19話 初級昇格試験 開幕
凌大、浅井の二人は会場へと入っていき、選手の出場確認、不審物等の確認など色々された後に、やっと入場ができた。和澄は会場内での警備の仕事があるらしく、別行動となるので一旦別れることとなった。
会場の選手用の待機所のようなところへ向かうと、その途中で雪乃と出会った。
待機所へつくと、すでに福井と円もいたので、五人とも合流することができた。あとは試験が始まるまで待機だ。特にやることもないし、ベンチに座ってルールブックでも見ておくか。
そう思って、凌大はルールブックを開いた。
試験は単純なルールだ。トーナメント形式でそれぞれ試験者が戦っていき、十位以内に入ることができれば試験合格となる。これは初級昇格試験だけではなく、他の階級の昇格試験でも同じ制度となっている。だが、二つ、異なる制度で昇格が認められるものがある。
それが最上級と天災級だ。
簡単に説明すると、最上級はそれぞれの属性、つまり、水、火、土、雷属性をもつ上級魔術師の中でそれぞれの中で最も強い魔術師に与えられる階級だ。この階級を与えられるものは四人しかおらず、最強に最も近いと言われている。
あと説明していないのは天災級。最強に最も近いとされる最上級を凌駕する存在だ。その判断基準は極秘とされ、魔術師をまとめる本部、魔術研究庁の中で、限られたものしか知らないとされている。噂によるとこの世でその称号を持つ者は2名いると言われているが、本当かどうかは定かではない。
「凌大くん!緊張してるんですか?」
やたら明るい声で話しかけてきたのは雪乃だった。凌大の隣に腰掛けている。相変わらず可愛らしい顔つきだ。
「まぁ、初めての昇格試験だしな」
「お互い頑張りましょう!」
そう言って雪乃は微笑んだ。
「あぁ、全力を出し切って悔いなく終わろう」
「そうですね」
凌大は雪乃に笑みを返した。
さぁ、試験の幕開けだ!
試験会場、つまり、試合が行われるのは東京ドームの大きさの競技場のようなところで行われる。勿論、観客席があり、多くの観客たちが見ることができる。ただし、一般人は入場してはいけないそうだ。入場が許可されているのは魔法と関係のある人たちだけのようだ。
凌大たちは今、選手用の観戦席のようなところにいた。司会らしき人がマイクを持って、何やら話し始めた。
『それでは!初級昇格試験を始めます!』
観戦席から歓声が沸き起こる。
『試合でのルールを説明します。魔具の持ち込み、及び使用は原則禁止とします。相手に降参と言わせたら勝ちです。分かってると思いますが、殺しは禁止です。した場合、失格と重い懲罰が課されます。安全第一に頑張っていきましょう!』
司会の方はそう言い終えた後に、会場内にあるスクリーンを向いた。凌大たちもつられてそちらを向く。
スクリーンにはトーナメント表が映し出されていた。
『試合は30名でのトーナメント戦となっており、トップ10名が合格ですね。つまり、2回勝てば合格確定ですよ。敗者復活戦もありますので、負けないように頑張ってください』
2回勝てば合格・・・か。
『それでは!一回戦目の方は、入場してください』
一回戦目の戦いはしっかり見とかないと。この試験に参加する人たちのレベルとか戦術が分かるからな。
さて、一回戦目は 誰 対 誰 なんだろ。
そう思ってスクリーンを確認した。
「え・・・」
そこに映されていたトーナメント表には一回戦は 阿賀 義蜜 対 石津 凌大 と表示されていた。
一回戦目が俺!?




