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異世界最大級のフリーマーケット

ギルドでの一件が落ち着いた後、ドラキチは新たな「お得情報」を手に入れた。それは、月に一度開催される異世界最大級のフリーマーケットの話だった。

「フリーマーケットか。掘り出し物がいっぱいありそうだな。これは行くしかない!」

フリーマーケットが行われるのは「フォーラー広場」と呼ばれる都市の中心地。そこでドラキチは消費者契約魔法を駆使してまたしてもお得な買い物を楽しむことを決意する。


●フリーマーケットの始まり

到着したフォーラー広場は、すでに大勢の人で賑わっていた。色とりどりの屋台が並び、食べ物、魔法アイテム、古代の遺物まで、ありとあらゆるものが売られている。


「どれから見ようかな……。」

ドラキチが歩き始めると、早速目に留まったのは、古びた魔法の本を扱う店だ。店主は、妙に胡散臭い笑みを浮かべた小柄な男だった。

「兄さん、いい目をしているね。この本はどうだい?『幸運の呪文書』さ!これさえあれば何でも上手くいく!」

ドラキチは消費者契約魔法を発動して、本の特典を確認する。しかしそこには「効果は10回中1回のみ発動」という微妙な説明が。

「うーん、これはパスだな。次だ!」

彼は慎重にアイテムを選びつつ、他の店へと進む。


●謎の骨董品と契約

広場を歩き回る中、ドラキチは「骨董品専門店」と書かれた屋台に足を止めた。そこには年代物の小箱や、怪しげな石板などが無造作に並べられている。

「この店、なんか当たりがありそうだな」

契約魔法でアイテムを調べると、目を引いたのは一見普通の砂時計。魔法的な光が微かに放たれており、特典欄には「時間を一時的に巻き戻す効果」と書かれている。

「えっ、これすごいじゃん」

ドラキチは砂時計を購入することに決めた。しかし、店主はニヤリと笑って言う。

「それを買うなら、覚悟するんだな。この砂時計にはデメリットもついてくるらしいぞ」

気になりつつも、ドラキチは契約特典でついてきた「無料返品保証」があることを確認し、購入を決意。

「使ってみてダメなら返せばいい」


●突如巻き起こる混乱

フリーマーケットを満喫していたその時、突然広場全体が騒然とし始めた。どこからともなく現れた巨大な「マーケットガーディアン」と呼ばれるゴーレムが暴れ始めたのだ。

「なんだあれ!」

「危険だ!逃げろ!」

ゴーレムはフリーマーケットの運営を監視するための存在らしいが、何らかの原因で暴走しているらしい。出店者や客たちが慌てて逃げる中、ドラキチはその場に立ち尽くした。

「これはさすがにマズいな……」

周囲を見渡すと、ゴーレムが特定の魔法アイテムを狙って屋台を破壊している様子が見える。どうやら、誰かが禁制品を持ち込んだのが原因らしい。

「でも、これってなんとかなるんじゃないか?」

ドラキチは手に入れた砂時計を握りしめた。そして契約魔法を使い、砂時計の特典を確認する。


●砂時計の力、そしてお得な解決策

砂時計の効果を発動すると、ドラキチの目の前に「巻き戻し可能時間:3分」と表示された。彼は砂時計をひっくり返し、時間を巻き戻す。


「さて、これで準備は整った」

3分前に戻ったドラキチは、ゴーレムが暴れ出す前に、問題の禁制品を持っていそうな怪しい店主を見つけた。その店主がこっそりと「禁断の魔石」を売りに出しているのを確認し、彼に近づく。

「ちょっと、その魔石、俺が買うよ」

消費者契約魔法を使って魔石を購入すると、ドラキチはゴーレムの視線が自分に集中するのを感じた。だが、彼はすかさずギルドで購入しておいた「次元ポータル石」を使用し、魔石を遠くの無人地帯に転送した。

「これで問題解決っと」

ゴーレムは魔石が消えたことを確認すると、暴れるのをやめ、元の場所に戻っていった。


●フリーマーケットの英雄

騒動が収まった後、フリーマーケットの主催者がドラキチに感謝の言葉を述べた。

「あなたがいなければ、マーケットは壊滅状態になるところでした。本当にありがとう!」

ドラキチは照れくさそうに笑う。

「いや、ちょっとお得な買い物を楽しんでいただけですから」

その後、ドラキチはマーケットで特別に用意された「掘り出し物セット」を報酬として受け取った。その中には、次回のフリーマーケットで使える割引券も含まれていた。

「これでまた来る楽しみが増えたな」


●「だまし売り」の罠とクーリング・オフの雷鳴

ドラキチがホクホク顔で割引券を懐に収めていると、ふとギルドの掲示板の隅に貼られた一枚の奇妙な羊皮紙が目に留まった。

そこには、フリーマーケットの喧騒に紛れて、悪徳商人が「伝説の聖剣(実はただの光る竹光)」を法外な価格で初心者に売りつけているという告発が書かれていた。

「ふむ、これは俺の消費者契約魔法が黙っちゃいない案件だな」


ドラキチが現場へ向かうと、そこでは恰幅のいい商人が、泣きそうな顔をした新米冒険者に、呪われたボロ布を「勇者のマント」として売りつけている真っ最中だった。

「さあさあ、今ならたったの金貨100枚! 契約書にサインした以上、返品は一切受け付けないよ!」

商人が卑屈な笑みを浮かべたその瞬間、ドラキチが割って入った。

「異議あり!」

ドラキチが指を鳴らすと、空中に巨大な黄金の契約書が出現した。これが消費者契約魔法「クーリング・オフの雷鳴サンダー・ボルト」である。

「な、なんだお前は!?」

「俺はただの買い物好きの消費者さ。だが、不当な利益を得る輩には、消費者契約魔法の鉄槌を食らわせる!」

ドラキチが唱えると、商人が持っていた契約書が青白い炎に包まれて消滅した。支払われた金貨は魔法の力で新米冒険者の袋へと自動的に逆流し、代わりに「勇者のマント」という名のボロ布が、商人の顔面に勢いよく張り付いた。

「ぐわぁ! 俺の商売が!」

「残念だったな。お前の『だまし売り』は、俺の審美眼コストパフォーマンス・センサーをだませなかったようだ」


●次なる「お得」を求めて

騒動を解決したドラキチの元に、助けられた新米冒険者が駆け寄ってきた。

「ありがとうございます! あの、お礼にこれを……」

差し出されたのは、彼がダンジョンで見つけたという「未鑑定の古びたランプ」だった。ドラキチが鑑定スキルを発動すると、そこには驚くべき表示が。

『レア度:SSS/特典:毎日一個、最高級のポーションが半額で買える権利』

「……これだよ、これ! こういう『実用的でお得』なやつを探してたんだ!」

ドラキチは満面の笑みでランプを受け取ると、次なる掘り出し物を求めて、夕暮れの街へと消えていった。その背中には、フリーマーケットの夕日に照らされて、「賢い消費者」としての輝かしいオーラが漂っていた。今日の戦利品は、割引券と、正義の心と、そして何より「最高のお得感」であった。


次回予告

フリーマーケットでの活躍が広まる中、ドラキチに新たな依頼が舞い込む。それは「異世界最大のショッピングモール」での契約トラブルを解決するというものだった――!


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