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[超短編] 5分でキュン♪

恋みたいな 缶コーヒー

作者: まえのそら
掲載日:2022/12/13

付き合って3年の彼女が、変なことを言い出した。そこには、どんな意味が込められているのか……。


「 ヘンテコ えんぴつ 」、その後の物語。


「 缶コーヒーってさ、恋みたいじゃない? 」


同棲して半年になる彼女が、微糖の缶コーヒーを飲みながら突然言った。どうやら、商店街の福引きか何かで、貰って来たらしい。


「 は? 何それ? 」


俺は、バカにしたように聞いた。


奈々(なな)は高校の時の1つ上の先輩で、いわゆる高嶺の花ってやつだった。卒業してからもアピールし続けて、ようやくオッケーがもらえた時には、天にも昇る気持ちだった。


それも、付き合って3年が経つ今では、奈々の破天荒な発言に振り回されるのが、めんどくさい日もあった。


「 だってね、缶コーヒーって、甘いんだけど、どこかほろ苦くて……小さな缶は、すぐいっぱいになるでしょ? 他にも大きな入れ物は沢山あるのに、小さな缶な事に自分たちだけ気付かないの! 」


「 ん?? 全然よく分からん 」


「だから〜、恋してる時って、そこだけの小さな世界で生きてるじゃん! 他に素敵な人なんて、世の中には山ほどいて、好きーっていう気持ちだって、その缶の大きさが限界じゃないかもしれないのに、それが限界って思っちゃってる……だから、付き合っても他に好きな人ができたり、別れたりするのかな……って言うね、分かる? 」


奈々は、少しムキになって言った。


「 じゃあ、奈々は、例えば俺の気持ちも、缶コーヒーと同じで、大した事ないって、思ってるって事? 」


俺もつられて、ムキになって言った。


「 いや、そういう訳じゃないけど……」


俺は座っていたソファーから立ち上がると、キッチンから家で1番大きな鍋を手に取り、わざと音を立てて奈々の前に置いた。


「 ドン!! 」


「 なんか、怒った? 」


奈々は、戸惑っている様子だった。


俺は奈々から缶コーヒーを奪い取ると、その大きな鍋に残りのコーヒーを全部入れた。大きな鍋には、ほんの少しだけの微糖コーヒーが入る事になった。


「 ……? 」


「 もっと甘くなるように、砂糖足そうか?

それとも、鍋いっぱいコーヒー飲む? 」


俺がニヤけながらそう言うと、


「 アハハ〜、何それ〜!! これ 誰が飲むのー?! 」


奈々が、崩れた顔で大笑いするもんだから、つい俺も気が緩んで、寝室の引き出しから予定外に早く取り出してしまった。



「 奈々、俺と結婚して下さい! 」



来月の奈々の誕生日まで、隠しておく予定だったのに、今日も俺は破天荒な彼女に振り回される。


まぁ、そんなのが一生続くのも悪くない。







少しでもお楽しみいただけましたでしょうか?

よろしければ、ページ下★★★★★

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― 新着の感想 ―
[一言] あ、あまーい! そんな風に叫びたくなる作品ですね! きゅんとしました。 かつては高嶺の花だったけど付き合いが長くなってちょっと面倒くさくなるところとか、すごくリアルだなと思いました。 すごく…
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