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なろうラジオ大賞2 • 3 • 4 • 5 • 6 • 7 参加作品

我が家のお味噌汁


僕が小学3年生のときお父さんが交通事故で亡くなって、お母さんが夜勤の方が給料が高いからと夕方から働きに出かけるようになった。


「お母さん出かけるからお味噌汁温めて食べてね。


温めるとき火には気を付けるのよ」


「ウン、分かった、行ってらっしゃい」


「行ってきます」




中学の入学式の日の朝、朝食を食べようとお味噌汁の鍋の蓋を取ったら野菜やお肉などの具が沢山入っていた。


「あれ? 何時もは単品の具なのにどうしたの?」


「貴方が中学生になったお祝いにちょっと奮発したのよ」


「お母さん、ありがとう」




高校生になり山岳部に入部、初の登山での食事作りは1年生の役割。


「お前らご飯もまともに炊けないのか?」


「「「「ハハハハハ」」」」


顧問の先生の言葉に上級生たちが笑い声を上げる。


「笑うな、お前たちも1年の時は同じだったのだから。


毎年失敗作の飯を食べさせられる俺の身にもなってみろ。


あ! このお味噌汁は美味いな、誰が作ったんだ?」


「僕です」


「ありがとう、お味噌汁のお陰で何とか失敗作の飯も喉を通る」




同棲している彼女が恐る恐る僕にお味噌汁の入ったお椀を手渡して来た。


「美味い、母さんの作るお味噌汁と同じ味だ」


「良かった。


実は、おばさんじゃなくて義母(おかあさん)に習ったの」


「え! 態々田舎に行って母さんに習ってくれたんだ、ありがとう」




大学を卒業して会社勤め2年目の上の娘が、真剣な顔をして言って来た。


「お父さん! 結婚したい人がいるの。


今度の土曜日連れて来るから会ってください」


「あぁ…………わ、分かった。


それで、どういう人なんだ?」


「会社の先輩で私の教育係だった人、顔は普通だけど頼り甲斐がある男性よ。


仕事の事や会社の人間関係など色々を教えてもらったお礼に手料理をご馳走したら、お味噌汁が美味い、こんなに美味いお味噌汁だったら毎日飲みたいなって言ってくれたの」


「そ、そうか…………」




冬山で単独登山を行っていた登山者から急な天候悪化で動けなくなったと救助要請が入った。


救助に向った救助隊が救助要請を行ったと思われる登山者のテントを見つけ中を見る。


テントの中には寝袋に包まり、凍りついた味噌汁が入ったマグカップを両手で握るように包んで口をつけた男性が、座ったまま凍死していた。

























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― 新着の感想 ―
[良い点] 読み終わって、ホラーっ???とビックリしましたが、小説情報のキーワードを確認したら納得でした♪ 味噌汁にまつわる思い出、自分も振り返ってみれば沢山あるように思います。味噌汁で人の一生を描け…
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