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髑髏騎士と勇者  作者: 灰色人生
第1章 召喚されし者達
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試練の迷宮

 

 7


 試練の迷宮



 ▼▼▼▼▼


 昨日班の編成と挑む順番が発表された。



 班編成は35人を6つの班の5人編成に分けた。



 運良くと言うかバレクは仲の良さそうなメンバーを中心に班編成をしてくれた様だ。


 僕の班は修二に沙耶、美夏、伶奈と我がクラスいや学校のトップ10入りする美少女3人が居て他の男子から羨ましがられている。



 光山の所は彼以外に女生徒だけに加えて何故かこの国の王女も加わった6人編成だ。


 これにはバレクも渋い顔をして何やら苦言を申して居たが王命で渋々従った。


 王女曰く



 もちろん何処かの班が極端に弱くならない様に編成してくれたのだろうが、何処かで横入りが入り魔物使いの西(西(にし) 幸司(こうじ))くんの班は能力値が平均より下な者が中心に集められて居た。



 発表する時バレクの顔が少し悔しそうにして居た事から彼の意思ではなさそうだ。



 魔物はこの世界で忌避される存在なのでそれを使役出来る能力を持つ西くんはこの国の上層部に疎まれているのだろう。



 かく言う僕の能力も西くんと似た様な物だ。


 召喚獣は魔物とは違うと言う事から忌避はされて居ないが僕的には似たり寄ったりな感じがする。



 そして西くんの班は何方かと言うとあまり戦いには向かなそうな能力の者達が集められている。


 そうすると合山先生もと思ったが錬金術士はポーションの作成や魔道具作りと多岐に渡り活躍する職業との事で普通の班編成だ。



 一日目は皆自分達ならやれるだろうと意気揚々と挑戦したが結果は散々だった。


 訓練では魔物を相手にしたが、あれは予め騎士達がある程度弱らせていた事で何とか倒せていたが、迷宮の魔物は弱って居らず此方を殺そうと憎悪の篭った目で襲い掛かってくる。



 魔物の強さと言うより皆初めて自分を殺そうとして襲い掛かってくる事に慣れて居らず精神的な消耗が激しかった。



 二日目はバレクが休養日にしてくれて、皆を集めて叱咤激励などをして心のケアを行ってくれた。

 そのおかげで何とか皆立ち直れて次の日は問題なく試練の迷宮に挑戦した。



 その後数日間皆眼を見張る様な成長を遂げて行き全員での挑戦をすると更に快進撃の速度は上がり上層と定義付けられている1〜30階層の25階層目に僅か数日で辿り着いた。


 ☆


 1〜30階層 ・上層


 31〜50階層・中層


 51階層〜65階層・下層


 66階層〜・深層


 と言う感じに定義付けられている。



 ☆



 10階層、20階層目の門番は皆で力を合わせて難なく突破出来たのも大きいのだろう。


 初めに挑戦した時よりも顔は明るく自信に満ち溢れて居た。


 それを佐脇と合山の2人はこのままでは危ないのでは?とバレクに相談してバレクも「そうですね。30階層目を区切りに魔物の強さや狡猾さも増しますし何より罠の中に即死性のある物が含まれますのでここらで一度気を引き締め直さなければ危ないですね」と2人の意見に同意する。





