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波乱万丈の夏休み③

リア充展開!早速タイトルを回収(?)しましたね!暖かい目で見てください

「お、俺は、図書室で君と会った時から、君が好きだ。一目惚れだ。よかったら、俺と付き合ってほしい」

 あー、言っちゃったよ俺。もう元の関係には戻れないよなぁ……

 でも、最初の一言に勇気を捧げれば、後はスラスラ言葉が出てくるものだな。

 俺は、暗い表情で返事を待った。

「うぅ……」

 そこには、顔をくしゃくしゃにして泣いている小野塚がいた。

「え!?なんで泣いてるの?そんなに嫌だった?」

「ちがくて…悠眞と付き合えたらどれほど楽しいんだろうって思って……それが叶うって思わなくて……」

 なん……だと……?

 小野塚がそんな事を?いやまて、聞き間違いか?いや、そんなことは無い。ここに来て聞き間違いとかそんな難聴グセはない。

「てことは……」

「私って、相当めんどくさくて、相当嫉妬するわよ?それでもいいの?」

「ああ、望むところだ」

「ホントにいいの?私、彼氏出来たこともセックスしたことも無いわよ?」

 うおマジか。こいつ、非リアで処女か。

「それでも、私と付き合ってくれる……?」

「当たり前だろ。これからよろしくな」


 それから、上機嫌で家に着いた俺と、やっと泣き止んだ小野塚を見て、一番最初に勘違いしてきたのは葉月だ。

「おにいなに女の子泣かせてるの?最低……」

「いやまて、違うから。ほんとに違うから大悟までそんな目で見ないでくれよ……」

「美咲希、悠眞に何されたの?」

「突然告白されてびっくりしただけよ」

 こいつ、ずいぶんはっきり言いやがるな。

「「「!?」」」

「おにいが美咲希さんに!?冗談じゃなく!?ええ!?」

「あの非リアの悠眞が!?マジで言ってんのか!?夢じゃないよな?葉月、ちょっとほっぺつねってくれないか?」

 お互いにほっぺをつねあって、夢じゃないことを確認する大悟と葉月。随分と古典的な確かめ方だな。

「えーと、美咲希さんの返事は?」

「その……こんなめんどくさい私でもいいならよろしくって……」

「「「!?」」」

「えー!カップル成立!?悠眞まじか!美咲希もよかったじゃん」

 ああ、一番めんどい小鳥遊が出てきてしまったか。

「そんなことより飯は?そろそろ腹減ったんだけど」

「ああ、そうだった!小鳥遊さんがさっきからずっとうるさかったんだよ!お腹減った〜って!ずっと言ってたの!」

 そう言って妹は俺から受け取った袋を持って台所へ向かっていった。

 ご飯を食べた後、風呂に入り、俺はすぐに寝た。


 次の日の朝、俺の家にいた大悟達の姿は無かった。

 妹に聞くと、小野塚と俺をいい感じにするために今回、あいつらは泊まったらしい。

 それで、俺が告白をしてOKをもらったのでその必要はなくなり、帰ったと。

 大悟と小鳥遊は出ていく時、応援してるからって伝えておいて!と言ったらしい。

 小野塚は?と聞くと、俺と顔を合わせるのが照れくさいからと言って、帰ったとのこと。

 嵐が過ぎ去り、我が家はちょっぴり寂しくなるなと思いつつも、朝ごはんを食し、また部屋に戻りラノベを読んで寝て、またラノベを読む。当初の予定通りである。

 1日中そうやって過ごし、することが無くなったのでもう寝ようかと思った時、携帯が鳴った。

『明日暇?』

 小野塚だった。

『暇だけど、なんで?』

『明日一緒に遊びに行かない?』

『いいよ、人数は?』

『2人だけよバカ』

 怒られた。

『ごめんごめん、冗談だよ』

『全く……次やったら許さないわよ』

『気をつけます。集合時間と場所教えて』

『私があなたを起こしに行くわ。寝てそうだし』

 よくわかってるじゃないか。

『おっけ、じゃあ気負いなく寝てます』

『寝てたらたたき起こすわよ』

 うわ怖っ!

『早起きします』

『よろしい』

『それじゃ、俺もう寝るね。おやすみ』

『おやすみなさい』

 俺は目を閉じ、眠りにつこうと……して、気づく

 これ、デートじゃね?


 次の日の10時過ぎ、インターホンが鳴った。

「はづきー!出てくれー!」

 妹に出てもらい、俺は着替えをはじめる。

 おそらく家に来たのは小野塚だ。

 なので、状況を把握している葉月は時間を稼いでくれるはずだ。

 そして、いつも通りの私服に着替えた俺は、リビングへ向かう。

「あー、ねみー……」

 俺の呟きに反応したのは葉月だった。

「おにいもっとちゃんとしたら?今日デートでしょ?」

 ああ、やっぱデートなのな。

 葉月の隣にはやはり小野塚がいた。

「お、おはよう……その、この服似合ってるかしら……」

 黄色いTシャツに暗い青のスカート。

 膝上の、太ももがチラッと見える程度の長さである。

 うむ、これは似合っている。

「とても似合ってる」

 俺は本心からそう告げる。

「そう……ありがと」

 そう言って、照れている。

 正直言って可愛い。とても可愛い。


 妹に行ってくる、といって俺らはデパートに向かった。

 小野塚曰く、買いたいものがあるんだそう。

 買いたいものってなんだ?と俺が不思議に思っていると

「着いたわ」

 そういって俺らがついたのは服屋だ。これよくあるヤツで、俺にどうか評価しろってヤツだろ。

「服を買いたいんだけどどの服が似合うかなんてわからないから、どうか見てほしいの」

 ほいきた。正直言って俺はファッションなんてわからん。

「あの、すみません。こいつに似合いそうな服、選んでくれませんか?」

 俺は店員にそういって、その店員は小野塚を頭のてっぺんからつま先までゆっくり観察した後

「お任せ下さい!とびっきり可愛くしますね!」

 そう言って、何着かの服を持って2人で試着室に入っていった。あ、もちろん店員は女性。

 それからというもの、可愛い系の服、クール系の服など様々なものを着せされた小野塚は、しばらく恥ずかしそうにしていたが、自分の気に入った服や、俺が推した服を買っていた。

「全く、凄く恥ずかしかったわ」

「そーゆー小野塚だって満更でもなさそうだったじゃないか」

「美咲希」

「え?」

「美咲希って呼んで」

 あまりにも声が小さかったので

「ごめん、よく聞こえないからもう1回言ってもらっていいか?」

「美咲希って呼んでって言ってるの!何度も言わせるなバカ!」

 今日一番の大声を出した小野塚……いや、美咲希はその後しばらく口を聞いてくれなかった。

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