波乱万丈の夏休み……になる予感
4話目です。
読んでアドバイスなどくださると嬉しいです
野球部の助っ人をしてから時は経ち、7月の下旬から始まるビックイベント、夏休みが始まった。
省エネ主義なので、家から出る気はない。ニートと言うやつだ。
夜遅くに寝て、昼に起きる。夏休みの初日はそうやって過ごした。
寝起きだったので、軽い昼食をとって、また部屋に戻る。
1時間ほど経って、妹が俺を呼んできた。
「おにい、お客さんだよー」
は?客だと?誰だ?俺の家を知ってる友達なんてほとんどいないぞ……いやマジで。
「新聞の勧誘か?だったら断ってくれ」
「はあ?なんで新聞の勧誘にいちいちおにいを呼ばなきゃいけないのさ。普通のお客さんだよ。多分おにいと同じ高校の」
ますますわからん。
大悟あたりか?
「わかった、今行く」
誰か確認したら、俺は腰が抜けるほど驚いた。
そこにいたのは、予想通り大悟。
その隣に小鳥遊凛花、小野塚美咲希と並んでる。
「……色々と言いたいことがあるんだが、とりあえず何しにきた?」
「いやさー、お前の隣の小鳥遊さんがよ?お前のこと聞いてきて、多分家で寝てるか本読んでるかどっちかだと思うって言ったら、じゃあ家に行こうよ!って言ったから……おい待てよ、俺は悪くないんだ!頼むからそんな殺意のこもった目で見ないで!」
こいつを殺すつもりで睨んだ。
「よお悠眞。来てやったぞ!」
「おつかれさん、じゃあお前ら帰れ」
小鳥遊の言葉に、俺は冷たく返す。
そして俺は扉を閉じ、鍵を閉め、部屋に戻る。
5分後、リビングがなんだか騒がしいことに気づく。
様子を見に行くと、そこにはさっきのメンバーがリビングのソファーでくつろいでいる。
「お前らなんで入ってんの?」
俺の素朴な疑問に
「葉月ちゃんが入れてくれたのよ。そもそもあなた暇なんでしょ?凛花の話を聞きなさいよ」
小野塚に言われるとはな……
「わかったよ。話を聞くからとりあえずゆっくりしてけ」
半ば諦めたように素っ気なく返す。
「意外と素直なのね。もっと反抗してくると思ったわ」
「昔1度妹と喧嘩したことがあったんだけど、その時精神的に負けたからな……」
昔話に顔をしかめる俺を見て、小野塚はそれ以上聞いてこなかった。
「みなさん、お茶持ってきましたよ!」
そう言って妹がやってきた。
「で、お前らほんとに何しにきた?」
俺の問に答えたのは小鳥遊だった。
「あ、そーだった!海行こうよ海!」
その言葉にみんなは賛成している。なぜか妹までその話乗った!とか騒いでる。
俺は、軽くため息をつきながら
「今更俺が嫌だなんて言っても強引に引きずり出すだろ?好きにしろ」
そういって、今日俺の家に泊まり、次の日海に行くことになった。
ついでに言うと、両親は夏休みが始まる1週間前に2人だけで旅行に行っている
その日の晩。
急遽泊まることになった3人のために、妹がカレーを作っている。
ほんとに何でもできる妹だな。
カレーが出来上がるまでの間、俺達はテレビゲームで遊んでいる。
そのテレビゲームは簡単なもので、相手にダメージを与え吹っ飛ばす、要するにス〇ブラである。
ゲーム大好きな俺は、昔1日中やっていたことがあるのでそこそこ強い方である。
大悟を先にぶっ飛ばし、女性陣はゆっくり痛めつける。
とはいっても、全力でやるのではなく、程々に手を抜いてやっている。
それでも初心者ばかりのこのメンツでは俺をぶっ飛ばせるほどのやつはいない。
必然的に圧勝である。
そして、もう1回痛めつけてやろうと思い、油断して挑発していた俺は開始3秒でぶっ飛ばされた。
この中で俺をぶっ飛ばせて、さっきまで参加していなかったやつといえば……葉月だ。
俺は、リスポーン時の無敵時間を利用し、横を確認する。
そこには、小野塚に変わってプレイしている妹がいた。
「……上等だ。涙目にさせてやる。」
声のトーンで本気だということを察した葉月は
「やってみやがればかおにい。日頃の恨みをぶちまけてやる……!」
どうやらあちらも本気のようだ。
そこからは凄まじかった。
邪魔な大悟と小鳥遊は秒でぶっ飛ばし、俺と葉月の1体1となった。
両者腕は互角で、なかなか攻撃が当たらない。
気を抜いて攻撃に当たると即行場外。
2回場外になると復帰不能。負けだ。
不意打ちで1回やられた俺は不利だが、何度も逆境に打ち勝ってきた自信が俺を味方する。
そして、妹を1回場外にして、お互いに次ぶっ飛ばされたら負ける状態になった。
そこで俺は、少し距離を取り、落ち着く。
このゲームは実力が同じ相手とやる時、冷静さを欠いた方が負ける。
そして、昔から妹が嫌がる攻撃を仕掛けて冷静さを欠かせ、隙ができた時を見逃さずに場外へ運ぶ。
「勝利は我のもの!ふはははは!!」
「何でいつもおにいに勝てないの……?」
もっといじめてやろうと口を開こうとしたら
「貴方達、熱中するのはいいけどカレー冷めちゃうわよ?」
すっかり忘れてたカレーを、小野塚が思い出させてくれた。
最後まで読んで下さった方、どうでしたか?
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