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感情

作者: 冬と珈琲

娘の方を待っていた方はごめんなさい。今回は短編です。2週間ぐらい放置していますがちゃんと娘の続きは書きますのでそれまでこの短編を楽しんで貰えれば幸いです。

俺は、1人で遊ぶのもみんなでワイワイしながら遊ぶのも好きだ。そんなことをふと考えていた時だった。


ブブッ


LINEが来た。誰からだ?と考えながらスマホをつける。


遥:明日何時からする?

佳月:俺は10時からOK

遥:他の奴らはどうよ。


それは、いつもの遊びの誘いだった。


「はぁー、めんどくせえな。」


つい小言を言ってしまう。だが、今日も学校でこいつらとバカ騒ぎして疲れているのだから仕方ないだろう。


「ん?」


ふと、胸が泥ついた感情に支配されていることに気づく。しかも、まるで地面にへばりついたしつこいガムのような粘着質のものだ。


「なんだこの気持ち。」


口に出してもやはりこの感情はよく分からなかった。


ブブッ


新田:ごめん、俺塾で遅れるわ。

遥:いいよ、他の奴らと先に遊びながら待っとくから。


混乱しているとまたLINEがくる。読むとさっきLINEを読んだ時以上に胸が泥つく。


「まさか、こいつらと遊ぶのが嫌なのか?」


LINEが来るまでふと思っていたみんなでワイワイ遊ぶのが好きという自分の考えと矛盾するような事を口にする。すると、泥ついた感情はやはり消えなかえったが少しだけちゃんとした形になった気がした。


「んんー、モヤモヤする。」


だが、これ以上考えてもこの感情については分からなかった。



「遅かったな。」

「ほんとそれな。いつもならお前遅刻とかしないのに珍しいな。」


あの感情がよく分からなかった俺は考えるのを諦めていつものように遊びの誘いをOKした。だが、こうして実際に友達と会うと分かってしまった。


(あ、こいつら嫌いだ。)


これまでの友達との思い出がフラッシュバックする。


(最初は大好きだったんだけどなぁ。)


そして、関われば関わるほど嫌いになっていくのだと気づく。


(でも、こいつらと遊ぶのは────。)


「おい、大丈夫か?」

「ん、おお。大丈夫大丈夫。」

「ほんとかー?」


思考を最後の最後で遮られる。舌打ちが思わず出そうになるが我慢していつも通りに返事をする。


「大丈夫だって。ほら、早く遊ぼうぜ。」



あれから1週間たった。だが、俺はあの感情に気づいてもいつも通り友達とつるんでいる。


ブブッ

遥:明日から夏休みだな。お前らもちろん遊べるよな。


LINEが来た。そして、やはり俺の胸にはどす黒いヘドロのような感情が湧き上がってくる。だが、俺は胸の感情とは真逆の笑顔でもちろんと返信をする。


「ふふ、楽しみだなぁー。」

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