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はじまり


 思えばここから私の看護師人生は大きく変わった。

 34週で生まれた1300gちょっとのかわいい女の子だった。

 34週にしては小さい赤ちゃんでお母さんのお腹の中で赤ちゃんが苦しいサインを出したので、

 帝王切開で生まれた。その赤ちゃんは顎が小さく、耳が低い位置にあり、動脈管開存症、指の重なり、揺 り椅子上の足底という特徴があった。先輩看護師がその赤ちゃんを一目見て「18だね」と言った。

 私も何度か見たことがあるその姿は18トリソミーの特徴を表していた。


 18トリソミーとは18番目の染色体が3本になっている先天性の病気であり、エドワーズ症候群ともいわれ る。

 3500~8000人に一人の割合とされ、94%の赤ちゃんが自然流産という運命にある。

 生まれてくることができるのは6%の赤ちゃん。奇跡の赤ちゃんである。

 先天性の異常のため治癒するような治療もなく、1歳の誕生日を迎えることができるのは10%未満。


 その女の子は私たちの中で「天ちゃん」と呼ばれるようになった。


 まだ名前がついていない赤ちゃん。でも先輩が「名前が付くまでこの子は天使の天ちゃん」とその子を天 ちゃんと呼ぶようになったことがきっかけである。

 天使の天ちゃんは動脈管開存症という心臓の病気も抱えており、病院で点滴の治療が行われた。

 

 私は天ちゃんの担当看護師になり、張り切っていた。18トリソミーを担当するのは初めてであり、もう私 だって見れるんだということを一人前の看護師と認められた気がして嬉しかった。


 18トリソミーの子は短命であるが本当にかわいらしく家族にはいつも笑顔を届けていた。

 はじめは戸惑うかもしれない。でも早く天ちゃんをお母さんに会わせてあげたかった。


 でも5日経ってもお母さんは天ちゃんのものには来なかった。


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