 ▼▼▼▼▼



 大人達の心配をよそに生徒達はまるでゲームの主人公に自分達がなった様な高揚感を感じて居た。



「修二!防いでくれ!」


「任せろ!」


 渉の指示で修二は迫り来る体長3m物ファングボアの突進を盾を構えて防ぐ。


 修二は自身のアビリティである鉄壁と守護者の効果を発動させ鋼の様に肉体は硬く強くなり肌の色も薄っすらと銀色になりファングボアの突進を後ろに逸らす事なく受け止める。



 修二が受け止めたのと同じタイミングで伶奈が走り出しファングボアの右足を斬り捨てる。



 一瞬の交差でファングボアは右足を斬られて自身の体重を支え切れずに横に倒れる。



 其処に詠唱を済ませた沙耶が特大の火球を叩き込み跡形もなく灰にする。



 残ったのは火の跡とドロップされた魔石と素材だけだ。



 この現象は迷宮だけで迷宮の外で魔物を倒しても魔物は消えずに其処に残り自身で解体をしなければならない。



 迷宮では倒されると魔石と素材が自動でドロップされるが、素材はランダムで何が欲しい物が残るかは運次第だ。



「ふぅ。皆お疲れ様」と渉は言い周辺の警戒をさせて居た【小さな雷鳥】(リトル・ターミガン)のコンを呼び戻す。



 呼ばれたコンは渉の肩に止まり羽を休ませる。



「皆さん怪我はありませんか?」と後方に控えていた美夏が尋ねる。



「俺は大丈夫だぜ!人一倍頑丈なのが取り柄だしよ」と笑って自身の無事を告げる修二に冷静に「大丈夫よ美夏。ありがとう」と告げる伶奈。



 そしてもう1人後方から援護してトドメを刺した沙耶もやって来て「見た見た〜私の特大火球」と機嫌良さげに話しかけてくる沙耶。



「ああ、あれは凄えよな。マジでデカかったぜ」と体で大きさを表現する修二。


「確かに大きかったわね」


「うん。あれには僕も驚いたよ」


「そうですぅ。大きかったです」


 皆がそう告げると沙耶は自信満々に「でしょ!でしょ!あの大きさの火球を練り上げるのには少し工夫が必要でね。その工夫に思い至るまでが大変だったのよ」と上機嫌に話す沙耶に僕達は相槌を打ちながらも周りを油断なく警戒する。


 現在は班ごとによる迷宮での活動日だ。


 チームワークとレベル上げが主な目的で現在は18階層で訓練をしている。


 光山などの他にも高ステータスだった者達はもっと下の階層の21階層辺りで訓練しているが僕達は安全を期してこの18階層で訓練している。


 そして明日は全体での30階層到達が目的だ。



 その後はバレクさんによると危険度が跳ね上がるので一旦引き上げてもう一度基礎から勉強をし直すそうだ。


 これには何人か不満を述べて居たが僕的には賛成だ。



 油断が命取りと言う様に此処では命のやり取りをしているのだから当然だと判断出来る。




「そろそろ今日の訓練は切り上げよう。まだ疲れなどは大丈夫だと思うけど明日は30階層を目指すのだから体調は万全にしときたいしね」と僕が意見を述べると他のみんなも賛同してくれて地上へと戻る。



 一応騎士の人達も付いて来てくれるが基本的には手出しはせずに危ない時に助けてくれるだけでバレクさんも頼らない様に言われている。





 この世界に来てから数日で訓練と迷宮での実戦で僕達3年5組のメンバーは大体がレベル15〜17辺りに上がった。



 本来ならこのレベルではまだ13階層辺りが主流なのに対して僕達のステータスは高いおかげもあり25階層まで僅かに数日で攻略が出来ている。


 そしてその攻略から数週間バレクの提案で20階層から23階層を中心に活動して更にレベルが上がり全員がレベル30以上になったので漸くバレクの許可も下りて明日30階層到達を目指す。




 ▼▼▼▼▼


 -迷宮前の広場-


「皆用意はいいか!これより30階層を目指して試練の迷宮に挑戦する!これまで以上に魔物の数や強さは上がっているだろうから気を引き締めて油断せぬ様に心掛けてくれ!」そう言って言葉を切った後に皆を見渡してから「よし!では行くぞ!」とバレクを先頭に試練の迷宮へと入って行く。



 転移結晶が鎮座している場所に行きその中の空いている転移結晶の方へと進み班ごとに順番に転移結晶に触れ転移して行く。



 問題なく25階層に転移した後は全員が揃うまでその場で待機だ。



 転移結晶の周りは安全地帯(セーフティゾーン)になって居り魔物は近寄って来ない。


 その為テントなどを建てて野営しながら次の階層の入り口を探す冒険者や、その冒険者を目当てにやって来た商売魂逞しい商人が少数だが居たりする。



 それを横目に見ながら一、二分待つと全員が揃ったので攻略に取り掛かる。


 快進撃を続けているこの集団(更に騎士も付いている)に好奇の視線なども集まるがそれを無視して進む。



 その後は特筆すべき事も無く問題なく攻略して行き30階層目に到達した時。生徒の1人が隠し通路を発見した。



 もしかしたらお宝があるかもと皆で相談し(バレクと先生達大人組は反対した)多数決の結果入って見ることにした。



 バレクが先頭に立ち万全の状態で一本道の横道を奥へと進むと広場に出た。



 そして広場の中心には宝箱が置かれて居り不用意に生徒の1人が手を掛け宝箱の蓋を開けると床一面に魔法陣の輝きが灯り、罠だと悟ったが時既に遅く輝きが一層増して目を開けておられず目を瞑ると、一瞬の浮遊感を感じて目を開けると見た事もない場所へと転移して居た。



「くそ!まさか強制転移の罠があの階層にあるとは!」とバレクが憤り「総員警戒しろ!此処がどの階層か不明だ!転移結晶を探して一旦この階層から脱出するぞ!」と指示を出し部下の騎士達は素早く防御陣を築き辺りを警戒する。




 すると音が聞こえて来てそれが段々と此方に近付いて来る。



 3年5組も皆も武器を手に取り辺りを警戒してると‘‘ソレ,,はやって来た。





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