青春
暇な人、読んでくださると光栄です。
墓参りが終わった後、こっそり小鳥遊と連絡を取り合って、美咲希を驚かせよう計画を進めていた。
「大悟、小鳥遊達どこにいるって?」
「あそこのデパートだってよ」
「そうか、ちょっと急ぐぞ」
そう言って、俺達はちょっとだけ急いでデパートに向かった。
デパートについて美咲希を見つけるのに、そんなに時間はかからなかった。
だって、あれほどの美少女を見つけるなって言う方が難しいもん。
さてと、じゃあやりますか。
トイレに行った凛花を待っていた時のことだ。
悠眞とのLINEに夢中になり、人にぶつかってしまった。
「すみませ――」
そこで、私は大きく目を見開いた。
なぜなら、そこにいたのは――
「よお。元気にしてたか?」
悠眞だった。
「なん……で?」
その時の私はどんな顔をしていただろう。
あまりにも驚いていたので、そんな言葉しか出なかった。
「墓参りを早く終わらせてお前を驚かせに来た」
「ほんとに驚いたわよ。心臓止まるかと思った」
にひひ、と不敵な笑みを浮かべている悠眞。
「それで、だ。俺は小鳥遊に協力していた訳だが、あいつに知らせてないことが一つあるんだわ」
そう言いながら、凛花の方を見ている悠眞。
つられて、私もそっちを見る。
「おー、悠眞来たかー」
満足気な表情の凛花。の後ろに。
「なぁ、あいつどんな表情すると思う?」
大悟がいるのだ。
その事を凛花は知らされてないはずだ。
逆ドッキリってやつだ。
「お二人さん会えて良かったねぇ」
「おう、まぁな。協力サンキュー」
悠眞が知らんぷりして答える。ポーカーフェイス上手い。私なら既に吹いている自信がある。
「このぐらいのことならいつでも手伝うよ」
右手でピースを作りながら笑いかけてくる凛花。
そして、大悟が凛花の肩に手を伸ばした。
その瞬間に、凛花は反射的に後ろを向いた。
「……へ?」
凛花の間抜けた顔を見た大悟は、満足気な笑みを浮かべ
「よ、久しぶりだな」
どこが久しぶりなのかよくわからないが、まさか凛花の方にもドッキリが仕掛けられているなんて思わなかった。
Wドッキリと言うやつか。
「大悟も来てたの……?」
「おう」
リア充爆発しろ。
あ、特大ブーメランを投げてしまった。
「ねぇ悠眞。これから何するの?」
「うーむ……全く考えてない」
アホかこの人は。
まぁ、そういうところも好きなのだが。
「全く……葉月ちゃんは?」
「あいつは今家で色々準備してる。LINE送ったらみんな連れて帰ってこいだって」
「ちゃんと考えてるじゃない」
「まぁ一応な」
そんなこんなで、私達は合流出来た。
ここのデパートは、中高生にとってはいい距離で、休日になると同じ歳ぐらいのヤツが結構いる。
当然、そこには知り合いがいる訳で。
「お?悠眞じゃーん!おひさー!」
中学時代のクラスの女子や、
「悠眞か。隣にいるの彼女?」
仲の良かった男子などがいた。
俺はそれを全て捌き、めんどくさいのでこちらに気づかないのは無視だ。
「知り合い多いなぁ……変なやつに出会わなければいいのだが」
「……ねぇ悠眞。フラグを建てないでくれるかしら?」
「大丈夫だ、問題ない。こんなフラグが回収されるわけなかろう」
やべぇ、フラグ建てすぎた。これなんかあるわ。
そう思っていると、
「あれ?先輩何やってるんですかー?」
やっぱなんかあったわ。高原美鈴が現れた。
「また私のことを無視したわね」
「ああ、いたんですか。すみません気づきませんでした」
「へぇ、上等じゃない。そこまで言うならどちらが上かやってやろうじゃない」
なんでこいつらは会う度に喧嘩をするのだろう。わけわからん。
止めないと、大変なことになりそうだったので、仕方なく止めに入る。
「お前ら落ち着け。他の人の迷惑になるだろ」
「ここは悠眞に免じて見逃してあげるわ。次はないと思いなさい」
どっかの悪役っぽい台詞を吐き捨てた美咲希。
「美咲希先輩こそ、怖気づいて逃げないでくださいよ?それじゃ、悠眞先輩、また会いましょう」
そう言って、美鈴は人混みに紛れていった。
「……ねぇ悠眞。あの子の気持ちに気づいてないの?」
「は?なんのことだ?」
全く訳が分からなかったので、俺はそう言った。
「……そう。鈍感なのね」
鈍感?どういうことだ。
今の美咲希の言動と、今までの美鈴の行動。思い返してみると、やたら俺に話しかけてきたな。
もしかして、美鈴って――
そこまで考えた時、どこかへ行っていた大悟達が戻ってきた。
「おい悠眞、向こうにお前の買いたかった新刊あるぞー」
大悟が陽気な声で言ってきた。
「ん?あー、マジか。買ってくるわ」
「私も行くわ」
「2人とも、楽しんでね」
凛花が何か言っていたが、気にすることなく本屋へ向かった。
午後2時、葉月に戻ってこいと言われて、のんびりまったり俺の家に向かっていた。てか、もう俺ん家に行くのパターン化してねーか?
遊び行く→葉月からLINE来る→俺ん家向かう。
まぁ、今を楽しめればいいか。
この瞬間は、今しか生きられないのだから。
後から悔やんでも遅いし、歳をとって笑い話にできるような今を過ごしたいと思う。心の底から。
今を全力に生きずに、中途半端な状態で過ごし、なんの面白みもない時間を過ごしてたらつまらないじゃん。省エネ主義の俺が言うのもあれだけど。
俺は俺なりに楽しい生活を送っている。これから先どう思っているかなんて知らないが。
だからかな。俺は昔、高校生や大学生に憧れた。
自分の好きなこと見つけて、それに向かって全力に進んでいたからかな?輝いて見えた。
友達と愉快に笑って、真剣に悩んだり、ふざけあったり。そんな風になりたいと思った。
今の自分はそうなれているだろうか?
部活もバイトも何もしていない自分が、輝けているのだろうか。
わからない。答えは出ない。多分、そういうのって自分では見られないのだと思う。
他人がお前は輝いているって言わなければ、輝いていないのかもしれない。
「悠眞、どうかした?」
ふと声をかけてきたのは美咲希だ。
「ん?いや、なんもないぞ」
「ならいいんだけど、さっきからぼーっとしてそろそろ交通事故起こしそうだったわよ?気をつけてね」
俺のことを大切に思ってくれる彼女。
そんな人がいるだけで幸せじゃないか。部活もバイトもしていないのなら、全力で恋をしようじゃないか。
将来子どもに自慢してやろうじゃないか。こんなに素晴らしい彼女がいた、って。
「ちょっと考え事しててな。でも解決したからもう平気だ」
「そう。ならよかった」
そうして、俺らは、俺の家に着いた。
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