1章学園生活! 9話 ばれちゃった全無能、寮に立ちふさがる壁!
学園内でクラス分けの最中にその世界で言う『最弱』の称号、全無能≪オールゼロ≫で、それなのに水晶がランクをSランクにされてしまった結城と優花。
それに驚き、大声を上げてしまった…
「ど、どういうことですか!マール振り分け師!」
「そうです!全無能なのにランクSはおかしいです!」
「「そういわれても、水晶にそう出ているんだからしょうがないんじゃよ!」
僕らが声をあげてすぐに水晶にそこにいる先輩以外の生徒が水晶に集まり、
マール振り分け師といわれている水晶をもったローブの人に講義をしだした。
僕らは驚いて若干引き気味だったけど、先輩たちは顔を引き締めて、彼らを見ていた。
先輩方の話だと、水晶に出た情報は嘘偽りがないそうだ。
だから僕らのランクSも全無能も本当のことで間違いないといっていた。
先輩は水晶にも見えない力があるのだろうと言ってくれた。
そして、彼らの矛先はこっちに向いてきた。
「あんた達なんでランクSなのよ!おかしいでしょ!人間で!」
「純粋族の中で屑で!」
「ましてや全無能なのに」
「あなた達!ちょっと!そんなこといってはいけないでしょ…きゃ」
「こらっっ!先生を踏みつけるとはいい度胸だなぁ…うぉ!」
先生たちが止めようとしてくれるが、生徒の勢いはとまらない。
「えっと、僕にもよく分からなくて…」
悪口を言われていたが、とりあえず答えようとした…が
「…逃げるぞ、イリス」
「…わかってるよ、エイ!!」
突然、僕らをクリスさんが両腕に抱え、イリスさんが内ポケットから忍者らしい煙球を使い、
煙幕と共にその場から逃げ出した。
「あの~クリス先輩?」
「む、どうした?」
「そろそろ降ろしてほしいです…」
「っっ!!わ、悪い…///」
ふぅ~降ろしてくれてよかった。正直、先輩がたの足は速くてジェットコースターが
嫌いな僕は地獄だった…
僕らは今、だだっ広い校庭といっていいのか分からないくらいの校庭にいる。
時折の風が気持ちいい。そして、みんなのいない寮にむかっている
クリス先輩は獣人の証の耳をバンダナの中に仕舞い込んでいたが、尻尾は風に揺られ、
靡いていた。
「わるかったな、当然、逃げ出して驚いただろう」
「ええ、まぁ」
「そ、それよりなんでにげだしたんですか?私たちは?」
優花さんが首をかしげ困った風に聞く…可愛いなぁ…
「ああ、それはな、人間が純粋族に拘わらず一番弱いといわれているのは知っているな?
……まあ、人間でもとてつもなく強い奴もいるがな」
「はい、確か魔力が少なくて、武力が取り柄だって…」
「そうだ、それは差別だ、しかし、いまは法により差別は禁じられている…表向きだがな」
「「表向き??」」
「ええ、この学園の先生は止めようとしているんだけど、生徒の中の吸血鬼
竜人、妖怪の種族はプライドが高くてね」
「人間がSクラスに入るだけで恨みや憎しみ、酷い奴なら殺意をもつものまでいる。
しかも、入るだけで妬む奴までいる『なんでこんな奴が私と一緒の場にいるの』てな
まあ、逆もまた然り、人間でも貴族ならそんなことを考えている奴もいるから、そいつ等
だけが悪いとはいえないがな」
「酷いなぁ」
「酷いですね」
「だから、結城!お前は人間だ、だから気をつけなよ!」
「でも、何かあったら、私たちを頼ってね!私たち獣人はもともと獣と人間の血を
受け継いでいるからね、私たちは見方だし能力が高いやつら以外は危なくないからね」
「ありがとうございます。クリス先輩、イリス先輩!!」
「ああぁーそれとな結城、あと優花」
「「はいっ?」」
「私たちのことは『先輩』じゃなくて『さん』付けにしてくれないか?」
「「わかりました。せんぱ…クリス『さん』イリス『さん』」」
「ああ!」
「ええ」
そんな会話もありながら僕らは寮に向かっていたが…
急にいやな臭いが寮からしてきた。
そして寮の目の前で仁王立ちの女の子がいた。
「「む」」
「「?」」
クリスさん達が彼女を見ると、いきなり構えて、僕はさっきの話を思い出していた。
「久しぶりね…」
「よく言うわね」
「貴様…のこのこ顔をだせたな…」
彼女が声を出すとクリスさん達は顔を歪ませ、声が低くなりあきらかに怒っているようだ。
しかもこの臭い…『生徒の中の吸血鬼…』
「だれですか?クリスさん」
優花さんは一人戸惑ったように聞いた…できればこのことは聞きたくなかった。
僕の推測からすると彼女は…
「あいつは…私の友人を殺した奴だ!!!」
『酷い奴は殺意を持つ…吸血鬼などが持つ……
…彼女の血の臭いは吸血鬼だ…
次回予告
はい、転生された結城です。
吸血鬼の彼女は学年主席のイリスさんとクリスさんと同等クラスで
僕らは手出しができない。
しかも、いきなり出てきた彼女のファンが僕らを襲ってきた。
次回最強種族吸血鬼、出ろ必殺の台風銃
全員「魔力無しでどうやって…」