね、涙覇」
「ああ」
火薬式であれバーチャルであれ、人を魅了する花火。
ずっと昔に開発されて歴史の中で発展と進化して来た花火は形を変えても人を酔わす。
その中でオレは、なんとなくウェディンに目を向けていた。
花火は勿論綺麗だ。が、それに見惚れるウェディンに見惚れてしまう。
ふとウェディンの目がオレに向いた。
交差する二人の視線。
自然と二人の顔が近づいて――燦覇の頭の上で唇が触れあった。
「どーん!」
と、音に合わせて両腕を上げる燦覇。
慌てて離れるオレとウェディン。
苦笑して、笑いあう。
ちょっとした恥ずかしさを感じながら。
「また、来年も来よう」
「ええ。絶対に」
た
す
け
て
「「「――⁉」」」