第1章2部 相場
第1章2部 相場
小学生の頃は、時の流れがとても速い。
小林さんを好きになってからもう2ヶ月程経ち
2泊3日の泊まり行事、自然教室がやってきた。
残念なことに、小林さんと行動を共にする
ことも、友達も少ないため、
あまり楽しみではなかった。
行きのバス車内
俺の隣に座ってる人は本を読んでいる。
2つ前には友人がいたが、別の人と話し、
後ろでは俺もやってるゲームの話で
盛り上がっていた。
「え!お前もうボス倒したのかよ」
後ろの席のやつが言う
「あんなのザコだよ。余裕余裕」
その隣のやつが言った
すると、俺の2つ後ろが言った
「あいつ強すぎて勝てないよ…」
そこで、俺も話に乗ってみた
「あいつはね、炎に弱いぞ」
「…」後ろのやつは黙る
「…」その隣も様子をうかがう
「そうなんだ、へー…」
2つ後ろは、絞り出すように答えた。
なんだよ、その態度…
気分を落としながらもバスは会場に到着した。
宿舎は古かった。部屋は男女もちろん別で、
就寝も10時と、かなり早かった。
なお、守るやつなんてほとんどいない。
宿泊行事の夜は恋バナと相場が決まっているのだ
ここで俺の秘策を紹介しよう。
こんな時はその時1番人気の人を言えばいい。
小学生は流れに呑まれやすく、誰かが好きに
なる人を好きになることが多い。
ましてや、高嶺の花すぎてみんなの反応も薄い。
こうして毎晩乗り切っている。
大きな頭の中の小さな脳みそで考えた秘策だ。
ある奴が言った
「おい城谷、誰が好きなんだよ」
お、きたきた。こういう時ばかり
陰キャをからかう。答えてやるさ。
でも、ここで…
「えー、言いたくないなー」
こうすることで、嘘とバレにくくなる。
大事なことこそすぐには言わないものだろ?
「もったいぶんなよ、城谷くん」
まじめ系が言う。あんたも知りたいのかよ
「実はさ、堀内さんが好きなんだよね」
堀内さんは当時1番人気だ。
「なんだ、お前もかよ…つまんね」
「つまんないってなんだよー笑」
「俺も堀内好きなんだよー」
「そうなんだー」
「いいよな、堀内 愛美。どんなとこが好き?」
おっと、危ない危ない。えーと…
「あのポニーテールとか?」
どうにか答えた。
ある奴は言い返した。
「えー、俺はあの前髪だけどな」
そこかよ。と思いながらも無事回避できた。
小林さんだなんて言えるはずがない。




