社畜は持病をお持ちです
低気圧が襲ってきた。カーテンを開けると、曇天が広がっていてしとしとと雨まで降っていた。やけに頭が痛むと思えばそういう事かと、痛む頭に手を添えて台所に向かう。
適当に朝食を済ませて、薬箱の中を漁る。この間、外箱を捨てた記憶はあるのだけど、薬は残っていただろうか。胃薬と風邪薬は出てくるのに、頭痛薬は一向に見つからない。
(全部飲んじゃったのか…)
ズキズキと襲ってくる痛みは和らぐ事はなく、どうした物かと痛む頭を何とか回転させる。
(そういえば)
私はふと思い出した。外出用にいくつかを鞄に忍ばせてはいなかっただろうかと。思い出した私グッジョブ、自分自身に親指を立ててハンドサイン送った。
ガサゴソと鞄の中を探してみるが見つからず、何となく煩わしくなったから、床の上に鞄の中身をすべてぶちまけた。女子力が高いとは全く言えない鞄の中身。いつのゴミだよっていうお菓子の包み紙が出てきたり、ティッシュケースに突っ込んでいたが、何かの拍子に飛び出してきたであろう鼻水つきのティッシュが出てきたり、鞄の中はカオスになっていた。そんなゴミの中に、カラビナケースを見つけた。ケースの中には2回分の頭痛薬。
最近飲み過ぎだよな…と一瞬だけ躊躇したが、白い錠剤をシートから2つ外して、ぐいっと水で流し込んだ。
即効性がある訳ではないが、「薬を飲んだ」という事実で、頭の痛みが少し和らいだ気がした。病は気から、条件反射、パブロフの犬、それらしい単語が頭に浮かんだが、そんなことを考えている場合ではない。今は、一刻も早くこの頭痛とおさらばしたいのだ。
私はまた布団に潜りなおす。
今日が休日で助かった。休日を体調不良で潰すのは勿体無いけれど、仕事中でなくて良かったと、社畜と化した私は思うのだった。
(明日あれやって…これやって)
頭の中にいつも仕事の事が浮かぶ。マルチタスクが苦手な私は優先順位をつけて1つずつ片付けていくので何とか仕事を回している。
(行きたく…ないな)
心が呟いた。きっとそれが私の本心なんだろう。休日さえも仕事のことばかり考える社畜脳に疲れて、私は強制的に思考をシャットアウトした。だが、夢の中でさえ仕事をしているなんて、とんだ社畜と化したものだ。
病院の診察まで、あと1週間。
偏頭痛もちは、低気圧大嫌い




