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ガレスとオークとトロちゃん


「なんで……お前が」


「ブモッ、ブモッ、ブモッ!」


ガレスはレオンの後ろに立つ巨体を見て、目を見開いた。


(トロールだと……)


(まさか、この檻に入れる気か)


ミリアがオークを見て言う。


「その怯え方、この前のオークじゃない?」


レオンはアーヴィンに尋ねた。


「アーヴィン先生、このオークってギルドから買ったんですか?」


アーヴィンはあっさり答える。


「ええ、そうですよ。レオン君が魔法で倒したオークです」


ミリアが首を傾げる。


「じゃあ、あの盗賊はなんでここにいるの?」


アーヴィンは笑顔のまま説明した。


「学院が管理することを国に保証して購入しました。学院も、あなたの魔法に興味があるのですよ」


レオンは内心で思う。


(学院長もそんなこと言ってたな)


そして、ふと檻の中を見る。


オークに抱きつかれている盗賊――ガレス。


(それより、オークに抱きつかれてる盗賊の状況が意味不明すぎる。けど……関わらんとこ)


レオンは話題を変えた。


「トロちゃんの部屋、どれですか?」


ガレス「!!?」


アーヴィンは檻の並びを指差す。


「彼らの向かいを使ってください」


ガレスは胸をなでおろした。


(よかったぁ……)


ミリアはトロちゃんに近づく。


「トロちゃん、ごめんね。こんな所で」


トロちゃんは素直に檻へ入った。


アーヴィンが言う。


「近いうちに、敷地内にトロちゃん用の建物を作るかもしれませんよ」


ミリアの顔がぱっと明るくなる。


「ほんと!?」


「研究塔で管理してもいいのですが、連れ出すのが大変ですからね」


「よかった〜!」


そのとき、アーヴィンがふと思い出したように言った。


「そうだ、少しお願いがあります」


「トロールの食費についてですが」


レオン、ミリア、アリスが同時に固まった。


「「「!」」」


(このまま流れでうやむやにしたかった……)


レオンが恐る恐る言う。


「……研究塔持ちになりませんか?」


アーヴィンは首を横に振った。


「補助はできますが、全額は無理です。トロールがどれだけ食べるか知っていますか?」


そして提案する。


「トロちゃんに命令できるなら、森で狩りをしてはどうです? 狩った魔物は氷漬けにしてトロちゃんに運ばせれば、ある程度こちらで預かれます」


「ギルドに売ってお金にしてもいいですし、レオン君が倒したモンスターはゴブリンでも研究塔が解剖用に買い取りますよ」


少し間を置いて、さらっと続けた。


「それか、再生能力があるトロちゃんの睾丸を実験用に、たまに切り取らせてください」


(さらっと怖いこと言ってる)


ミリアが即座に叫んだ。


「絶対ダメ! かわいそう! なんでそんな酷いこと言えるの!」


その隣で、レオンは静かに精神ダメージを受けていた。


レオンはため息をつく。


「……とりあえず狩りでどうにかします」


アーヴィンは微笑んだ。


「いつでも相談してくださいね」


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