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精霊と歩む少女 ―古の名を継ぐ者―【主人公視点での物語】  作者: アインス
第2歩 仲間を求めて

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救出作戦④ 再会

テーブルの上には、焼き上げた肉を細かく削ぎ、たっぷりの野菜を薄いパンで包んだ料理。


「カボブっていうんだ。ソファちゃん食ったことねえのか?そのまんまこう…かぶりついて食うんだよ」

そう言いながら目の前でカボブに食いつき食べ方を教えてくれるレイブ。


溢れる香辛料の香りに包まれたそれに、私は見よう見まねで思い切りかぶりついた。


香ばしく焼かれた肉、色鮮やかな野菜に溶けた脂とスパイスの香りが混ざり合い

もう一度かぶりつけば肉汁と野菜の甘みが口中に広がった。


「――おいしいです!」

お腹が空いてたのもあるけど、これはホントに美味しい!

私は気付けば夢中になって食べていた。


「食いっぷりいいじゃないか。たっぷり用意させたからよ。腹いっぱい食えな!」

そう言って嬉しそうに自分もカボブにかぶりつく。


あのセレナでさえ、ただ無言でカボブにかぶりつき既に2つ目に手を伸ばす。


無言のまま食事が進み、あっという間にすべてのカボブは胃の中へ収まった。

食事を終える頃にレイブはすぐ戻ると席を外し部屋を出て行った。


「私たちも少し外すわ。もしレイブが戻ったらすぐ戻ると伝えてね」

そう言ってピエールに目配せし席を立つよう促すセレナ。



部屋を出た2人を目で追いながらノエルが口を開いた。

「…あんたさ、その鼻どうしたの?」


「あん?名誉の負傷ってやつよ!」とコード。

「負傷?死んでないじゃん?」

「ばかやろう。俺が死んだの見たことねぇだろ?」

「殴られたらあんた死ぬじゃん」

「なんで殴られたって決めつける?」

「見りゃ分かんでしょ?ピエールの奥さんに何もしてないでしょうね?」


「バッ…かやろう!俺が何するってんだよ」

「いいの?後で聞いちゃうよ?」


「…すいやせん。ちょっと間が悪かった時にちょっと…」


「……。」「……。」


「ピエールからいくら巻き上げるつもりよ?」

「いや…。もののついでなんで…、ギャラは…、ただ少し、ほんのすこぉし!」


「…もう受け取ったわよね?」

「へぇ…」


そんな2人のやり取りを聞きながらも、私は部屋の外が気になって仕方なかった。


私の位置からは部屋を出て行った2人の姿が見えていたからだ。

セレナはピエールを廊下の隅へ手招きすると、彼の首に手を掛けそっと抱きしめた。


「……!!」

驚きの行動。


けど理由はすぐに分かった。

2人が重なった瞬間に柔らかな風と心地よい花の香りが漂ってきたからだ。

セレナがそっとピエールから離れると風は霧散し、残り香だけが漂い、やがて消えた。


セレナが何かピエールに囁いて先に部屋に戻って来た。

背後のピエールはその場に立ち尽くした後、彼女に向け頭を下げていた。

――洗浄の魔法か、脱臭の魔法だろうか?今度教えてもらおっと。


セレナに続いてピエールも部屋へ戻り席に着いた頃、

「おい、ピエール。ちょっとあっちの部屋行ってな」

そう言いながらレイブは隣の部屋を指差し中へ入ってきた。


呼ばれたピエールはすぐに立ち上がり、即座に部屋を出る。

「…やるじゃん」と呟くノエルに

「言うなよ。俺は見たくねぇしよ、お前らもそうだろ?」

そう言って体に似合わない笑顔を浮かべるレイブ。


「私、みんな凄いって今思ってる」

部屋の皆が私に優しい笑みを向けてくれるが、これは心からそう思ったからだ。



「…さぁ、一息ついたろ。仕事に戻らせてもらうぞ」

和やかだった空気を一度引き締めたレイブはそう言って口を開いた。


