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休日

大幅に更新遅れました…

新学期が始まり、色々とばたばたしてました


 それから誕生日会は続いた。

「おい大悟!お前LINEの文クソ腹立つんだよ!どーにかしやがれ!!」

「そんなこと知らねーよ!大体そう思ってんのお前1人だろ!」

 馬鹿なことで争い始めた俺と大悟。

 原因は親父とお袋。

 酔った勢いで何か言い合っている。2人ともろれつが回ってなくて、何を喋っているのかわからんが。

 その勢いのまま、俺は美咲希に言う。

「美咲希はなんでそんなに可愛いんだよ!!」

「お前意味不明だからな?」

 と、大悟がツッコんでくれる。

「悠眞もかっこいいわよ」

 謎に美咲希が俺の腕に抱きついてくる。

 そしてそのまま離さない。

 いやまぁ離さなくていいんだけど。

 しかし、こいつほんとキャラが掴めないよな。普段は落ち着いてるのにこーゆー騒ぎ事は好きだし、俺の気持ちをそのまま伝えると照れたり今のように積極的に動く時もある。

 謎すぎる。

「大悟、あたしも好きだよ♡」

 向こうもなんかやってる。

「しょうがないからおにいで我慢してやるか」

 そういって、葉月が俺の空いた方の腕に抱きついてくる。

 胸当たってんだけど?

「あら、悠眞をとることはいくら葉月ちゃんでも許さないわよ?」

「いーじゃないですか。今日だけですよ。それに兄妹なんだし恋愛に発展することは無いですよ、多分」

 こいつ今多分って言ったか?

