表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

幻想奇譚

飴細工

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

平和が一番です!!(寒いの駄目な人)

――本日は十年に一度の寒波、という事で皆様お気おつけてお過ごし下さい。

テレビのキャスターの方々が真面目なお顔でお辞儀しているのを見て、私は神妙に窓の外を眺めました。外は清々しいばかりの快晴。何時もなら綿菓子を横に伸ばした様な雲が浮いているのですが、本日はそんなことも無く、平和な日常が広がっております。

今回は冬を忘れて過ごして来た私に、それを気付かせてくれた話。冷たくて綺麗なものの話。


私はとある下町を散歩しておりました。大通りから外れた小道、所謂、路地裏と呼ばれるこの場所。お日様の光から外れた、ほんのり薄暗い光が差し込む場所です。例え大通りにカンカン照りの夏の日差しが差し込んでいても、この場所はしっとりと水を含み、日陰を作っております。

雰囲気的には森林の中に近いかも知れません。薄暗くて、涼しくて、でもとても居心地が良い。私はそこのぽつんと置かれた壺を真上からじっと眺めておりました。中には水で満たされており、金魚が二匹程浮いております。余り激しく泳ぎ回る様な真似は致しません。ただ何かを考える様に、立ち止まっております。もしかしたら無機質の世界観なのかも知れません。

家の中で鑑賞するのも大変風情があって大好きです。しかし、こうして裏道に無造作に置かれたものも、世界観を構築するのに一役買っていて、同じくらい大好きです。

暫くじっとそうして眺めていると、ある事に気が付きました。金魚ばかりに目が行っておりましたが、縁の周りを囲う様に氷が張っております。水中に向かって、根を伸ばしておりました。

ふと思い返すのは、冬場に外に出していた花立の事。花を取り出した歳に、茎に飴細工を着させた様に水面が巻き付いていた事。それが余りにも綺麗で、思わず手を伸ばしたら、儚い音を立てて割れてしまった事。その脆くも美しい世界が、この壺の中にも広がっているのです。

暫く見惚れていたのも束の間。私を現実に戻して下さったのは、やはり金魚でした。驚いた様に尾鰭を揺らして方向転換すると、より下の方へと潜って行きました。

――十年に一度の寒波です。

あの言葉に嘘偽りはありませんでした。全てを凍らせる、無機質な雪。冬はとうに訪れております。

皆様如何お過ごしでしょうか。

近辺では大変な事になっておりますが、私の周りでは幸いにも、平和な日々が続いております。

無事帰れて有難い……!!


そんな私が『冬来たんだなぁ』と思って書かせて戴きました。

花瓶の周りに着いた氷。飴細工みたいで綺麗でした。

冬の訪れを感じます。


追伸

無機質な雪

という言葉は、カードゲームのフレーバーテキストから影響を受けて。世界観大好きなんですよ。

白と機械、そして寒冷地。余りにも無機質。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