表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/93

リレー小説

のんびりまったりです!

感想など貰えると大いに喜びます!(笑)

暇つぶし程度に読んでいってください

 デパートに入り、まっすぐ映画館へ向かった俺ら。

 理由は、小鳥遊がネットで買ったものを、発券するためだ。

「小鳥遊、悪いな。ほいこれチケット代の1000円」

 俺に続き、葉月、美咲希、大悟が次々に小鳥遊に1000円を渡す。

 15:55〜と書いてあるので、まだまだ時間に余裕がある。

「なにする?軽く2時間は潰さないと行けないんだが…」

 その俺の提案に、小鳥遊が

「はいはい!じゃあベンチに座ってリレー小説書こうよ!」

 リレー小説とは、複数人で小説を書くことだ。大体、素人の俺らがやってもぐちゃぐちゃになるだけだが…

「まぁいいだろう。みんなもいいべ?」

 俺が同意を求めると、異論はないようで。

「じゃ、トップは小鳥遊な。言い出しっぺだから」

「よかろう!あたしが超面白いの書いてやる!」

 その自信はどこから来るんだ。

「じゃ、グループのノートに書いて終わったら投稿してくれ。俺コンビニ行って飲み物とか買ってくるわ」

「おにい、私ミルクティーで」

「じゃ俺コーラ」

 そう言って、俺に金を渡してくる。

「はいよ。美咲希は何かいるか?」

「私は一緒に行くわ」

「おっけ。じゃ、大悟。葉月もちゃんと守ってくれよ?」

 そう言い残して、俺らはここから歩いて7分ほどのコンビニを目指す。

「いきなり過ぎるよなー。リレー小説なんて」

「そうね。でも、楽しそうじゃない?」

「そうだな。ここまで来たらとことんやるか」

「きっと見る価値もない作品が出来上がってるわよ」

 そう言って微笑んでますけど、相当ひどいこと言ってますよね?

