重圧
私の身体には、とてつもない重圧がかかっている。
皆から期待される私。
皆から凄いと言われる私。
皆から頼りにしていると言われる私。
皆から流石だねと言われる私。
皆からお前ならできると言われる私。
私はそんに凄くないのに。私は皆と普通に過ごしたいだけなのに。
でも、皆は私に期待をするから。
期待に応えると皆が笑ってくれるから。
だから、私は自分の気持ちを押し殺して皆の期待に応えられるようにしてきた。
笑顔を振りまいてきた。きっとそれが正しいと信じていた。
だけど、そのうち気付いたことがある。
私は誰だった? 本当の私は何が好きだった?
本当の私は何が嫌いだった?
私がしたかったことは何だった?
もう、分からない。
皆は言うんだ。
今日はご機嫌だね。
今日は嬉しそうだね。
何かいいことあったの?
あなたの好きにすればいい。
あなたがやりたいようにやればいい。
人の気持ちを知ったみたいに、皆は口を揃えてそんなことを言うんだ。
どうして? 私はこんなにも苦しいのに。
どうして? 私はこんなにも痛いのに。
どうして? 私はこんなにも私のことが分からないのに。
どうしてそんなことを平気で言えるの?
どうしてそんな棘のある言葉を言うことができるの?
どうしてそんなナイフで、私を滅多刺しにするの?
あなたは私の何を知っているというの?
私は私を見つけられない。
私は私を理解できない。
私は私がどこにいるのか分からない。
どこなの? 私は一体、どこにいるの?
きっと、私は間違っていたんだ。
皆の為と言ってやっていたことは、私を殺すことだった。
皆が私の為と言って勧めるものは、私を殺すものだった。
私のせいだ。私がもっと、自分を強く持っていればこんなことにはならなかった。
私のせいだ。私が皆にもっと反発する勇気があれば、こんなことにはならなかった。
でも、もう時が戻ることはない。
私はこの暗闇を永遠に彷徨うことになるだろう。
自分が犯した罪によって、今はその罰を受けているんだ。
なら、一体誰が許しを与えてくれると言うのだろうか?
一体誰の許しをもって、私を見つけ出すことができるのだろうか?
いや、例え許されたとしても見つけることはできないかもしれない。
何故なら、私が探している私は、色々な重圧によって押し殺されたに違いないからだ。
こんな暗闇のなかじゃ、死体を見つけることもできないだろう。
なら、ここから永遠に出ることは適わないのだろうか?
誰か教えて欲しい。
どうしたら、私を見つけることができますか?
私は一体、どこにいるのですか?
私は何を以て、それを私と認識できるのですか?
このままではどの道、私も終わりだ。
自分を見つけられない重圧によって、私自身も潰されて、やがて消えていくのだろうから。
そうしたら、例え生きていたとしても、それは生きているとは言えない。
重圧によって、何を失ったのかも分からない、生きた屍になるのだろうから。
読んでいただき、ありがとうございました。短編集はこれからも少しずつ出していくので、よければ読んで下さい。