「さっきも言ったが、イツカとの取り引きだ。お前らが聞いてるか聞いてないかはそっちの話だ。こっちとは関係ねぇ。まずはそこハッキリ言っとくぜ」


「その前にいい?」と手を挙げるノエルに顎を上げ続きを促すレイブ。

「ピエールの奥さんも取り引きの対象なの?」

引き締まった空気がさらに重くなる。


「いや…丸っきりってわけじゃないが、もう済んだ話だ。連れて帰ってやんな」

「ならいいわ。全部話すなら聞くわ。話せないならこの話はナシ。どう?」


「それで構わねぇよ。こっちはそれも勘定に入れてんだ。まず1つ。運んでもらうブツはまだここには届いてねぇ。着くのは明朝だ。言っとくがこっちのミスじゃあねぇ。お前らが着くのが早過ぎたんだよ」


「話聞いて飛び出て来たからね。いいよ?今日の宿代はどうするの?」

「こっち持ちだ。ただ部屋は2つだ。そっちで好きに分けな」


「…このハゲはどっち?」

「安心しろ。こいつは別件だ。話が終わったらすぐ出ることになってる」


「1つ目は問題なしよ。続けて」


「ブツの中身は言えねぇ。これはそっちがつけた取引条件だ。国を出るまではウチのモンが送り届ける。そっから先はこっちとは関係ねぇ。中身が見たけりゃあ見ればいいし、そんで置いてくなら好きにしな」

そう言うとレイブは手を上げて終わりを告げる。


「この場で返事した方がいいのかしら?」とセレナ。

「いや?構わねぇぜ?聞いていいか?誰が決めることになってんだ?」


「ウチ解散したのは知ってる?」

「こないだ挨拶に来てたじゃねぇか。知ってるよ。祝いならコードに渡したぞ?お前が来るのは知らねぇからよ」

「そうなんだ。律儀だね。ありがとう」

「気にすんな。じゃあなんだよ。返事はちょっと休んでからにするか?」

「そうしてくれるとありがたいわ」


「じゃあそのまま部屋使って構わねぇぜ。風呂入ってくか?もうすぐ湯が入れ替わる頃だしな」

「賛成!それ助かるわぁ」

「じゃあ悪いんだけど、続きは夜でもいいかしら?」

「決まりだな」


「ウチの風呂はいいぞ。疲れなんか一気に吹き飛ぶ。気に入ったらいつでも来いよ」

そう言って私に笑顔を浮かべて部屋を出て行った。



「コード」ノエルはそう言って手を向ける。

「へいっ」コードはその手に包みを置いた。


「誰が来るかは聞いてなかったの?」

「俺の予想じゃあ、色男とオリバーの旦那辺りだったんだよ。あの“酔っ払い(イツカ)”は返事しねぇしよ」


「あんたなんの仕事してたのよ?」

「…どっから言えばいいんだ?」


「短め。ピエールの奥さんをなんでこんなとこに連れて来たのよ?」

「無理だ。帰ったら話すわ。俺もすぐ出ねぇとだしな」

「分かったわよ。気をつけてね~」

会話を終えて部屋を出ようとするコードをノエルが呼び止めた。


「コード。アタシが言うのは変だと思うだろうけどさ。…ピエールの奥さん、ありがとね」


そう言って頭を下げた。


「ノエルよぉ、もっぺんギルドでそれやってくれよ。それで全部チャラだ」

「分かった。…払い過ぎな気がするから一杯奢んなさいよ?」

手で応じたコードはそのまま部屋を出て行った。



「お疲れ様。行きましょうか?」

そう言って部屋から出ていくセレナを追う私たち。

「風呂だよぉ。ピッカピカのふろだよぉ」

「…ここ盗賊いたよね?外と中が別世界…」

「お風呂ねぇ。ホントぶっ飛ぶよ?早く行こ!」


…お風呂?

ねぇ、お約束って何?

聞いてない…

ここ盗賊の拠点だよね?

そこでお風呂?

ぶっ飛ぶって何が?


感想をあげる?

意味分かんないよ!

レビューもするから?

意味分かんないから!


次回…お風呂?

感想もレビューも欲しいけど…

そんなんじゃないからね!!

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