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ある滑稽で臆病な鶏の話  作者: ナッツ
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第3章1部 ターニングポイント

第3章1部 ターニングポイント


ガラガラ…。

真っ白で綺麗な引き戸には、錆の抵抗が全く感じられない。

今日から俺が通う青鷺中学校は2年前に改装工事が施され、信じられない程ピカピカだ。

(ドクン…ドクン……)

受け取った生徒名簿を手に、4階にある1年4組までやってきた。

俊明が同じクラスだと知り、ものすごく嬉しかった。

ここに来るだけで随分疲れてしまったが、今の俺はそんなこと気にならない。

なぜなら…


「あっ、城谷くん…。」


なんでか知らないが、隣の席が小林さんだったのだ。

俺はこの出来事に驚きつつも、とてつもない幸福感に包まれていた。

隣の席にあの小林さんがいる。そんなことは小学校では1度もなかった。

「小林さん……」

俺はそれしか言えなかった。周りが皆、新学期ムードで盛り上がっている中、俺は

どうしても緊張してしまって話が繋がらない。

そんな俺を気にせず、小林さんは机にはられた「ご入学おめでとうございます」という

無責任な緑の貼り紙をずっと見つめていた。


「入学式の日に遅刻なんてする訳にはいかないよ」

そう言って家を早く飛び出たのが大失敗だった。実際、新生活が楽しみで胸の高鳴りが抑えられ

なかっただけなんて、親にはなんだか恥ずかしくて言えなかっただけなのだが。案の定、予定時間より30分以上

早く昇降口前に到着してしまった。

「ご入学おめでとうございます。」

そう言って全く知らない先生から渡された紙を、震える小さな手で恐る恐る受け取り、そっと中を見る。

「…えっ!?」

「どうかしました…?」

「あっ、いえ…なんでもありません。」

思わず声が飛び出てしまった。まさかこんな奇跡が起こるなんて…。思ってもみなかった。


「制服似合ってるね。」

なんて言えたなら、どれだけ良かっただろう。そんなこと思ってても俺には言えない。

黙りこくって15分。大柄の先生が教室にやってきた。自己紹介をするなり、俺たちは体育館に

移動することになったが、そこでもまた驚きがあった。とんでもなく体育館が広いのだ。

小学校の体育館の2倍…3倍はある。

木管楽器のトリル、トランペットの壮大なファンファーレから始まる吹奏楽部の

マーチに迎えられて、俺達はそんな体育館に入場していく。信じられないほどの緊張感の中、ダボダボで動きずらい学ランも相まってぎこちない入場行進になった。

この間何かの本で読んだことがある。長い入学式は友達作りのチャンスなのだ。…と言っても

小学校からの顔見知りが多く、わざわざ入学式中に喋るなんてしなくても大丈夫そうだが。

ふと隣を見ると、別の小学校だった人と目が合った。しかし、残念なことにその瞳は虚ろで、

ゴミでも見るかのような瞳をしていた。俺が何をしたというんだ…。


入学式の日からしばらく経った今、俺は重大な選択を迫られている。

科学部か、吹奏楽部か。

中学三年間を天秤にかけた、人生最大クラスの分岐点だった。

お久しぶりです。

「待ってた!」って人はいないですよね…。

とにかく、約2ヶ月も空いてしまってすみませんでした。


(追記:8/7 4月27日からなので約3ヶ月ですね。

謝罪すらまともにできなくて本当に申し訳ないです。)


これから先、毎週投稿は難しいです。

ペースは落ちてしまうかもしれませんが、必ず完結させます。

やる気の問題なので、ぜひ応援よろしくお願いします。

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