お出かけ
暖かい目で見ていってもらえると嬉しいです!
俺達が向かった先は、冬休みにも来たゲームセンターである。
「久しぶりに来たわ。今日は何するの?」
「音ゲーと、あと試したいことがあってな」
この前夜更かししている時に、とある動画を見て、興味が湧いたものがある。今日はそれをやろうかと思っているのだ。
「へぇー、それやる時は私も呼んでね」
人に見せられるようなものでは無いのだが、仕方ないか。
「おっけ。神プ見せたる」
神プとは神プレイの略である。ま、俺はそこまで技術ないから冗談で言ったんだけどな。
「期待してるわね」
「任せとけ」
上手くいく確証はないが、言うだけなら無料だ。大口叩いておこう。
「中に入ろうぜ」
俺がそう言って、ゲーセンの中へ向かう。
自動扉が開くと、爆音が一気に俺らを襲う。
(あぁ……懐かしいな)
俺は、この雰囲気が嫌いではなかった。
音ゲーをやりこんでいた頃、音ゲーだけではなく、この場所が好きだから通っていた部分もあるのだ。
今となってはいい思い出である。
しかし、そう思ってるのは俺だけではなく、隣を歩く美咲希も、似たようなことを感じているのかもしれない。
「最近はあまり来ないわね」
「俺もだな。もう1人では来ない気がする」
ゲームに没頭していた頃に比べて、友人と遊びに来る程度でしかここに来ることは無くなっている。
なので、ここは馴染みのある場所ではあるが、少しの懐かしさを感じる。
そのような会話をしながら、俺らが最初に向かったのは音ゲーコーナーである。
俺も美咲希も、音ゲーを嗜んでおり、そこそこの腕がある。去年のクリスマス以来のマッチングだが、この際どちらの方が上か、決着をつけるのもいいだろう。
◆
「いい運動になったなぁ。ちくしょう」
「清々しいわね。気分がいいわ」
音ゲー勝負の結果は俺の負け。しかし、ゲーム内のレーティング機能による数字は俺の方が上なので完璧に負けたとは思わない。
「さーて、次だ」
今日の目当ては音ゲーではない。
せっかくゲーセンに行くのだから、身につけておきたいスキルを身につけようと思っているのだ。
「これって……クレーンゲームよね。悠眞嫌いじゃなかった?」
「金吸い取られるだけだから嫌いだったけど、昨日わかりやすい動画を見てな。これなら俺も行けるかもって思ったから試したい」
「そーゆーことね。じゃあ私は見てるわね」
いきなり大きいものは取れないので、まずは小さいぬいぐるみから狙ってみる。
「よく見るとこいつ可愛いな……ほしい」
「ほんとね。一日中見てられる」
景品は小さいひよこである。取れたら誰かにあげるか。
上級者にもなると、色々計算したりするのだろうが、超絶初心者の俺はそんなものわからない。200円でひとつ取れればいいほうだろう。
とりあえず1回やってみよう。
この筐体はスティックを動かしてアームを移動させるタイプで、60秒の時間制限の中でアームを下ろさなければならない。
どこに下ろせばいいか、なんて微塵もわからないので、取り出し口の前に積もった雪のようにたまっている部分にアームを落とす。
(運良く1つ取れればいいな。)
そう思っていたのだが、俺の予想とは裏腹に、クレーンは2つも景品を落とした。
「……これって才能?」
「まぐれね」
「ツッコミ鋭いな」
この会話に心地良さを覚えながらも、俺は美咲希に1つ提案をする。
「これ、いる?」
「ほしい」
俺の言葉が終わる前に、美咲希は食い気味にそう言った。
「じゃ、これ」
取れたひよこは黄色とピンク色があったが、俺は美咲希にピンク色を渡し、もう片方は俺が所持することにした。
「ありがとう。大切にするね」
「そうされるとそのひよこも喜ぶと思う」
そして、俺らはゲーセンを後にした。
◆
「次はどこへ行くの?」
「本屋」
美咲希の問に対して、俺は即答した。
「この近くにあるの?」
「ある。結構近いし、品揃え良いから期待してもいいぞ」
「へぇ。悠眞がそう言うの珍しいわね。期待しとく」
そうして、自転車に乗って、そこへ向かって行く。
夏の、湿った生温い風が頬をかすめる。
今日は気温も湿度も高くて、自転車をこいで5分と経っていないにも関わらず、俺は既に大量の汗をかいていた。
「悠眞、大丈夫? 水分補給してる?」
「ん……大丈夫。今日水筒持ってきてるから。本屋着いたら飲む」
そんな美咲希は、ほとんど汗をかいていない。そういう体質なのだろうか。
それから自転車をこぎ続けること数分、目的の本屋に着いた。
「へぇ……結構でかいのね」
「そうな。ここ本当に品揃え良いから覚悟しろよ」
俺最初にここ来た時びっくりしたもん。マジで。
店内へ入店すると、冷房の涼しさを体全体で感じる。
快適だなぁ。
「広いわね」
「そりゃ外観あんだけでかいからな。こっち」
「ん」
月に数回来ることがあるので、店の内装はほとんど記憶している。
美咲希を案内しつつも、高揚感を抑えながらラノベコーナーへと足を運ぶ。
「……いつ見てもすごいな」
「ほんとにすごいわね……」
区画一面に並んでいる大量のラノベを見て、俺らは感想を漏らす。
「こんな所があるなんてね。今度から来てみよ」
「誘ってくれればいつでも着いてくぞ」
「ありがとう」
会話をしていたが、俺らの目線はずっと本棚に向けられていた。
俺の予算は3000円。4冊程なら買えるだろう。
ここには、俺が名前を聞いたことの無いような本が豊富にあり、それらが目に映る度に興味心をくすぐられる。
美咲希もそんな感じで、本を手にとっては本の裏の文章を読んでいる。
「良さげな作品あるか?」
「どうだろ……全部良さそうなのよね。そっちは?」
「こっちもそんな感じかな。開いて数ページ読まないとまだなんとも」
面白い作品は最初から面白いって誰かが言ってた気がする。
とは言っても、俺はいつも直感で選んでいるので、本当に困った時にしかページをめくらない。
それから、俺らは2時間をそこで過ごした。
更新遅れました。申し訳ないです。
生きてます!!これからも書きます!!




