青空と赤い水たまり
初めての投稿です。人外×少女、思いっきり趣味全開です。いたらないところが、多々あると思いますが、アドバイスよろしくお願いします。
夏の暑いある日私、藤原 春香は高校にある屋上に呼び出された。
普通の女子高校生なら「キタコレ!告白じゃね⁈」と喜ぶかもしれないが、私は全然喜べる状況じゃない。
だって目の前の髪ボサボサで、ネクタイはひん曲がり、目元はクマが出来ていて、ただ目は泣いているのにギラギラと私を睨んでいる青年だからだ。
これがイケメンだったら私だって少しは胸が高鳴ったのかもしれないが。
いや、元はイケメンだったのだ。
今は犯罪者一歩手前の青年、熊谷 蓮君は学年でもトップに立つイケメンでサッカー部のエースだった。誰にでも優しくみんなのリーダー的な存在だった。もちろん私にも優しくしてくれた。
だが、彼は怪我をしてしまった。そして、足をもう杖無しでは歩けないような体になった。それからというもの彼は荒れた。
始めの頃はみんな彼を気遣ったが、そんな友達(?)さえにも攻撃的な言葉を吐きかけた。そうして彼は一ヶ月たらずでクラスの人気者から腫れもの扱いされる人ととなった。
確かに彼のことは可哀想だと思う。
だが、それがどうした?と問いかけたい自分もいた。命あるだけマシじゃ無いかと。それなのにいまだ彼は騒いでいる。
「おい!聞いているのか、藤原!お前のせいで俺は怪我をして今まで頑張ってきたサッカー人生をめちゃくちゃにしやがって!周りの奴らもいなくなった。
全部、全部、お前のせいだ‼︎」
いやいや、なんで私のせいになるかなぁ…本当に面倒だ。確かに私に関わった人は何かしらの不幸に見舞われる。
だが、私のせいだと言われるのはやはり納得いかない。本当に本当に面倒くさいが、反撃と行きますか…
「えーっと、熊谷君。確かに君には優しくされたよ。私が呪われているって意味わからん噂に惑わされず。だけど、私に優しくしたのは君の判断だ。 私に関わると不幸になるってわかっていたなら君は私に関わるべきではなかった。
だから、全てを私の責任にするのは間違っている。それに私をダシにしてなんて優しい熊谷君をアピールしたかったんだろう?やはり、君の事故は君の責任でもあるよ。」
「う、うるさい‼︎何もかもお前のせいなんだよ!」
うん…やっぱり無理だったか。こいう相手にはこれ以上何を言っても無駄だな。そろそろ次の授業も始まるから教室に戻るか。
「そっか、わかったよ。熊谷君がそう言うならそうなんだろうね。ごめんね。それじゃ、私そろそろ教室に戻るから。」
私は熊谷君にそう告げて入り口に向かうために背を向けて歩き始めた次の瞬間、腹部に強烈な痛みを感じあまりの痛みに倒れた。私はまさかと思い、腹部を見たら案の定何度も見慣れた赤黒い色が私の制服を濡らしていた。
なぜ、こんな事になったのかと思考していたところに彼、熊谷 蓮は突如笑い声をあげながら叫んだ。
「アハハハハ‼︎……これで俺は復讐を遂げ、不幸という呪いを断ち切ったぁ!俺は幸せになるだ‼︎」
あかん、こいつマジでイカれてる。
てか、腹部刺されてこんなに血って出るもんなのか?ぜってーこいつなんか仕込んだな。一応まだ声は出せそうだから聞いてみるか。
「っつ⁈熊谷君……何をしたの?」
「藤原!まだ生きてんのか?
だけどもうじきお前は死ぬぜwその杖の特性隠し刀には血が止まらなくなる薬が塗ってあるからな」
……杖に隠し刀って、どんだけ私を殺したかったんだよ!いや、もうこの際血が止まらない薬とか置いとこう。ここで死ぬならやっぱり伝えたいことがあるが、もう言葉をつむぐ力さえ残っていない。だから私は心の中で精一杯思った。
『私のせいで運命を変えられてしまってごめんなさい。』
確かに私のせいにされるのは本当に納得のいかないことだ。でも私自身思ってしまう。
私がいなかったらと。
彼を含め今まで私のせいで不幸になった、と言った彼らの人生はどうなっていたんだろうと。
だから、これで最後なら彼、熊谷君だけではなく、私のせいで傷ついた人々に届くことの無い心からの謝罪を。
死ぬ間際に誰かに対する謝罪をする自分に苦笑しながら、そしてやっと誰かを傷つける人生を終えられる、そんな解放感を感じながら私は、青く晴れわたった日に齢17歳にしてこの世に別れを告げたのだった。
いかがでしたか?今後改善していきたいと思うのでよかったらコメントお願いします。
春香は、結構辛い過去の持ち主です。のちのち紹介していきます。