筆記と実技を乗り越えて
筆記と実技がある。
筆記を終えた後、休憩を挟んで実技試験に入る。
同じ受験者同士が実際に魔法や武器を使って戦闘する。混血が純血に
勝てるわけが無い、その気持ちをアルヴィスは裏切った。
「ま、マジかよ…皇族を瞬殺しやがった!」「混血の癖に!」
その言葉にアルヴィスは耳も貸さずに悠々と歩き去っていく。
「次だったのか、レイチェル」
緊張した面持ちだ。そんなレイチェルの肩にアルヴィスは手を置いた。
「お前には魔族が扱えないものが扱える。緊張をする必要は無い」
「…うん、ありがとう。何か少し安心した」
闘技場に上がりレイチェルともう一人の受験生が戦う。
「ぷっ、混血が粋がってるぜ。笑えるな!」
「そうかな?笑われるのは自分かも知れないよ?」
レイチェルの言葉に相手はキレた。自分より下の混血に言われるのはさぞ
腹立たしいだろう。
実技試験の勝敗はどちらかが戦闘不能もしくは降参したらつく。相手は魔法を使って
攻撃を仕掛ける。
「聖域守護」
レイチェルの両隣に城が建ち壁が出来た。彼女が片手を振るうと聖属性の巨大な
レーザーが放たれる。勝敗はまたもや混血の勝利で終わった。
今年の1年生は今までと一味違う、上の学年の生徒は愕然としていた。
全試験が終わりレイチェルとアルヴィスは校門で会った。その後、アルヴィスの家に
レイチェルはお邪魔した。アルヴィスの両親エリーダとイストはかなり息子アルヴィスを
溺愛している。更に早とちりらしくレイチェルをアルヴィスの恋人と勘違いしていた。
「すまないな、母さんと父さんが」
「ううん、うちも同じような感じだから。今度、もし時間があったらうちにも
来なよ」
「そうさせてもらおう」