「そーゆーことならいいわ。今日だけ特別に許可してあげる」

 またあっさりと許可するなぁ……

 そして、俺はしばらく無になった。


 それから数時間、20:00。

 美咲希の誕生日会は無事に終了した。

 俺はと言うと、珍しく美咲希を送り届けている。

 特に会話はなく――というか、携帯を見ている美咲希はどんどん不機嫌になっていく。

「美咲希さん?どうかしましたか?」

 少し怖くて、敬語になってしまう。

「……ねぇ悠眞。ちょっとこっち来てくれる?」

 怒りを含んだその声に、俺は逆らえるはずもなく。

 言われた通りに美咲希の傍に行く。

「これはどういう事かしら?」

 美咲希が見せてきたのは、今日の昼頃、美鈴に抱きつかれている写真だった。

 美咲希が立ち上げているアプリは、Twitterだ。

 俺はLINEを情報の川、Twitterを情報の海と勝手に解釈している。

 なので、あまりTwitterは見ないのだが……

 見たところ、投稿主は美鈴。

 あいつ何してくれる。

「それはですね、スーパーに買い物を頼まれて行った時に偶然鉢合わせた美鈴に抱きつかれたんです」

「へぇ……ふーん」

 明らかに不機嫌な美咲希。

 不機嫌なまま美咲希を帰らせるのは、後味がスッキリしないので、俺は美咲希に近づくと、そのまま唇を押し当てる。

 その状態のまま数秒。美咲希は抵抗するどころか、求めるようにして俺に抱きついてきた。

 そして、ゆっくりと唇を離すと

「ごめん、悪かった」

 俺がそう言ったら、美咲希は

「他の女の子、好きになったりしない?」

 と、不安の混じった声で言ってくる。

「俺が好きなのは美咲希だけだ。今までも、これからも」

 安心させるために、俺は静かに、力強くそう言った。

「そこまで言われると照れるじゃない……」

 先程までの態度とは全然違う、安心しきった声。

 それに俺は安堵を覚える。

 暗くてよく見えないが、美咲希の事だから顔は真っ赤だろう。

 そうして、俺らの企画したサプライズパーティーは幕を閉じた。


 それから1ヶ月と数日経ったある日。

 クリスマス2日前。

 リビングにて、これまた葉月が唐突に

「パーティーやろーよ!クリパ!」

 どうしてこうもパーティーが好きなんだ妹よ。

 でもまぁ、特にすることないし、やるか。

「まぁいいだろう。具体的には何するんだ?」

「今日で終業したし、泊まりを考えています」

 ふむ、そうか。

「別にいいんじゃね?両親はなんて言ってるんだ?」

「『俺らは明日から旅行してくる!楽しめ!』だって」

「ならいいだろう。企画はそっちに任せるわ。俺もう寝る」

 企画がめんどくさかったので、適当に言った。


 次の日、12/24。

 クリスマスイヴに俺は美咲希から出かけようと誘われていた。

 だが、その日はばあちゃんの墓参りに行かないといけないので、断った。

「……なぁ葉月。こっから墓まで何分ぐらいだ?」

「んー、大体15分かな。でも、花と線香とか買わないといけないからもっとかな」

 なら午後には間に合いそうか。

 それなら……

「なるほど、よくわかった」

 出発予定が1時間後の9:00だから、10:30にはここにつけるか。

 そこから昼ごはんを食べてと色々あるから……

 小鳥遊に協力してもらおう。ついでに大悟にも。

『なぁ小鳥遊、暇なら美咲希とどこか行ってくれないか?』

 すると、秒で既読がつき

『いいよ!』

 と来た。

 次は大悟だ。

『午後から遊べるか?』

 こちらも秒で既読がつき、

『おう!』

『じゃあ遊ぼうぜ。詳しいことはまた後で言うわ』

 そう言って、俺は墓参りに行った。



 悠眞に断られてから数分、凛花から出かけようと言われた。

 もちろんOKを出して、準備を済ませる。

 凛花が家に来てくれると言うので、私はゆっくり待つことにした。

 そしてさらに数分、凛花が到着した。

「おっはよー!元気してた?」

「相変わらず元気ね。私も元気よ」

 適当に返す。

 この娘は朝からテンション高すぎる。

「そっか!じゃあ行こ!あたし買いたいものあるんだよね〜」

「わかったわ、行きましょう」

 そう言って私たちは出発した。


「ねぇ凛花、何を買いたいの?」

「んー、いろいろ」

 デパートについて、歩き回ること30分。

 私達はどこの店にも入らず、同じ階を彷徨っている。

「実はさー、今月もう4362円しかないんだよね……だから考えないとすぐ無くなっちゃう」

 凛花が苦笑しながら言ってくる。

「また微妙な数字ね……」

 そういう私も、もう残りは5000円とちょっとしかない。

 私は小遣い制で、月7000円ほど貰える。毎月1000円は貯金するので、そんなに使えないが。

 もちろん、あまりお金を使わなかったりすると、余った分は貯金をする。

 それがかれこれ数10ヶ月続いているので、貯金はかなりある。使い道は考えていない。

「んー……これ買おうかな……」

 まだ悩んでる凛花。

 見ているのは文房具だ。

「ノート切れたの?」

「うん、この前の授業でね。ついでにシャーペンと消しゴムも買おうと思ってるんだ」

 そこそこの値段がする文房具屋にいるので、これは経済的につらい。

「このあと何か買うの?」

「ラノベ買おっかなって考えてる」

「何冊?」

「2~3かな、そんなにお金ないし」

「へぇ、大変ね」

「うん……」

 そうして、数10分悩んだ後、凛花は1番安いシャーペンと消しゴム、ノートを購入した。


「んー、これで1000円以上飛んだのか……辛いよぅ……」

 そう言ってしょんぼりとしている凛花。

 慰めようと思ったが、何も思いつかなかったのでやめた。

「美咲希、ちょっとトイレ行ってくるね」

「わかったわ。買い物袋持ってあげるわよ」

 凛花が私に買い物袋を渡した後、トイレへ駆け込んでいった。

 そんなに我慢していたのだろうか?

 そんなことを思っていると、ふと携帯が鳴った。

『楽しくやってるか?』

 そのメッセージは悠眞からだった。

『ええ、凛花に振り回されてばっかりだけど、その分退屈しないから楽しいわよ』

 私は本心を告げる。

 悠眞以外の人には、こんな無愛想な文を送らないだろう。それだけ、私は悠眞を信じている。

 ……悠眞がどうなのかは知らないが。

『そか、それはよかった』

「全く……どんな顔で文字を打っているのやら」

 微笑を浮かべて、誰にも聞こえないような声でそう言った。

『そっちはどう?もう帰った?』

『おう、絶賛ゴロゴロ中だぜ』

『少しは動きなさいよ……』

『へーい』

「ほんと返事が適当ね、この人は」

 まぁそういう所も好きなのだが。

『で、今どこにいるの?』

『デパート2階のトイレ付近にいるわ』

『へー、そうなんだ。凛花待か?』

『あら、よくわかったわね』

『まぁな、伊達だてにいつもお前らの近くにいるわけじゃないからなw』

 私が文字を打つのに夢中になっていたら、どん、と背中に軽い衝撃を感じた。人とぶつかってしまったのだ。

 こんなんじゃ携帯依存症ね、と心の中で自分自身に向けてそういった後、振り向いて

「すみませ――」

 そこまでいいかけて、私は目を大きく見開いた。


最後まで読んでくださった方、ありがとうございます!感想を頂けると光栄です。

これからは1週間に1度、多くて3度のペースで更新していこうかと考えています!

これまでも、これからも応援してくれる方がいると信じて、頑張っていこうと思います!

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