混血ですら無い人間
魔王学園の入学推薦状は最近、この地域シグルーンに引っ越してきた
レイチェル・レギンレイヴに届いた。彼女の母シドゥンと父エドラスは
二人して大喜びしていた。
両親の応援を受けて学園に足を踏み入れた。
「お前も推薦状を受けたのか」
黒髪の青年に声を掛けられたレイチェルは振り向いた。
彼の名はアルヴィス・エーデルワイス、その名前を聞いてレイチェルは
驚いた。今の世の中、魔王の名前はアイビス・アーデルハイドとされているが
それが間違いだと気付いているのはレイチェルとアルヴィス本人しかいない。
「ほぅ、そうだったのか。お前、名は何という」
「レイチェル・レギンレイヴ、つい最近魔族のいるここに引っ越してきたの」
「ここに来る前は人間が住む場所にいたのか。だがどうやってここに…」
アルヴィスの記憶の中に自身の持つすべてを使って勇者アドニスと共に種族間の壁
種族隔離壁を作ったことはある。そう簡単に抜け出せることはないと思っていたのだが…。
「こっちには義理の兄が住んでいて、その伝手を使って引っ越してきたの」
混血ですら無い彼女からアルヴィスはある力を感じ取った。暖かい、そして清らかな
聖なる光を感じ取った。まさか、そのまさかが本当かどうかはまだ分からない。
二人はそれぞれ入試試験に挑む。
魔族が住む国がシグルーンです。