 そういった会話をしながら、俺らは買い物を済ませた。


「戻ったぞー」

 俺は、買い物袋を見せながらそう言った。

「おにいお疲れー」

「悠眞さんきゅ」

 ミルクティーとコーラを渡す。

 ふと小鳥遊の方を見ると、真剣な顔で携帯を見て、ものすごい速度で文字を打っている。

「こいつはずっとこんな感じなのか?」

「開始5分からね…どんなものが出来上がるんだろ」

 それを口にしたのは葉月。

「俺の予想だとやばいのが出来上がる」

「私もそう思うわ」

 俺と美咲希が言うと、

「実は俺もそう思う」

 と、大悟が笑いながら言っている。

「うーん、そうかなー?面白いのができそうな気がするけどなぁ…」

 こいつマジで言ってんのか。

 まぁいいや。

「まぁあれだ、まだ時間かかるだろうし、お菓子でも食べようぜ」

 買ってきたポテトチップスを開けて、2、3枚取り、口の中に放り込む。

 幼い頃から食べているが、飽きないのは何故だろう。

 俺が食べていると、横から大悟がポテチの袋に手を入れた。

 ゴソゴソやっていたので、大悟の空いている方の手を掴み、無理やり袋を持たせた。

 そして、さっき自動販売機で買ったカフェオレを飲む。

 しょっぱかった口の中に、僅かな苦味が広がり、その後に甘みが広がる。

 やっぱカフェオレいいわー。

 そう思っていたら、不意に小鳥遊が声を上げた。

「よしっ!出来た!」

 その瞬間、グループに通知が入った。

『ノートが作成されました』

 それは、およそ1000文字の小説だった。

 小鳥遊が超面白い物語を書くって言っていたので、ちょっと期待しながら読み進めて言った。

「…小鳥遊さん?これは何ですか?」

 俺の質問に、小鳥遊は

「どうだ!面白いだろ!」

 と、上機嫌に言ってくる。

 正直いって、小鳥遊の小説はクソだ。

 主人公と思われる人が死んでるし、あとの人の事を全く考えていない構成で、繋げにくい。

 世界観は異世界で、バトルものだが、武器の紹介が雑で、誰がどの武器を持っているかわからない。

 登場人物はまだ3人だが、これから増えることを考えると厳しい。

「じゃあ次の人指名してください…」

 俺が力なくそう言うと、小鳥遊は

「悠眞頼んだ!」

 と言ってきた。

「はあ!?俺?」

 間髪入れずにつっこむと

「大丈夫!悠眞ならいけるよ!」

 何を根拠にそんなこと言ってくるんだこいつ。腹立つなおい。

「わかったわかった。こんなものの続きなんて他のやつがやるともっととんでもない方向に行きそうだしな。俺が路線変更してやる」

 俺が言うと、おお〜と歓声が起こる。

 でも正直小説書いたことないし、こんなめちゃくちゃな物語も読んだことないし、読んできたラノベから参考に出来そうなやつもないし…最悪だ。

 とりあえず死んだ主人公はヒロインが蘇生させるって方向でいこう。

 小鳥遊が書き上げたのがおよそ30分だったな。となると、俺も30分ぐらいになるのか?

 そんなことを考えながら、書き進めていく。

 日頃の妄想から、ネタだけは大量にあるので、書きたいやつをぶち込んだ。

「…ふぅ。出来たぞ」

 ため息をつきながら言った俺の言葉に

「はやっ!てかちゃんと文になってるし!?主人公生き返ってるし!」

 と驚いたのは葉月だ。

「じゃ、次葉月な」

 俺の書いたやつは1500文字ほどで、伏線も張っていて次書きやすいはずだ。

 俺は携帯で時間を確認すると、書き始めてから10分ほどしか経っていない。

 あら、俺書くの速いですね。

 葉月が、む〜だのむぐっ、だのわけのわからん言語を発し始めたので、放っておく。

 こいつがこうなる時は、集中してなにかに取り組んでいる時だ。

 こんなんなのに何でモテるんだろう。謎すぎる。

 心配そうに葉月の方を見ている美咲希達。

 俺はそれを見て、

「あれは気にすんな。そのうち治るさ」

 と言って、買ってきたお菓子を食べ進める俺であった。


「はー、出来たっ!」

 やり遂げだぞ!みたいな顔で言ってくる葉月。

「おーそかそか。おつかれ」

 そう言って、俺は葉月の書いた物語を読む。

 俺の張った伏線をちゃんと回収してる。

「俺の伏線ちゃんと回収したんだな」

「いやむしろあれに気づかない人なんていないでしょ」

 と、得意げに言っている。

「じゃーほら指名しろ。俺が早かったからいいものの、このままだと時間ぎりぎりになるぞ」

 俺が10分で書き上げたとはいえ、もう既に1時間15分経っている。

「ふむ…じゃあ次大悟さん!よろしくです!」

「え?俺!?」

 自分に来るとは思っていなかったのだろう、大悟が驚きの声をあげる。

「えー…小説そんなに読まないからなぁ…」

 そう言っているが、その顔には冒険に行く前の少年のような楽しげな笑みを浮かばせている。

「がんばれー(棒)」

 俺は、一応応援をした。

 そう言えばこいつ、文章力皆無だったな。


「よっしゃ!出来た!!」

 なんか達成感に満ちている大悟。

 だが

「…?えっと、はい?」

「これは…なかなかね…」

 俺と、最後を任された美咲希がそう言う。

「なかなかすごい物語ですね…」

「流石だな大悟…」

 葉月と小鳥遊の反応も微妙だった。

「よし!美咲希任せた!」

 俺は無責任にそう言った。

「これを、どうしろと?私、自信ないわよ…」

「美咲希ならなんとかなるさ!」

「そうですよ!美咲希さんなら何とかしてくれます!」

 俺も相当だが、葉月もなかなかひどいな。

「まぁいいわ。何とかしてあげるわよ」

 そして、美咲希の作品が出来上がったのは30分後だった。

 その物語は、5人の中で1番いい出来で、葉月が張った伏線も回収している。

 ふむ、こいつやっぱなかなかやりおるな。

 そして、映画を楽しんだ俺らは、興奮が冷めないまま家へと帰った。

最近やっとふりがなのふりかたを覚えました。

これからもどんどん続くので応援よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