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こっそり、隠れるようにしながら屋敷を出たから見失ったと思ったが森に入った子供の足取りは遅く、すぐに追いつくことができた。


森は鬱蒼として、薄暗いのに子供はどんどん進んで行く。


よく見ると子供は、男の子でなんか周りに青い光る玉が数個浮いている。


「ちょっと!子供が1人で森に入ったら危ないじゃないの!」

大きな声で話しかけるが、こちらを全く見ずに進み続ける。

「待ちなさいよ!聞いてるの!?」

ユリアは、少年の腕を掴んだ。

すると、少年の歩みは止まったので腕を掴んだまま顔を見た。


ユリアは、驚いた。

なぜなら少年は目を瞑っており、どうやら眠っているようなのだ。

腕を掴んだまま唖然としていると少年の周りに浮かんでいた青い光る玉がブルブルと震え出した。


「えっ!何!?」


青い玉から、水が出てきて少年を掴んでいるユリアの手に纏わりついた。

どうやら、手を剥がそうとしているようだ。


「何するのよ!やめなさいよ!」

青い玉に怒鳴った。

しかし、水は量を増やし引き剥がす力をどんどん強くしていっている。

何が起こっているか、よくわからないユリアであるが、この手を離して少年を見送ってはいけないことぐらい何となくわかる。


必死に水を剥がそうと腕を振っていると、水がユリアの全身にまとわりついた。


息ができない!でも、この手を離してはいけない!

必死に掴んでいたが、限界が近く意識が朦朧としてきた。



『手伝ってやろうか?』



楽しそうな、揶揄うような声が聞こえてきたと思ったら、身体の内側から何かが弾けるような感覚がした。



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