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精霊と歩む少女 ―古の名を継ぐ者―【主人公視点での物語】  作者: アインス
第1歩 ~出逢い~

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精霊の力①



ヤクモがキラキラした瞳が愛おしい。

良く見ると左右で色が違う…

腕の中で尻尾をパタパタ揺らしながら


「ねぇねぇ!ボクの力、

 見たいの?見たいんでしょ?」


思わず固まった。


「えっ…ちょっと……いきなり?」


ノエルが割って入って

「ちょい待ち、ちょい待ち!ここでやらかされたら洒落になんないでしょ!」


セレナも同じく真顔で

「……そうね。少なくとも、

 試すには危険すぎるわ。」


「大げさだねぇ、

 ちょっとだけ見せてあげる!」


そう言うとヤクモは小さな光の玉を足元に灯した。


赤とも金とも違う色。

じりじりと音を立てながら

火を宿すようにゆっくりと光が揺れる。

やがて細い光の糸を垂らして、

宙に消える前に微かに弾けると、

パチリと儚い音で現実に戻された。


光は火でもなく、雷でもなかった。

残り香のような煌めきを残しながら、

最後は煙のようにすっと消えていった。


ノエルが腕を組み、眉間に皺を寄せて光の消えた空間を睨んでる。

「火でも雷でもない。

 けど、どっちの性質も含んでる…」


セレナも顎に手を当て静かに頷く。

「そうね。今のは二つの属性が重なり合った“兆し”に見えたわ」


「……私も、二つ…なのかな?」


私の問いにセレナは少し考え込むように目を伏せたあと囁くように答えてくれた。

「二つどころじゃないかもしれない。だって――“どの属性にも当てはまらない”っていう可能性があるから」


――火と雷の二つじゃないの?

「どうして?」


この問いにはノエルが答えた。

「覚えてない?ソファはさ、ついこの間、アタシに言われて土壁出してたじゃない。土は土、いわば地属性だよ。さっきの妙な光とはまったく別物。だから…二種どころじゃ済まないってことになる」


セレナが言葉を継ぎ、静かにまとめた。

「つまり――属性という枠組みそのものに当てはまらない。それが“彼方かなたの名”を持つ者の特徴かもね」


ヤクモは私の腕の中で胸を張り、自分の特別さを誇示するかのように、小さな顎をくいっと上げた。


――可愛いけど…どうすればいいのよ。


「とりあえず今日は戻りましょう。ここじゃ、話を広げるには落ち着かないわ」

セレナの一言に従い、泉を後にすると、ノエルが思いついたように口を開く。


「……ねぇ、せっかくだし少し寄り道しない?精霊の力、ここで試してみるのも悪くないでしょ。トラヴァスにご飯あげなきゃだし、シェルティもでしょ?」


ノエルが振り返り、にやりと笑うとセレナも「仕方ないわね」と苦笑まじりに頷いた。


――何する気なの?

っていうか精霊って何食べるの?



◇◇◇◇



ノエルの先導で山道を歩き始めると、彼女は肩越しに振り返り、軽い調子で笑った。

「帰りにちょっと寄り道するだけだからさ、気楽に行こうよ」


――道は緩やかで、草木の合間から差し込む陽光がきらめいていた。鳥のさえずりや虫の羽音が耳に心地よく、さっきまでいた神秘の空間とはまるで違う、ありふれた山の風景。


私はほっと息を吐き、胸の中のヤクモを見下ろした。

小さな体はご機嫌そうに尻尾を揺らし、時折きょろきょろと首を傾げて私の表情を伺っている。

――愛玩動物ペットなら、惚れる。

「…ほんとにこの子の力を試すの?」


恐る恐る尋ねてみた。


するとノエルがにやりと口角を上げる。

「もちろん。精霊の力ってのは、実際に戦ってみないと分かんないものよ」


――だよねぇ。


「だが――」ピエールが険しい面持ちのまま口を挟む。

「精霊の力を戦闘で確かめるなど、無謀ではないのか?」


――それもそうだよねぇ。


ノエルは軽く肩を竦めてみせた。

「現場でどう役立つか、それを知るためにやるのよ」


――そう言われれば…そうだよねぇ。


やり取りを聞いていたセレナが柔らかく笑みを浮かべ、静かに言葉を継いだ。

「精霊の力を理解しようと、どれほど話を聞いても、どれほど想像しても…一度の実戦には敵わないのよ」

その言葉にピエールは唸り声を漏らし、それ以上は何も言わなかった。


――やっぱりそうだよねぇ。

それに一つ気になってるんだよねぇ。


「あの……精霊って、

 食事はどうしてるんですか?」


――私の発言で場が和んだ。

可笑しなことなのかな?


ノエルの肩からトラヴァスが答えた。

「オレらはな、そこらに漂ってる魔力を吸うだけで十分腹は満たせんねん。けどなぁ、人間の食い物も好きやで?」

片耳をぴくつかせながら尻尾を揺らす。


「……じゃあ、精霊って、

 食べ物の味も分かるんですね?」


「好みはあるんよ?味も匂いも、嫌いなもんは嫌いやわぁ」

シェルティが艶やかに笑みを含んで告げると、ノエルが笑う。


「そりゃそうだよ。生き物だもんね。もっとも本当の主食は別にあるけどね」


「精霊にとっての御馳走。魔物の核やねぇ」

シェルティの言葉をセレナが継ぐ。

「魔力の塊の事よ。魔石とも言われるわね。精霊は核を取り込む事でどんどん魔力が増大するわ」


私は思わずヤクモを見下ろした。

この愛嬌の塊みたいな子がどこか底知れないものに感じられる。


その時――前方の岩陰から、不気味な唸り声が響いた。

足を止め視線を向けると岩の裂け目の奥から黒い影が揺らめいている。


「オークか……はぐれね。」

セレナが即座に判別し冷静に告げた。


ノエルは笑みを浮かべ、隣に立つピエールへ視線を向けた。

「ちょうどいいじゃない。

 試しに力比べしてみなよ?」


あれ?俺の活躍は?


トラヴァス!

アンタ人気ないんじゃない?


なんでや!

アンタ感想貰えた?

…ぐぅっ…まだ、や。

ブックマークは?

…んぐ…まだ足りん…


レビューは?

…まだなんや…。


だからじゃない?

…そんな殺生な…何とか…


次回 トラヴァス活躍!?

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