抱擁の星
すげーおどろいた人と人がこんなに違うとは 知らなんだ
息を止めてもまだとまらぬ心臓の音がぐんぐん鳴り響くのです、そのおどろきに関連して
お嬢さん あんたと私は全く別だった 私の劣等感妬み嫉み、その他もろもろ、悲しみの渦、だ。全部ひっくるめてあんた ぐしゃぐしゃに丸めて土に埋めて水かけて、あっという間に花さかしちゃったんだもんな。
あんた、自分の鋭さわかってないよ、私それが好き、お嬢さんそれで私の胸を一突きに刺して殺してやってくれ、寿命はあんたに捧げるよお嬢さん、もうあんたの奴隷だよ。
あんたが人を好きになる度に死んでるからよ、あと100ぺんは死ぬんだろ
あんた私を殺す度に綺麗になるからよ あんたのためならあんたのためなら死んでもいい死んでもいい
人と人がこんなに違うとは知らなんだ あーおどろいた
相容れない二つをどうにかして同じ形に流し込んで固めてやろうってのが愛だと誤解した連中は 可哀想に自分すらみつけられないままに蝋人形だ その蝋、少しづつうすーく削ってってやろうぜ、すり減ってゆくのが愛だと教えてやろうぜ お嬢さん、お嬢さん。
でもな、互いに例えばぼろ布のようになってもあんたと私は仲良くはなれないよ 別々の惑星に住んで実際にはないテレパシィを飛ばし合うフリして 想像の中で自分自身と抱き合おうぜ。
それがこの世界で生きてゆける、たった一つの方法だからよ、お嬢さんお嬢さん
こんなに違っても 考えが何一つ合わなくても 仲良くなれずに100ぺん死んでも ああ、たった一つ 性別が同じだという事が ああ、たったそれだけが あっぱれな事実だよ




