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第47話 幽霊さんについてです!

第二章スタートです!

よろしくお願いいたしますヾ(๑╹ヮ╹๑)ノ”

出来れば評価、お願いします。


「……」

「……」


 二〇三〇年。

 人にあらゆるコンピュータ機構を付与するフォトンコンピュータ【(はたがしら)】が世を席巻する時代。

 例え世界にコンピュータウィルス殲滅システム【治す世界(クラーツィ・モンド)】が歪められた状態で放たれようとも、空が日の光を通すスタートレイル状態になろうとも夜は誰にでも平等にやってくる。

 今宵もそう。

 オレ――天嬢(てんじょう) 涙覇(るいは)は“その子”からそっと目をそらして時計を見やる。

 視界の中に表示されているバーチャル数字は十八時十五分を示していて。一応自室にも時計は飾ってある。壁掛けで、金色の星型。ただこれ、針がついてはいるけれどぶっちゃけ時計としては殆ど機能していないオーナメントのような時計であった。オーナメント、飾り。詳しい時刻が読めないからオレはもっぱら【(はたがしら)】による時計表示の方を利用している。

 いや、それは良いのだ。

 良くないのはもうすぐ盆のお祭りプラス花火大会が始まってしまうと言う事。

 恋人であるウェディンとの待ち合わせは近くの展望台に十八時三十分。お祭りはすでに始まっていて花火大会の開始は二十時。場所は小学校の校庭。オレが通った小学校であり卒業した小学校だ。今日想い出が一つ増える。

 出かける前に紺色の浴衣に着替えを終えて――着替えと言ってもナノマシン衣料【羽衣(シール)】を変化させるだけだが――メールのチェックをしていたオレだが、今はその手を止めている。

 だって鼻歌が聞こえてきたから。

 メロディに聞き覚えはなかった。牧歌的に聴こえたが多分偶然だろう。凄く拙かったから。おまけに途中童謡みたいになったりもしてたし。

 いや、メロディについても良いのだ。特にどんな内容でも問題ないだろう。


「……流してない」


 オレは、きちんと確認をした。

 現状には問題があった。オレが音楽を流していないと言う点。着信があるのでもないし【(はたがしら)】で点けているテレビの中身は夕方のニュース。鼻歌を奏でる出演者もいなければBGMとして流れてもいない。

 では外からだろうか? あり得ない。この部屋は防音だ。と思いつつ確認しようとスモーク状態の窓を開けてしまったのが二分前。そしてそれが運の尽き。


「……」

「……」


 オレとその子の目はバッチリと重なって。

 固まる二人。そうしてオレは目をそらして時計を確認したのだ。現実逃避を開始したと言っても良い。

 窓を閉める。

 しまったな、まずは窓の防音を切るなりスモークを解除するなりして外を確認すべきだった。

 迂闊に開けてしまったものだから、関わってしまったものだからもう逃げられそうになかった。

 とは言え。


「いやあ、ない」


 窓にこつんと額を当てると少し冷たかった。冷房効いているからね、部屋。

 頭は冷えている。冷静、だと思う。体調だって問題ない。精神面もだ。


「あんな話、ただニュースの時間が空いていたからで――」

『続きましては今世間を賑わせている小ニュース!』


 びくんと体が揺れた。テレビから流れる女性の声がテンション高めだったからびっくりしてしまったのだ。恥ずかしい。


『【治す世界(クラーツィ・モンド)】に関する事件が多い昨今、埋もれてしまいそうな面白ニュースをご紹介するコーナーです。

 今日はこれ!

 幽霊さんについてです!』

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