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紅椿

作者: Irene
掲載日:2013/10/14

椿よ椿

愛しき花よ

私の愛した美しき花よ

数多の蝶に好かれる花よ

貴女のために私は総てを捨てられる

嗚呼、何時かその瞳に私の姿を映してくれ


最初に逢ったのは薄汚れた洋館で

男共に囲まれていた貴女

其れはまるで獲物を狙うハイエナの群れ

すぐさま貴女を助けに行った

暗い庭であなたを抱きしめる

月明かりが照らすその顔は良く見えなかった


それから貴女の元に通いつめた

冷たくあしらう貴女

その様な目で見るにも拘らず私を見捨てない

それでも良いと私は思う

娼婦である貴女

其れでも私には淑女に見えた


紆余曲折を経て貴女は私を受け入れた

慎ましやかな二人の生活

華やかな生活を捨て私と共にいる事を選んだ貴女

嗚呼、なんとも幸せな日々

この幸せは永遠だと

その時の私は信じていた


貴女は消えた

私を一人二人の家に残し

後を追うなと声を荒げ

華やかな生活に戻った

(すがる)る私に約束を一つ

死した後その身体を私だけのものに


手紙が来た

恋焦がれた手紙が来た

貴女が私に宛てた涙の滲む手紙が

さあ、貴女を迎えに墓地へと向かおう

その墓を掘り起こし

この手に貴女を掻き抱こう


嵐の夜あなたの墓に墓守と共に行く

彼の協力の下貴女の亡骸を見つける

嗚呼、嗚呼、やっと貴女を私のものに

墓守ですら目を背けた貴女の体を抱きしめる

口付けをし、もう一度抱きしめ

貴女にこの魂を捧げると神に誓う


椿よ椿

愛しき花よ

嘗て二人で住んだ家の前で

今日も私は貴女に花を捧げる

紅い紅い椿の花を

貴女の愛したこの花を...


椿姫を唯一本当に愛した男の独白

をイメージしました

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